コンパイラを使った開発2


どうやって習得するの?

CodeWarriorなどの開発環境もそろって、次に何をすればいいのでしょう。自分にあった参考書を選び、一章あるいは一節読んでは、サンプルコードを打ち込んで実際に試して見るというのが、上達の近道だと思います

現時点(2000年10月1日)では、Carbonプログラミングの資料が十分に揃っているとは言い難く、アマチュアの人はとりあえずClassicプログラミングから始めるしかないかもしれません。このようなことから、以下の説明はClassicプログラミングを前提にしています。


プログラミング言語

Macのプログラミングをするには、まずC言語(例えば)を習得し、その上にMac特有のToolBox関数を学ばなければなりません。

(1)まったくプログラミング言語の経験がないときは、本屋に行って自分に合ったC言語の入門書を探してください。(入門書はあまり知らないのでドウモスイマセン。)そのときあまりMS-DOSの仕組とか、UNIX固有の仕掛けなどの説明をしている本はやめたほうがいいでしょう。

(2)BASIC等の他の言語の経験がある人は、『プログラミング言語C 第2版』(B.W.カーニハン、D.M.リッチー著、石田晴久訳、共立出版、ISBN4-320-02692-6)を参考書にすればいかがでしょう。この本は通称K&Rといわれるほど有名なC言語の教科書です。ただし、熟練者向けに書かれているのと、例題が文字列処理に偏りすぎるきらいがあるので、初心者に強くはお薦めいたしません。でもあるレベルまで到達すると、レファレンスとして必要になってくるでしょう。

C言語の中核的な概念、ポインタ、構造体、関数の引数をポインタで渡す方法が理解できるようになればとりあえず次に進めるでしょう。

さて実際にサンプルプログラムを打ち込んでみるには、標準入出力用のprintf()とかgetchar()がすぐに必要になってきます。安心して下さい、このための環境はCodeWarriorにも用意されています。


Macintosh固有のプログラミング

C言語の準備ができたら、いよいよMac特有のプログラミングの習得になります。MS-DOSやUNIXの標準入出力などとMacのプログラミングには異なる点がいくつかあります。重要なキーワードはイベント・ドリブン、リソースです。

MacintoshのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)は別名ToolBox関数と呼ばれています。これはMacintoshのプログラミングのためにAppleが用意した関数ライブラリ群で、数は2000以上(?)あるのではないでしょうか。ともかく、これを駆使して自分の目的とすることをMacintoshに自由自在にやらせることが当面の目標になります。

そこで参考書の出番ですが、私が使った(1995年)のは『Macintosh Cプログラミング1(第2版)』(D.マーク、C.リード著、藤村行俊、笠和子訳、トッパン、ISBN4-8101-8057-3)という本です。副題が「THINK Cを使って」となっていますが、CodeWarrior用のコードもDave Markさんのホームページに掲載されていますので、これを使えば安心です。
1章を読み終るたびにサンプルコードを実際に動かしてみることで、着実に理解が深まるように構成されています。アメリカの入門者用の参考書は実に親切ですが、この本もその好例です。

上で紹介した本は内容が少し古くなっているので、最近の本から選ぶならば『進め!コードウオリア』(真紀俊男著、毎日コミュニケーションズ、ISBN4-89563-884-7)が入門書としていいと思います。


Inside Macintosh て何?

ある程度進んでくると、参考書にかいてある以上にToolBox関数について知りたいことが出てきます。これについて書いてあるのが、Macintoshのプログラミングに関するAppleの公式解説書で『Inside Macintosh』と呼ばれています。今でも27冊以上の分冊があり、さらに増えていくと思われます。これを読破することは人間わざとはとても思えませんので、自分のやりたいテーマや必要に応じて辞書を引くように読めばいいと思います。しかし中でも、Overview、Macintosh ToolBox Essentials等は誰もが必要とする内容を含んでいますので、一度ざっと目を通したほうがいいかもしれません。

念のために申し上げますが、Inside Macintoshは英語の本です。でも文学書とはちがい、易しい表現で書かれていますので、あまり心配しなくても大丈夫です。日本語訳の出ている分冊もあるようですが、値段はかなり高いです。また日本語訳のレベルも『?』と巷では言われているようです。

現在のInside Macintoshはテーマ毎にサブタイトルがついていますが、1994年以前にはInside Macintosh 1、2、3、4、5、6と(ローマ)数字が後につづく分厚い本が出版されていました。今となっては内容が古いので、買わないほうがいいでしょう。

Inside Macintoshを何冊も個人で買うのは負担になるので、私はInside Macintosh CD-ROM($89.95)をまず買いました。 しかし最近ではAppleのデベロッパー・サイトにはInside Macintoshが置いてありますので、これを必要に応じて読むか、ダウンロードすればいいでしょう。

なお経済的に余裕のある方には、Apple Developer Connection Mailingの購読をおすすめします。月に1回Appleから最新の内 容のCD-ROMが送られてきます。そして3ヵ月に1度はかならず最新のInside Macintosh全冊が入っていますので、たいへん便利です。年間購読料が$199です。


英語のInside Macintoshを読むのはつらいと言う方には、日本語の本で『Macintoshアプリケーションプログラミング』 (上巻、下巻、新居雅行 著)があります。Inside Macintoshのハンドブックというか虎の巻というか、たいへん便利な本で、じつは私も愛用しています。Classic環境の開発で基本的なToolBox関数はほとんど網羅して要約してあるので、これがあれば当面はInside Macintoshは必要ないでしょう。


おすすめのリンク

初心者の方に有益と思われるWEB サイトとして、
K仲川の公式ホームページ
Mac素人プログラマの会
などがあります。これ以外にも、私のホームページに「日曜プログラマのためのリンク集」として集めていますので、いちどご覧ください。


行き詰まった時、疑問のある時

こんなときには@nifty の会員ならば FMACPRO(Macintosh Programming Forum)に行ってみて下さい。そして初心者の方なら、まず7番会議室(これから始める人のためのQ&A)をのぞいてみて下さい。質問を投げかければ、きっと親切な先輩があなたの疑問に答えてくれると思います。
でも質問の前に、会議室の過去の発言やコメントを読んで見て、同じ様な質問が出ていないかどうかチェックするのは最低限のマナーですからお忘れなく。

Let’s get started!


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