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  続・歩行について
 
    

詩: 宮沢賢治 (Miyazawa Kenji,1896-1933) 日本
    春と修羅 (1924)  

曲: 林光 (Hayashi Hikaru,1931-2012) 日本   歌詞言語: 日本語


なぜ吠えるのだ 二疋とも
吠えてこつちへかけてくる

頭を下げることは犬の常套(じやうたう)だ
尾をふることはこはくない
それだのに
なぜさう本気に吠えるのだ

うしろへまはつてうなつてゐる
いつもあるくのになぜ吠えるのだ

ちやんと顔を見せてやれ
ちやんと顔を見せてやれと
誰かとならんであるきながら
犬が吠えたときに云ひたい
帽子があんまり大きくて
おまけに下を向いてあるいてきたので
吠え出したのだ



( 2019.11.03 藤井宏行 )


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