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Liederseelen   Op.60-2  
  Das stille Leuchten
歌の精  
     歌曲集『静かなる輝き』

詩: マイヤー (Conrad Ferdinand Meyer,1825-1898) スイス
    Gedichte: I. Vorsaal  Liederseelen

曲: シェック (Othmar Schoeck,1886-1957) スイス   歌詞言語: ドイツ語


In der Nacht,die die Bäume mit Blüten deckt,
Ward ich von süßen Gespenstern erschreckt,
Ein Reigen schwang im Garten sich,
Den ich mit leisem Fuß beschlich;
Wie zarter Elfen Chor im Ring
Ein weißer lebendiger Schimmer ging.
Die Schemen hab ich keck befragt:
Wer seid ihr,luftige Wesen? Sagt!

“Ich bin ein Wölkchen,gespiegelt im See.”
“Ich bin eine Reihe von Stapfen im Schnee.”
“Ich bin ein Seufzer gen Himmel empor!”
“Ich bin ein Geheimnis,geflüstert ins Ohr!”
“Ich bin ein frommes,gestorbenes Kind.”
“Ich bin ein üppiges Blumengewind -”
“Und die du wählst,und der's beschied
Die Gunst der Stunde,die wird ein Lied.”

樹が花に被われたとある夜
愛らしい幻影が現れて私を驚かせた
それは庭で輪舞を踊りはじめ
私は忍び足で近づいた;
なんとも可憐な妖精の合唱隊が輪となり
白く、生き生きとまたたき光る
私は思い切って幻に訊ねた:
君らはだれだ? 大気の精なのか? 教えてくれ!

「私は湖面に映る千切れ雲」
「私は雪原に印された足跡」
「私は天上に昇る悲歎!」
「私は耳に囁かれた秘密!」
「私は天に召された敬虔な子」
「私は華麗な花飾り・・・」
「それらをあなたが選び、時の恵みを
与えられて、ひとつの歌となるのです」


連続歌曲集『静かな光』第2曲。メーリケを思わせる、可憐な妖精たちの現れる詩。
シェックの曲は素朴な詩にふさわしく有節歌曲風のものですが、後半の妖精たちの語りを前半と同じ旋律で扱いながらも、ピアニッシモからフォルテまで強弱を細かくつけて、巧妙に変化を与えており、神秘的雰囲気もよく出しています。地味ながら捨てがたい佳曲と思います。
演奏はそうした意図を十分以上に表現したフィッシャー=ディースカウ、よりストレートなH.ファスベンダー。
なおこの詩には名ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプの歌曲があり、フィッシャー=ディースカウが作曲者自身の伴奏で録音しています(別項)

( 2007.02.26 甲斐貴也 )


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