第6回 MacOS 8 の地球写真

MacOS 8 日本語版が9月26日に発売されました。Macintosh関係の月刊誌をみると、どれもこの新OSの特集記事でいっぱいです。

さて、このOSをみて私が密かにほくそえんだことがあります。それはFinderのアップルメニューから『このコンピュータについて...』選んだときのことです。やったことのある人はご存じですが、下のような絵が表示されますよね。


どうということのない地球の絵なんですが、実はこれについて私はある秘密を知っているのです。
その秘密とは・・・この地球の絵は、NASAが提供した写真を使ってできたものなのです。そのオリジナルはまんまるの地球の全景写真で、解説によれば、アポロ17号の乗務員が月に向かうときに撮影したものだそうです。それには地中海付近からアフリカ大陸を経て凍り付いた南極大陸までがその視野に入っていて、たいへん雄大なものです。

MacOS 8の絵はこの写真から、上部の1/6ぐらいを切り取ったものだったのです。


なぜこんなことを私が知っているかというと、自作のフリーウエア『TypingWars』の表紙のページに、全く同じ写真を加工して使った経験があったからなのです。、これを発表したのが1996年5月ですから、MacOS 8発売より1年4ヵ月前になります。

US版のMacOS 8を初めて店頭でさわったときに、どこかで見たことのある絵だなとは思っていたのですが、そのときは気がつきませんでした。先日、自作のTypingWarsを久しぶり(?)に見る機会があり、そこで同じ写真ではないかと気がついたのです。

私の場合は『Nautilus 』(January 1993)という月刊のCD-ROMでみつけました。後から考えるとこのCD-ROMの写真は東を上にしていて、通常のものを右に90度回転した配置になっていました。あまり深く考えもせずに天頂付近の部分を切り取って、色数を2値に減色してからHyperCardに張り付けました。結果的に、南半球の大西洋の雲の渦が画面の中心に来ることになりました。
一方MacOS 8の作者の場合は、色の変化が比較的大きい北アフリカからアラビア半島の部分を切り取り、加工したようです。


元々はNASAがfreeで提供している写真ですので、NASAのwebページのどこかに同じものがおいてあるかもしれないと思い、検索エンジンでさがしてみました。キーワードを『+NASA +Apollo +17 +Earth +Photo』にして、言語がEnglishのページをALTAVISTAで検索したところ、全部で94ページがヒットしました。

この中で問題の写真があったのは次の2つのサイトです。
Ericさんのホームページ(AS17-148-22727)
NSSDC Photo Gallery: Earth


ここで新たにわかったこと
・写真の番号:NASA Photo ID number AS17-148-22727
・アポロ17 号のRonald E. Evans宇宙飛行士が1972年12月7日に撮影した。
・歴史上最も多くの複製が作られた写真である。つまり地球の写真として使われるネタとして一番有名なものだそうです。

記1997年9月28日


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