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Notre amour   Op.23  
  Trois mélodies
ぼくたちの愛  
     3つのメロディ

詩: シルヴェストル,アルマン (Paul-Armand Silvestre,1837-1901) フランス
    Les Ailes d’Or,poésies nouvelles 1878-1880 - Vers pour être chantés 14 Notre amour

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


Notre amour est chose légère
Comme les parfums que le vent
Prend aux cimes de la fougère
Pour qu'on les respire en rêvant.
- Notre amour est chose légère!

Notre amour est chose charmante,
Comme les chansons du matin
Où nul regret ne se lamente,
Où vibre un espoir incertain.
- Notre amour est chose charmante!

Notre amour est chose sacrée
Comme les mystères des bois
Où tressaille une âme ignorée,
Où les silences ont des voix.
- Notre amour est chose sacrée!

Notre amour est chose infinie,
Comme les chemins des couchants
Où la mer,aux cieux réunie,
S'endort sous les soleils penchants.
( - Notre amour est chose infinie)

Notre amour est chose éternelle
Comme tout ce qu'un dieu vainqueur
A touché du feu de son aile,
Comme tout ce qui vient du coeur,
- Notre amour est chose éternelle!


ぼくたちの愛は軽やかなもの
風が運んでくる香りのようなもの
そいつはシダの葉の先っぽからやってきて
夢見るときに吸い込むんだ
-ぼくたちの愛は軽やかなもの

ぼくたちの愛はさわやかなもの
朝の歌声のようなもの
そいつに悲しみの影はない
不確かな希望を歌ってるにしても
-ぼくたちの愛はさわやかなもの

ぼくたちの愛はおごそかなもの
森の神秘のようなもの
そこでは未知の魂が震え
静けさが何かを語るところ
-ぼくたちの愛はおごそかなもの

ぼくたちの愛は限りないもの
夕日の通り道のようなもの
そこでは大海原が空と溶けあって
沈む太陽のもと眠りにつく
(-ぼくたちの愛は限りないもの)

ぼくたちの愛は変わらないもの
勝利の神様が触れ給うたもの
神の翼の炎が触れたことで
心から湧き出してくるすべてのもの
-ぼくたちの愛は変わらないもの


愛するふたりの幸せいっぱいの気持ちが溢れ出ているような素朴な歌です。
フォーレでもこんな屈託ない愛の歌というとあとは「ネル」くらいのものでしょうか。このほとばしる熱情はたいへん印象的です。
詩はかなりパターンが揃っていて、自分たちの愛を色々なものに喩えています。素朴な有節歌曲にもできたところ、フォーレはこれをちょっとひねってかなりドラマティックにしています。
はじめの3節は単純な繰り返し(微妙に違いはありますが)、ところが4節目に入ると同じメロディが低く転調して始まり、おやっと思わせます。4節目の「ぼくたちの愛は限りないもの」の5行目の繰り返しは省略されてそのまま5節目に突入し、感情の盛り上がりとともに最後、「ぼくたちの愛は」を舞い上がるような上昇音型で繰り返したのち、「変わらないもの」(厳密には「永遠なるもの」の訳の方が適切かも)を2度、爆発するように繰り返して輝かしく終わります。終わり方はありきたりの盛り上がりといえば言えないこともありませんけれども、愛し合うが故に周囲がまるで見えなくなっている盛り上がりの感じはやはりこんなところでしょうか。

いろいろな人の歌を聴きましたが、これはやはりEMI歌曲全集のアメリンクのすがすがしい歌声が一番心に響きました。これはハイテナーの声も良く似合いそうな曲ですが残念ながら見つけることができませんでした。どなたか録音をご存知ないでしょうか。

( 2006.11.22 藤井宏行 )


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