電源供給ラインが2通りで、2つの電源が接続された場合は、Priorityを優先して片側は電源オフにする制御回路が下図です。 J100とJ200が電源部です。J300は負荷が接続されます。 J100の電源単体の場合は、U100(NPN-Tr)がONしてQ100(Pch MOSFET)がONします。D101(SBD)を介して負荷に電流を供給します。 J200の電源単体の場合は、U200(NPN-Tr)がONしてQ200(Pch MOSFET)がONします。D100(SBD)を介して負荷に電流を供給します。 しかし、J200に電源が投入されている時は、U101(AND)がONします。U101の入力はQ200(Pch MOSFET)のゲートに接続されているの で、U101(AND)の2入力はLOWになります。よって出力もLOWになるので、U100(NPN-Tr)のベース(B)をLOWでバイアスするため U100はOFFとなります。つまり、Q100(Pch MOSFET)はOFFとなり、J100の電源はOFFになります。 これにより、電源J100とJ200の両方に電源が投入された場合は、J200の電源が優先されて、J100の電源はOFFとなります。
1.回成図
KiCadで回路図を作成します。主要部品は下記の通り。 Q100/Q200 : IRLML6402-Infineon Technologies(Pch MOSFET) U100/U200 : TDTC114E-TOSHIBA(抵抗内蔵型NPN-Transistor) U101 : TC7S08FU-TOSHIBA(AND Gate) D101/D101 : SS2040FL-PANJIT(ショットキーバリアダイオード) IRLML6402、TDTC114Eはシンボルが未登録なのでシンボルを作成しましたが、フットプリントはSOT-23は登録されているのでそれを使用しました。 TC7S08FUもシンボルが未登録だったのでシンボルを作成しました。しかし、フットプリントも未登録だったのですが、TSOT-23-5の登録がありまし たので使用しました。 しかし、若干フットプリントが大きいように感じましたが、もし部品が載らなくても改造すればいいと思いこのフットプリントで設計しました。
回路図同様にKiCadでプリント基板を設計しました。 3Dビュアーで出来上がりを確認して、問題なさそうなのでこれでOKとしました。
KiCadでガーバーデータを作成して、プリント基板製造メーカに製造を発注。 今回発注したのは、中国深センにあるFUSION PCBという受託メーカです。 今回設計した基板のサイズは48mm×30mmと小さいので、最小ロット5枚で500円くらいでした。 これに、エア代の$20がかかりますが、それでも3000円程度なので激安です。発注から納品まで7〜9日くらいでした。 下図が納品した基板です。レジストの色を黒で指定したのですが、ちょっとパターンが見づらいので定番の緑で製造すればよかったなと思っていま す。しかし、出来上がりには満足しています。 基板製造メーカはFUSION PCBの他にPCBGOGOも何度か使用しました。こちらも価がも安くて、さらに納期が7日くらいです。 個人の工作レベルでの基板は、中国のメーカは非常に助かります。
下図は基板に部品を実装した完成品です。 TC7S08FU(AND Gate)は何とか実装できました。しかし、やっぱり若干フットプリントが大きかったです。
負荷抵抗ですが、今回は5Vで300mAを流す設計でしたので、抵抗値は16Ωで消費電力は1.5Wです。 しかし、私が持っている抵抗は1/4Wしかなく120Ωを8個並列接続すること15Ωとなり消費電力は2Wとなります。 まあこれで何とか抵抗が焼けることはないと思います。
下図は動作確認動画です。 とりあえず、設計通りに切り替えができていることを確認できました。