ブンゲン(ぶんげん)                         [滋賀県・湖北] 1260m

 

 関ヶ原ICで名神を降り、奥伊吹スキー場には9時に到着。除雪がしっかりされていて、チェーン要らずで予想外に早く着いたのだが、すでに駐車場は満車状態。休日とあって家族連れが多い。車のナンバーを見ると、地元の滋賀の他は京都、奈良、なにわなど関西ナンバーが多い。和歌山、福井、三重のナンバーもあり名古屋、尾張小牧はあまりない。ここは関西圏のスキー場らしい。

 スキー場は賑わっているが、あまりリフト待ちもなく、リフトを4基を乗り継いで、ゲレンデ最上部へ。最後のリフトを降りたときにちょうど5人連れのパーティがゲレンデを登ってきた。皆、わかんを履いている。ここのスキー場はスキーを履いていないとリフトに乗せてくれないようだ。

  リフト降り場から南を望むと、コブの重なりが続いていてどれがブンゲンの山頂か分からない。途中、アップダウンはあるだろうが、距離はたいしたことはないだろう。ここからはすでに湖北、奥美濃の山が見渡せる。
 

大岩から北方のパノラマ、左端が金糞岳(クリックすると拡大します)

  スキーにシールを付けて登り始める。県境の稜線まで少しの間は第11リフトから降りてくるゲレンデの一部になっている。
 稜線に出て南に上ると最初のピークに雪に埋もれた大岩がある。そこからはずらりと白い山々がパノラマになって広がる。すごい眺めだが、残念ながら山の同定ができない。遠くひときわ白く見えるのが能郷白山であるのは間違いないが、あとはよく分からない。
 家に帰ってからカシミールで調べてみたら、西の正面にひときわ大きいのが金糞岳。そこから北に三周ヶ岳、黒壁などが続き、その右の尖ったピークが蕎麦粒山。なおも天狗山 の山頂がすこしのぞき、その背後が能郷白山。もっと右側の異形の山は屏風山であった。
 
  大岩からは少し下り、広い斜面を登る。先行者のジグザグのトレースが付いているのでそれをたどる。稜線には小さな雪庇が出来ていて、右から巻いて稜線に出る。ピークに立つと、目の前の次のピークがもうブンゲンの山頂だった。山頂には人影があり、スキーヤーのようだ。

  最後の鞍部に下る所でスキーが深雪にもぐって派手にこけた。スキーが雪にささってしまい、なかなか立ち上がれない。山頂のスキーヤーに見られてしまったかなあ。シールがはがれかけてしまったが、なんとかなりそう。接着剤がもう効いてないようだ。
 

広い斜面の上には雪庇ができてる
 
ブンゲン山頂(左後方は伊吹山) ブンゲン手前からの貝月山

  鞍部からは急ではあるがわずかな登りで山頂に到着。先ほどのスキーヤーは斜面を滑って遊んでいる。山頂からは逆光の伊吹山が大きく見える。ぼんやりとだが琵琶湖に浮かんだ竹生島も見える。先ほどにも増して展望がいいが、西のほうから急に黒い雲が広がってきたので、はがれかけているシールを外して、とりあえず鞍部まで下ることにする。

 わかん5人組みと入れ違いに滑り始めるが 、予想以上に急だ。斜滑降で慎重に降りる。
 鞍部でショートシールを貼るついでに、カップヌードルのランチ。展望はないが風は来ないし、静かでいい。そばにはウサギの足跡が続いている。食べている間に山スキーとテレマークの2組5人が登っていった。

  食べ終わって再び帰路をたどる。ショートシールにしたので、若干グリップは落ちたが、それでも充分登っていける。先ほど登った広い斜面が今日一番の下り。ここも斜滑降で降りるが、広いので最後は鞍部に直滑降。大岩を過ぎると賑やかな元のゲレンデに戻る。
 

ウサギの足跡 第七リフト方面を望む

  まだ時間が早いので、品又峠の方に向かう。第11リフトのゲレンデをはずれて樹林の中に入り、深い谷を迂回すると、目の前に閉鎖中の第7リフトの降り場が見える。稜線は南に大きくたわんでいるが、アップダウンが面倒なので、第7リフトのゲレンデを目指して谷間へ滑り込む。谷が渡れるかちょっと心配だったが、なんということもなく越えられてしまった。
 
