レーザー
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2018年のノーベル物理学賞は、 「光ピンセットとその生物学的システムへの応用」の業績により、 アーサー・アシュキンさん(アメリカ)(1922−現在) 「高強度超短光パルスの生成方法」の業績により、 ジェラール・ムルさん(フランス)(1944−現在) ドナ・ストリックランドさん(カナダ)(1959−現在) の3名が受賞しました。 どちらの研究も、レーザー物理学分野における画期的な発明です。 【レーザー】 ところで、「レーザー」とは、何なのでしょうか? 日常生活において、「レーザー光線」という言葉を耳にしますが、 普通の光とは、どのように異なるのでしょうか? 「レーザー」は、アルファベットで書くと「LASER」となります。 「 Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation 」の略称で、 日本語にすると、「誘導放出による光増幅放射」といったところでしょうか。 励起状態の電子が、外部から加えた電磁波(光子)によって、 より低いエネルギー準位に移るときに、その分のエネルギーを電磁波として放出する現象で、 基礎理論は、「相対性理論」で有名なアルベルト・アインシュタイン(1879−1955)により、 1917年に考えられていました。 【高校物理(波)+α】 手始めとして、高校物理で学ぶ「波」の単元と「原子」の単元を引っ張り出してこないといけません。 まずは、「波」のことから。 ひもでできた数直線をイメージしてみましょう。 原点のところを軽く揺らすと、正の方向、負の方向の両方向に波が伝わります。 ここで、正の部分に1ヶ所、負の部分に1ヶ所、それぞれ仕切りを入れます。 すると、波は、その仕切りで反射して戻ってきます。 仕切りを入れた位置によって、入射波と反射波が強め合うときもあるでしょうし、 弱め合って、波を打ち消してしまうこともあるでしょう。 入射波と反射波が強め合う条件は、2枚の仕切りの間隔が、波長の半分の整数倍になっていることです。 このとき、定在波(定常波)が生じています。 最初に入れた仕切り2枚は、反射率100%のものでした。 ここで、正の部分に入れた仕切りを、反射率の低いものに交換してみましょう。 すると、負の部分の仕切りでは、定在波は、すべて反射しますが、 正の部分の仕切りでは、一部の波が仕切りの外へ出ていきます。 ここまで考えてきた波が光波だとすると、この漏れ出てくる光が「レーザー」です。 【高校物理(原子)+α】 先ほど、「原点のところを軽く揺らすと・・・」と書きました。 これは、最初の波を発生させている状況です。 波が光波だとすると、どのようにして、最初の光を発生させれば良いでしょうか? ここで、「原子」の単元が登場します。 原子は、原子核の周りを電子が回っている状態です。 電子の軌道はランダムではなく、内側から、K殻、L殻、M殻、・・・と呼ばれており、 このことは、高校化学でも学びます。 内側の電子殻の方が、エネルギー準位は低く、より小さなエネルギーでも安定して存在していられます。 逆に、外側の電子殻に居ようとするには、より大きなエネルギーをキープしておかねばなりません。 外側の電子殻に居る電子が、内側の電子殻に下りてくるとき、 電子自身が保持しておくエネルギーは少なくて済むので、余剰なエネルギーが生じます。 この余剰エネルギーが光エネルギーとして出てくるわけです。 外側の電子殻から内側の電子殻に電子が下りる時に、余剰分のエネルギーが光となり、 それが仕切りから漏れ出てくるのだとすると、 何もしないで放っておくと、すべての電子が内側に下りてしまい、レーザー光を維持できません。 内側に下りてきた電子に、外部からエネルギーを与え、再び、外側の電子殻に運んでやらないといけません。 電子にエネルギーを与える方法には、いくつかあります。 光を照射し、光エネルギーを与えても良いでしょうし、 電気を流して、電気エネルギーを与えるのも良いでしょう。 例えば、電子が光として放出した余剰エネルギー分に相当する波長の光を照射すれば、 電子が、元の励起状態(外側の電子殻にいる状態)になり、再び、光を発することができます。 このようにして、光を発するように電子を促すことを「誘導放出」と言います。 レーザーの“ざっくり日本語訳”である「誘導放出による光増幅放射」を、何となくイメージできました? 怪しい方は、高校物理の理解を目指して、一緒に勉強しましょう! |
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