振袖人形 映画「振袖御殿」 |
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花にねたまれ 夜風にせかれ いつか思いの 数も増す 幼なじみの 振袖人形 おぼろ月さえ はずかしや 二度と読めない 別れの手紙 薄い情けの 墨のいろ 夢は短し 運命(さだめ)はさみし 偲ぶ窓辺に 露がちる おさよ切り髪 君恋い千鳥 嘆(な)いて浮き世の 浪の上 憶(おも)い出すまい 昨日はむかし またの縁が あるじゃなし 紅の袂の 涙のあとも 消えて嬉しい 夫婦びな 願い届けば 山家(やまが)も御殿 交す笑顔に 灯がゆれる |
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昭和16年の映画「振袖御殿」から。
実に艶めかしい音楽です。
激烈な戦時歌謡をたくさん書いていたこのコンビがこの時期にこんな曲を書いていたというのも新たな発見でした。
( 2021.01.31 藤井宏行 )