和賀仙人鉱山跡 探検: 北の細道 和賀仙人鉱山跡

仙人鉱山のダム建設による閉鎖



岩手県北上市

  ポンプとは水や空気などの流体に力を加えて、圧力を上昇させたりその流体を移送させる装置だ。
人間の心臓のように血液を押し込んで、体の隅々まで行き渡らせるのがポンプの役割だ。
温度や圧力、流量の変化にも対応できる機能が必要で、
主に回転する羽根車から発生する遠心力や垂直上向きに働く揚力を利用する。

密閉される空間内に圧力をかけて流体を送り出すのが容積式と呼ばれるポンプで、
例えば水鉄砲のようなものである。

鉱山の坑道内には地下水が溜まりやすく、
近年、この排水には 「タービンポンプ」 渦巻きポンプの回転羽根車の外周に案内羽根を取り付けたもの、高揚程「プランジャーポンプ」 プランジャー(ロッド状のピストン)を往復運動させるポンプ、高圧 が用いられてきた。

しかし電気が動力の主流となる以前は蒸気や圧縮空気を使用するポンプが一般的に使用された。
その中でもウォーシントン式ポンプはコンプレッサーの圧縮空気の力を使って、
ピストンやプランジャーを往復運動させ、流体を吐出する高耐久ポンプである。

ウォーシントンポンプ

上図のようにシリンダー内でプランジャー(ピストン)を往復運動させ、
吸込管(下)や吐出管(上)への流路をチェック弁(ボール)により開閉し,吸水と吐出を繰りかえすポンプである。


岩手県と秋田県の県境、錦秋湖(きんしゅうこ)のたもとに存在した和賀仙人鉱山は、
明治33年(1900)11月から木炭製鉄による稼行が始まり、
明治43年(1910)には日露戦争による不況のあおりを受け休山。
翌年再興し、大正8年(1919)には高炉の完成、その後再び休山したものの、
昭和12年(1937)12月には電気化学工業(株)が東北興業(株)と提携、
和賀発電所の電力を利用したカーバイトや石灰窒素を製造する工場建設した。
昭和13年(1938)に鉄鉱石採掘のために和賀仙人鉱山(株)が設立、
昭和51年(1975)に閉山、買収した北上鉱業(株)が遠平夏畑鉱山として探鉱したが成功は収めず現在に至る。

今回は銅・鉄・硫化鉄・石灰石を鉱種とする山中の小さな鉱山跡の探索だ。
思いのほか遺構が散在する岩手の鉱山跡を訪ねてみよう。



ウォーシントンポンプ・水没戸数600戸・クロスヘッド型・・・




レシーバータンク
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