  安心してミズナラの大木の下で一休み。音楽が聞こえてくるほどで、ゲレンデからはわずかしか離れていないのだが、自分ひとりだけの谷間という感じで気分がいい。見上げるとまた青空が戻ってきている。

  今日は木立が多くてスキーでは登れないかもしれないと思い、スノーシューを背負ってきたのだがここまで出番がない。テレマークのスキー靴でスノーシューを履いたことがないので、ここで試してみたが、快適に歩ける。これはよさそう。リフトの終点からスノーシューで山頂をピストンし、ゲレンデを滑り降りるというパターンができそうだ。

自分のシュプール
 あとは閉鎖中とは言えゲレンデを滑るのだからとショートシールを外して歩き始める。
 第7リフトに沿って下るのだが、傾斜が緩くてほとんど滑れない。しかし閉鎖してるのがもったいないくらい感じがいい。トレースは全くない。
閉鎖中のゲレンデ
 
 だが、第7リフトの乗り場まで来ると様子は一変した。ゲレンデと思われる斜面は山腹の林道のような感じで、狭くて急になっている。少し下り始めたが僕の技術では滑るのは無理で、スキーを脱いでつぼ足で下ることにする。

 しかもゲレンデは途中で崩壊していて、ほとんどなくなっているところもあるし、上の崖から落ちてきた岩が雪面に散らばっている。もう少し暖かくなって凍った崖が緩んでくるともっと危険になりそう。
 木立の中の急斜面を降りることになりそうだが、第6リフト沿いに下った方が安全だろう。

崩壊しているゲレンデを振り返る
 
  つぼ足なので吹き溜まりでは時々股までもぐってしまう。こういうときにスノーシューを履けばいいのだろうが、下りでそんなに距離もないので面倒くさくてそのまま下る。 到着した品又峠はパノラマゲレンデの途中のようなところで峠という感じがしない。すぐそばに動いていない第6リフトの乗り場がある。 雪だらけの自分に、ゲレンデのスキーヤーが白い目を向ける。

  ここからはゲレンデを下るだけ、靴紐を締めなおして、一気に下までと言いたいところだが、転びたくないので急な所は斜滑降でぼちぼち降りる。初心者用のしゃくなげゲレンデまで来ると急にスキーヤーが増えるが、このくらいの傾斜なら僕もテレマークでいける。まだまだ賑わっているリフト乗り場に1時半に到着。少々楽過ぎ る感じはあるが、 のんびり歩くにはこのくらいが丁度いい。楽しめたコースだった。

 

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[山行日]   2004/2/11(水・祝)
[天気] 晴れ一時曇り
[アプローチ] 名神高速道路 関ヶ原I.C. →(R365)→ 山東町野一色東 →(県道40号)→ 奥伊吹スキー場駐車場 9:00   [約30km]

駐車場 (0:20) 第1リフト乗り場 (0:30/第1、第8、第9、第10リフト) 第10リフト降り場:ゲレンデ最上部
[コースタイム] 10:20 第10リフト降り場 (0:40) ブンゲン山頂 (0:05) 山頂直下の鞍部 (0:25) 第10リフト降り場近く (0:10) 第7リフトの谷間 (0:20) 品又峠 (0:15) 第1リフト乗り場 13:30    (計1:55)
 
[地図] 横山(1/25000)
[装備] テレマークスキー、シール、ショートシール
[積雪量] 奥伊吹スキー場の積雪量 180cm

 

[スキー場] 奥伊吹スキー場 tel 0749-59-0322
・駐車料 1000円
・リフト1回券 400円(ゲレンデ最上部までは4枚必要)
・原則スキーを履いてないとリフトには乗れないが、事前に電話で交渉すれば登山者でも乗せてくれるらしい。
[温泉] ジョイいぶき tel 0749-58-0105
・入浴料 300円
・月曜定休。
・露天風呂、薬草風呂、ボディーソープ、シャンプーあり。
・男女の浴室を曜日によって入れ替える。男湯は火、木、土が大浴場。
・運悪く小浴場に当たってしまったが、小浴場は脱衣所が狭いし、洗い場も4箇所しかなくて、あまり快適ではない。
・大浴場の方の広さは分からない。