駅間距離(南海高野線)
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10月14日は「鉄道の日」です。・・・というわけで、今月は“鉄道ネタ”です。 ![]() 南海高野線は、難波と高野山を結ぶ63.6kmの鉄道路線で、全部で42の駅があります。 したがって、駅と駅の間は41ヶ所あるわけですが、すべての駅が等間隔にあるわけではないので、 当然のことながら、41区間ある駅間距離には、長いものから短いものまで存在します。 ![]() 小学5年生で「平均」を学び、 中学1年生で、「平均」を利用したデータの代表値として、「平均値」を学びます。 それに従い、41区間の平均値を求めてみたところ、「1.6(km)」となりました。 したがって、1.6より小さい値の場合は「駅間距離が短い」となり、 1.6より大きい値の場合は「駅間距離が長い」となります。 【珍しく「全数調査」】 中学3年生で「標本調査」を学び、高校2年生で「確率分布と統計的な推測」を学んだ方ですと、 「いやいや、そんな単純な評価をしてはいけないだろ!」というツッコミをするかも知れません。 上のデータに対して「標準偏差」を計算すると、「0.73(km)」となるので、 有意水準95%での信頼区間は「1.3(km)以上1.8(km)以下」となり、 駅間距離が短いと言えるのは1.3より小さい値のときで、 駅間距離が長いと言えるのは1.8より大きい値のときだろう!・・・と主張するかも。 このような指摘があるのは無理もありません。 むしろ、何の意識もなく、安易に「1.6より小さい、大きい」としている方より素晴らしい! ただ、今回の場合、標本調査ではなく、全数調査になっており、 求めた代表値(1.6)が「標本平均」ではなく、「母平均」なので、そのまま素直な解釈で構わないのです。 【駅間距離と人口密度】 では、平均値(1.6)を基準にして、各区間の駅間距離を、詳しく見ていきましょう! 始発駅の「難波」は、大阪市内にあります。 大和川を渡って最初の駅である「浅香山」で、初めて堺市内になります。 つまり、その1つ手前の駅である「我孫子前」までは、大阪市内。 難波から我孫子前までの9個の区間では、 駅間距離の最長が「萩ノ茶屋〜天下茶屋」の「1.0」であり、いずれも平均値(1.6)より小さいことから、 大阪市内の駅間距離は短めであることが伺えます。 大阪府内には43の自治体がありますが、やはり、県庁所在地である大阪市の人口密度は最も大きく、 場所が少し異なるだけでも、乗降者数が多いのかも知れません。 この辺りは、駅が“密”に設置されているわけですね。 堺市に入り、「浅香山〜堺東」区間で、ようやく平均値(1.6)と同じ値になりました。 この後、北野田で堺市が終わり、大阪狭山市に入って、「狭山〜大阪狭山市」区間で、再び1.6になりますが、 ここまで、一度も、平均値を上回る値にはなっていません。 初めて平均値を上回るのは「金剛〜滝谷」区間(1.7)です。 富田林市に入っています。 この先、河内長野市を経て、和歌山県との県境を越え、橋本市に進んでいきます。 駅間距離は、平均値(1.6)を上回る値が頻繁に出てくるようになります。 ・・・ということは、人口密度は、だんだん小さくなっていくのかな?・・・という予感も出てきます。 調べてみると、その通り! 大阪市 :12119.0(人/km2) 堺市 : 5571.9(人/km2) 大阪狭山市: 4928.4(人/km2) 富田林市 : 2795.4(人/km2) 河内長野市: 953.8(人/km2) 橋本市 : 477.8(人/km2) 人口が少ないと、乗降車数も少なくなることが予想されるので、 駅も、それほど密に設置しなくても、事足りる・・・ということでしょうか。 もちろん、各自治体ごとに、可住地面積が異なるわけで、 土地に対して、人が均等に散って住んでいるわけではないでしょうから、 単純に、人口密度だけで議論できることではありませんけどね。 【ズームカー】 南海高野線は、主に市街地を走る「平坦区間(難波駅〜橋本駅)」と、 曲線と勾配が激しい「山岳区間(橋本駅〜極楽橋駅)」に分けることができます。 平坦区間では、モーターのギア比が“速さ重視”になり、 山岳区間では、モーターのギア比が“低速パワー重視”になるわけですが、 通常、台車に取り付けるモーターのギア比は、これらのどちらかに寄るため、 難波駅から極楽橋駅まで直通で走るよりは、橋本で乗り換えることが多くなります。 しかし、中には「大運転」と呼ばれ、両区間を直通で走る車両もあります。 平坦区間向きの高速ギア比と山岳区間の低速ギア比の間でバランスを重視し、 どちらにも対応させるのです。 カメラのレンズで、マクロから接写まで、レンズをズームすることに例えて、 大運転する車両のことを「ズームカー」と言います。 駅間距離の長短が、人口の多少と関係し、 人口の多少が、地形を踏まえた路線形状と関係し、 路線形状が、製造する車両のタイプと関係する。 さらに詳しく調べると、もっと様々なことが分かってくるかも知れませんね♪ |
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