ヘチマ(糸瓜、学名:Luffa cylindrica (L.) Roem.、シノニムLuffa aegyptica
Mill.)はインド原産のウリ科の一年草。日本には江戸時代に渡来したといわれる。
本来の名前は果実から繊維が得られることからついた糸瓜(いとうり)で、これが後に「とうり」と訛った。「と」は『いろは歌』で「へ」と「ち」の間にあることから「へち間」の意で「へちま」と呼ばれるようになった。今でも「糸瓜」と書いて「へちま」と訓じる。
沖縄ではナーベーラーと呼ぶが、一説によるとこれは”なべあらい(鍋洗い)”に由来するという。
へちま水
秋に、地上30cmほどのところで蔓を切り、切り口を容器に差し込んでおくとたまる液体をヘチマ水といい、化粧水や民間薬として使われてきた。 そのままでは防腐剤が入っていないため腐りやすいので煮沸、濾過をして冷蔵庫にしまい、使う時だけ取りだすと長持ちする。 含有成分は、ヘチマサポニン、硝酸カリウム、ペクチン、タンパク質、糖分等である。
民間薬
へちま水は民間薬としては飲み薬や塗り薬として用いられる。飲み薬としては咳止め、むくみ、利尿に効くとされ、塗るとあせも、ひび、あかぎれ、日焼け後の手当てにも効くとされる。
へちま水を作ることにしました。
花
へちま
畑
ヘチマ水は、旧暦の8月15日の満月の夜、つまり新暦の9月に作るのがよいとされています。ヘチマのツルを根元から60センチくらいのところで切ります。根につながっている方のツルの切り口を、曲げてビンの口にさし、にじみでてくる液をビンに集めます。そのとき、ビンの口からゴミが入らないように、ビンの口とツルのすき間に綿などをつめておきます。
ヘチマのツル1本で、500〜2000ccとれます。ビンはよく洗浄し、大きめの方がよいようです。とれた液(ヘチマ水)は腐りやすいので、空気を入れないように小分けして、冷蔵庫で保存します。冷蔵庫に入れておくと、白いペクチン質が析出してきますが、気になるようでしたら綿やろ紙でこせばよいでしょう。
また、防腐方法として、エチルアルコールを10〜15%混ぜると1カ月ほど持ちます。長く保存したいときは、小分けしたものを冷凍することもできます。ヘチマ水は、天然の化粧水ですから長持ちしません。液が濁ってきたり、生臭いにおいになったら使用を中止してください。肌が敏感な人は、腕の内側で試してから使うようにしてください。
へちま水 集めている様子です。
ツルをペットボトルに入れる
ごみが入らないようにする
完成
へちま水が取れるのを待ちます。