人事院総裁談話の要約 令和8年8月7日
我が国は今、地政学的リスクの高まり、頻発する自然災害など、複雑で困難な課題に直面し ています。このような時代に、課題を解決し、国の未来を切り開くために、公務に優秀な人材 を確保し、職員一人一人が能力を十分に発揮できる環境を実現することが急務です。 これまで人事院は、採用試験改革、給与制度の見直し、勤務環境の改善などに取り組んでき ました。中略
人事院は、職員一人一人の挑戦を支え、その挑戦に報いる人 材マネジメントの実現に向けて人事制度改革を加速していきます。次の4つのポイントがその
柱です。
まず、「実力本位で活躍できる公務」を実現します。外部労働市場でも高い競争力を有する 人材の確保のため、本府省幹部職員等を対象とした人事制度見直しが急務です。民間企業との 人材獲得競争で見劣りしない給与水準を確保するとともに、能力・実績に応じた人事運用を徹 底し、採用年次にとらわれない実力本位の人事制度を構築していきます。本府省幹部職員等の ポストは、若年層を含め他の職員の目標となることにも留意しています。本年はその骨格を示 しました。
次に、「働きやすさと成長が両立する公務」を実現します。人事管理上の大きな課題となっ ている転勤への対応として、単身赴任者であるか否かにかかわらず、転居を伴う転勤を行う職
員に対する手当を新設し、経済的な負担を軽減します。また、長時間勤務が生じている職場へ の支援を充実させ、月 100 時間などの上限を超える超過勤務の更なる縮減を進めます。
あわせ て、ゼロ・ハラスメントの実現に向け、カスタマー・ハラスメント対策を推進します。さら に、国家公務員に求められるスキル、すなわち公務で獲得できるスキルを示した「スキル一
覧」を活用して、職員が学び続け、成長を実感できる環境を整えます。
さらに、「誰もが挑戦できる開かれた公務」を実現します。採用試験の申込者数の増加に気 を緩めることなく、採用プロセスをアップデートしていきます。令和9年度には経験者採用試 験に、令和10年秋には総合職試験教養区分にCBT方式(オンライン試験)を段階的に導入し、 令和 11 年春には総合職試験全体に拡大していくなど、海外の大学等の学生も含め受験機会を 拡大し、日程にも自由度を持たせ、受験者の利便性向上を図ります。
また、人手不足が深刻な 技術系人材の採用ルートを拡充するとともに、アルムナイ人材や民間の専門人材を公務に円滑 に採用できるよう、人材プールを整備し、府省とのマッチングを推進します。
加えて、「高い使命感とやりがいを持って働ける公務」を実現します。そのため、国家公務 員の仕事の価値や魅力を公務内外に分かりやすく伝えていきます。
本年3月に策定された「国 のミライをつくる、唯一無二の挑戦がある」という公務のブランドメッセージを魅力発信の柱 に据え、高校生、大学1、2年生、技術系人材に対する情報発信を強化し、公務を進路として イメージできる機会を拡充します。また、国家公務員行動規範の更なる浸透に取り組み、誇り とやりがいを持って挑戦を続けられる文化を育んでいきます。
本日、人事院は、国会及び内閣に対し、国家公務員の給与の改定、並びに勤務時間及び休暇 の改定について勧告を行うとともに、国家公務員災害補償法の改正について意見の申出を行い
ました。 給与については、民間企業の賃上げの状況を反映して本年も高水準のベースアップとしまし た。全体では平均15,056円(3.51%)引き上げ、業務遂行において重要な役割を担う中堅層以
上の職員について昨年を上回る改定を行うとともに、引き続き初任給の引上げも行います。ま た、特別給は0.05月分引き上げ、年間4.70月分とします。
このほか、育児や介護に限らず、個人の事情に配慮した柔軟な働き方ができるよう、取得事 由を問わない年7日の無給休暇を新設します。加えて、時代に即した国家公務員災害補償制度
となるよう、配偶者が夫である場合にのみ課せられた遺族補償年金の受給資格要件を撤廃しま す。
国会及び内閣におかれては、人事院勧告制度の意義や役割に深い理解を示され、勧告どおり 実施されるとともに、意見の申出の実現のために所要の措置を採られるよう要請いたします。
国民の皆様におかれては、こうした改革の必要性について、深い御理解をいただければと存 じます。
最後に、国家公務員の皆さんには、国民全体の奉仕者として日々責任を果たしていただいて いることに、改めて敬意と感謝を申し上げます。人事院は、皆さんが高い使命感とやりがいを
持ち、安心して挑戦を続けることができる公務の実現に向け、全力で取り組んでいきます。