France フランス
Bordeaux ボルドー地方



St-Emilion サンテミリオン地区

Ch.Ausone
シャトー・オーゾンヌ

サンテミリオン 赤 (CF50,M50)
 4世紀のローマの詩人アウソニウス(仏名オーゾンヌ)の別荘跡地にあるシャトー。1954年に行われたサンテミリオン地区の格付けでは、下のシュヴァル・ブランと共に第一特別級Aに指定され、名実ともにこの地区のトップ。
 ブドウ品種は、カベルネ・フラン、メルローを半々に混醸。エレガントなボルドーの典型といわれます。
(サンテミリオン地区第一特別級A)


Ch. Cheval Blanc
シャトー・シュヴァル・ブラン

サンテミリオン 赤 (CF66,M34)
('74 -)( '78 \23,000)('84 -)('97 \16,000位)
 「第一特別級A」は、サンテミリオンでこのシュヴァル・ブランとオーゾンヌだけが名乗れる格付け。ポムロールとの境界線に位置するこのシャトーは、その土壌がグラーヴと呼ばれるカベルネ・フランに適した地質のため、カベルネ・フラン2/3、メルロー1/3というブレンドで造られ、ボルドーの名シャトーの中でも珍しい。名前の意味は「白馬」、ボルドーで最も深遠なワインと評され、多くのファンを持つシュヴァル・ブラン。
 1974,1984 : 共にBVCワイン会にて。オフ・ヴィンテージなのですが、シュヴァル・ブランらしいふわっとした甘さが残っているのが嬉しいワインでした。【D:2001】
 1978 : 感激しました。ルビー色にややレンガ色が混ざり、その華やかなブーケは、気品に溢れ、官能の世界に誘ってくれます。熟した黒い果実、細やかでしなやかなタンニン、ハーブの香りが印象的。こんなに風味のあるワインがあるのですね。「第一特別級A」たぶん本当に別格なんだと思います。
 1997 : 甘い果実香は、エレガントなカシス、チェリーやトースト。果実味と酸、タンニンのバランスがとれ、親しみやすいミディアム・ボディに仕上がっていると思います。このヴィンテージには「深遠」という言葉は似合わないかもしれませんが、飲み頃を気にせずに開けられる近づきやすい「白馬」でしょう。
(サンテミリオン地区第一特別級A)

Le Petit Cheval
ル・プティ・シュヴァル
サンテミリオン 赤 (CF,M)
('97 \5,000位)
 シュバル・ブランのセカンドがプティ・シュバル。シュバル・ブランの畑面積は37haで、ファーストが年産約8万本、セカンドが約3万本。97年は文字通りの可愛い白馬で、バランス感重視のミディアムボディ。【D:2002】


Ch. Angelus
シャトー・アンジェリュス
サンテミリオン 赤 (M50,CF45,CS5)
('97 \13,000位)
 有名なサンテミリオンの鐘楼から1キロ足らずの所、南向きの「丘のふもと」にあるシャトー・アンジェリュスは、ブアール・ドゥ・ラフォレ家所有のシャトー。1980年代、ミッシェル・ロランの助言のもと、急激に評価を上げたこのシャトーは、1996年の格付け見直しにおいて、見事「サンテミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(B)」に昇格しました。(このシャトーは日本語のHPがあるので、詳しくはこちらで)
 美味しいワインですね。血や肉の焼かれた香ばしさ、赤から黒のベリー、豊満でジュシーな果実にタンニンが溶け込んでいて、複雑、美味。肉料理が食べたくなるほど魅惑的、華麗なワイン。
(サンテミリオン地区第一特別級B)

Ch.Figeac
シャトー・フィジャック

サンテミリオン 赤 (CS35,CF35,M30)
('82 \32,000位)('87 \12,000位)
 このフィジャックのラベル、本当にいい雰囲気ですよね。デザイン的にはフランスで一番好きです。
 ここのシャトーは、上のシュヴァル・ブランの隣にあり、元は一緒のブドウ園でした。この地区最古の由緒あるシャトーです。
(サンテミリオン地区第一特別級B)


Ch. La Tour Figeac
シャトー・ラ・トゥール・フィジャック

サンテミリオン 赤 (M60,CF40)
('93 \5,000位)('93 \12,000位 1500ml)
 サンテミリオンにはフィジャックという名のついたワインが多いけれど、ここも1879年に分割されるまでは、広大なフィジャックの領地の一部だった。現在のフィジャックとシュバル・ブランに接し、西側はポムロールのアペラシオンになる。1994年にレテンマイエール家に買収され、エチケットのデザインも変更されている。今後が期待されているシャトー。
 93ヴィンテージを通常のボトルとマグナムで二度。比較的熟成の進んだレンガが入る色合いで、枯葉、鉄、ミント系(ややもすると病院ぽいアルコール)のすっとした香り。赤いチェリーを中心としたエレガントな個性。熟成したメルローらしい優しさがあり良い飲み頃。
(サンテミリオン地区特別級)


Ch. Beausejour (Duffau-Lagarrosse)
シャトー・ボーセジュール(デュフォー・ラガロース)

サンテミリオン 赤 (M65,CF25,CS10)
('83 \8,900)
 この地区の第一特別級。メドックのワインに喩えれば第2級から3級の実力を持つと言われるボーセジュール。もともと1つの畑だったデュフォー・ラガロースとベコは1869年、2人の娘によって分割されました。
 83年は今熟成の高原部。優雅に年をとったワインは、贅肉が落ち、ふくよかな果実を感じさせるもの。特徴的な柔らかさは「乳酸」の感じがしました。このワイン、90年ヴィンテージは100点の評価を与えられています。いいワインなんでしょうね。
(サンテミリオン地区第一特別級B)


Ch. Canon
シャトー・カノン
サンテミリオン 赤 (CS,M,CF)
('83 \6,800)
 町の南西に位置するこのシャトーは、1919年以来、フルニエ一族が所有してきましたが、1990年代半ば、シャネル社が買収。伝統的な醸造法を踏襲し、65%以上の新樽、18ヶ月樽熟されます。
 鮮やかで透明感のあるルビーにほんおりとオレンジがかかる色調のワインは、湿った土やブラックペッパーの香りが熟成された古酒の良さを感じさせます。アタックから余韻にかけての比較的高めの酸が、清々しい印象を与え、甘い黒果実の風味。やや中間の味わいにかけるものの、食事と共に楽しめるワインです。
(サンテミリオン地区第一特別級B)

Ch. Pavie
シャトー・パヴィ
サンテミリオン 赤 (M55,CF25,CS20)
('97 \7,000位)
 この地区第一特別級の中でも最も広い畑(37ha)を持ち、年間18万本ものワインを産出、その名を広く知られるパヴィ。1895年に植えられた古樹を筆頭に平均樹齢45年。1998年を最後にオーナーだったヴァレット氏は、このシャトーを手放し、今後の動向が注目される。
 このヴィンテージはうまく行かなかったのか、黒果実とスパイスのアロマはあるものの、その味わいには、あまり印象に残るものがありませんでした。今後よくなるだろうか?
(サンテミリオン地区第一特別級B)


Ch. Trotte Vieille
シャトー・トロット・ヴィエイユ

サンテミリオン 赤 (M50,CF45,CS5)
('88 \7,800)('90 \10,000位)
 サン・テミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセに格付けされるこのシャトーは、ボルドーの著名なネゴシアン、ボーヌ・マヌー社の所有。86年以降は、新樽90%、厳しい選別などの努力により、その品質も改善されてきました。
 1988 : 深いガーネットをし、熟成を感じさせる気品のあるブーケ。やや酸味が強く感じるものの、タンニンもこなれ、しなやかな果実が美味しいワイン。【D:1999】
 1990 : ビッグ・ヴィンテージ90年は今良い状態。ドライプラム、ほうじ茶、樽香も溶け込んで少しのミルキーな甘さがふわっと香るブーケ。今のサンテミリオンから見るとクラシカルな果実は、肉厚ではないけれど、落ち着きのあるしっとり感。【D:2002】
(サンテミリオン地区第一特別級B)

Ch. Troplong-Mondot
シャトー・トロロン・モンド

サン・テミリオン 赤 (M80,CF10,CS10)
('78 \18,000 1500ml)
 オーゾンヌと通りを挟んで向かい合った丘の上に位置する30haとサン・テミリオンでは、やや広めの畑。1980年代半ばより、あのミシェル・ロランにアドバイスを受け、セカンド・ワイン(モンド)を導入。今では、サン・テミリオンでも、トップ・クラスの評価を受けています。
 78年、マグナム・ボトルのトロロン・モンド。悪くないですよ。評判の良くない時期とはいえ、メルローの高貴な香りが印象的。ややタンニンが荒い感はありますが、全体的に柔らかなボディは、食事の供としていいワインのように思います。改めて近年のヴィンテージを飲んでみたくなりました。
(サンテミリオン地区特別級)


Ch. Pavie Macquin
シャトー・パヴィ・マカン
サンテミリオン 赤 (M70,CF25,CS5)
('96 \6,000位)
 ワイナート誌11号「最先端ボルドー/サンテミリオン特集」の巻頭を飾ったパヴィ・マカン。畑はオーゾンヌとトロロン・モンドの間。低迷を続けていたシャトーだったが、支配人としてニコラ・ティアンポン(ル・パンやヴュー・シャトー・セルタンで有名なティエポン家の直系)を雇い入れ、さらに90年からステファン・デュルノンクール(ラ・モンドットなどの数々のシンデレラワインを手掛けた)を醸造家に迎え、ミクロ・ブラージュやクリカージュといった最先端技術を導入。現在サンテミリオンで最も注目されるシャトーの一つとなっています。
 このワインを初めて飲んだのは2000年、その時「サンテミリオンという場所に大きな変革が起こっているんだ」と感じた思い出深い一本。ワイナート誌に「最もメドック的なサンテミリオン」と記されていたが、緊密で滑るような果実の中にある多目のタンニンがメドック好きにも喜ばれるように思う。ディープな黒果実、ミントとヨーグルト、オークが溶けたアロマが非常に現代的な造り。
 2002年末にもう一度飲んだみると、若いうちの迫力は落ち着き、フィネスともいうべき精妙な質感。ほんのり熟成を見せる赤肉とポート風の甘さ。静かだが姿勢を崩さないテクスチャー、細やかなタンニンと赤系果物の酸が余韻を長く引っ張る。今度は10年後くらいに飲んでみたい。そして98以降のヴィンテージにも注目したいパヴィ・マカン。【D:2000】【D:2002】


Ch. L'Arrosee
シャトー・ラロゼ
サンテミリオン 赤 (M50,CS30,CF20)
('89 \9,000位)('95 \7,000位)
 ロダン一族が1911年に購入し、1960年代半ばより元詰めを開始。コート地域の南側斜面、10haの畑から産み出されるワインは、あまり目立たない存在ながら、パーカー氏も「第一特別級に格上げされるべき」と誉めそやす、知る人ぞ知るシャトー。1995年は、ボルドー全域で成功した年。その中でもメルローは素晴らしいとされています。
 1995:深みのあるガーネットのワインは、熟成によるアミノ酸の醤油風味や、ゆでたキャベツの個性的な香り。酸味中心のアタックからこなれたタンニンを含む、中庸な受け入れやすいミッド・パレット。カシスを煮詰めたソースにも似た甘く旨味のある味わい。面白いワインですし、この地区の典型とは言えないかもしれませんが、捨てがたい何かがあります。ロワールのカベルネ・フランに近い印象でした。
(サンテミリオン地区特別級)


Ch. de Valandraud
シャトー・ドゥ・ヴァランドロー

サンテミリオン 赤 (M75,CF20,Ma5)
('94 \80,000前後)
 元銀行マンのジャン・リュック・テュヌバン氏がこの畑を買ったのが1989年、ファーストヴィンテージは1991年で、わずか2年後の1993年ヴィンテージにパーカー氏が最高得点が与え、一躍シンデレラ・ワインとして、この地区最高値で取引されるワインとなったのが、このヴァランドロー。手がけたのは、やはりミッシェル・ロラン氏。新樽100%、18〜30ヶ月の熟成。年間約600ケースという少量生産。このワインは、こちらで詳しく特集しています。


Virginie de Valandraud
ヴィルジニ・ド・ヴァランドロー

サンテミリオン 赤 (M75,CF20,Ma5)
('96 \16,000)
 これは、ヴァランドローのセカンドワイン。何とも贅沢なセカンドです。抜栓後、徐々に立ち上ってくる香りは、新樽からくるオークと凝縮された黒い果実を感じさせる上質なもの。味わいも肉付きの良さと、甘味を感じます。これがセカンドなのですから、ファーストになるとどんなに素晴らしいワインなのでしょうか。セカンドで、この価格は高すぎるでしょうが、その品質は間違いなく秀逸な出来だと思います。

ヴァランドローの公式HPである《Thunevin.com》に日本語ページが出来ました。ヴァランドロー・ミクロキュベ等の紹介やワイン関連のニュースも掲載されています。詳細なデータもありますので参照して下さい。


Clos Badon Thunevin
クロ・バドン・テュヌヴァン
サンテミリオン 赤 (M50,CF50)
('98 \5,000位)
 シャトー・ヴァランドローのオーナー、テュヌヴァン氏の新しいサンテミリオン、初リリースは1998年。1996年にクリュクラッセの“Cure Bon La Madeleine”を購入したかったが前オーナーはテュヌヴァンへの販売を拒み、シャネルグループへ売却。その代わりにパヴィとラルシス・デュカスの間に位置する6.5haのクロ・バドンを取得した。エチケットに描かれているのは、テュヌヴァン氏が友人から贈られて、自宅で飼っている中国産の鶏で、ずっと可愛がっているものだとか。平均樹齢30年のメルロー、カベルネ・フランが半々。新樽100%で16〜18ヶ月の熟成。年産約11000本、当然コンサルタントはミッシェル・ロラン。
 テュヌヴァンのワインは「黒い」と言われるように、黒の強いガーネット色。いかにも現代的な甘いオーク、ゆで小豆、熟れたブラックベリー。ねっとり感のある滑らかなボディ、熟したタンニン。なんだかんだと言ってもこの現代的な美味さには納得。(翌日はアルコールを中心に、やや浮ついた酸のあるワインになっていた事からも、このワインは早めに飲んであげるのが、ベストではないだろうか?)【D:2002】


Ch. Rol Valentine
シャトー・ロル・ヴァランタン

サンテミリオン 赤 (M90,CF5,CS5)
('96 \12,000位)
 昨年あたりから一部のワイン通の間で話題になっているワインでボルドー・サンテミリオンの入手困難なワイン、ロル・ヴァランタン。平均生産量は7000〜9000本という少量生産のワインは、シンデレラの予感?ラベルには天使がハートを抱きかかえている絵が描かれていて、プレゼントにも最適。
 96年はまだまとまるのに時間がかかる印象。健康的な深い赤紫をしたワインは、まずローストされた樽を感じ、アタックに渋み、メルローの個性を現した豊かなボディ。これから注目かもしれません。未来を期待して「RECOMMEND」マークです。


Ch. La Gomerie
シャトー・ラ・ゴムリー
サンテミリオン 赤 (M100)
('97 \20,000位)
 サンテミリオン地区のシンデレラとも言うべきラ・ゴムリー。ボーセジュール・ベコのジェラール・ベコ氏がル・パンのような贅沢なワインを目指す。100%メルロー、100%新樽、たった3haの畑から産出されるワインは年間9000本。その希少性も後押し、すでに多くのワイン愛好家から支持を受けているようです。
 このワインを二回頂く機会がありましたが、どちらも凄いという印象。濃度のある紫がかったルビー。やはりロースト香、プラム系の甘い果実。凝縮感とボリュームが素晴らしく、骨格のあるワイン。果実味を支えるほどよい酸味とタンニンによる綺麗なフィニッシュ。個人的には新樽の多いメルローに良い印象を持たないことが多々ありますが、これは文句なし。今後も期待できそうですね。


Ch. Bellisle Mondotte
シャトー・ベリール・モンドット
サンテミリオン 赤 (M100)
('97 \4,500位)
 シャトー・ベリール・モンドット??なにやらあのシンデレラ・ワイン、シャトー・ラ・モンドットのセカンドワインという噂が飛び交っていましたが・・・実はそうではなく、ラ・モンドットの隣に位置するシャトー。しかしながら醸造責任者はラ・モンドットと同じくステファン・デルノン・クール氏が務め、平均樹齢30年の畑から産出される話題の一本。通常はメルロー70%、カベルネ・フラン30%という事ですが、この97ヴィンテージはメルロー100%にてリリースされたようです。
 メルローの魅力が詰まった、鮮やかなルビーレッドのワイン。赤い果実の香りと親しみやすい中庸な果実ながら、決して単純ではなく、バラ、野生の肉、土といった、秀逸なワインに欠かせない要素もあるように思いました。今後注目ですね。

Ch. Rolland-Maillet
シャトー・ローラン・マレ
サンテミリオン 赤 (M75,CF25)
('95 \3,600位)

「ミスター・メルロー」「シンデレラワイン請負人」と絶賛される話題のワイン・コンサルタント、ミッシェル・ロランが所有するシャトーだが、焦げ味の強いワインで、あまり好みではなかった。鉄、インク、ペッパー、フランの青さ。
(サンテミリオン・グラン・クリュ)

Ch. Haut-Fonrazade
シャトー・オー・フォンラザード

サンテミリオン 赤 (CF,M)
('88 \2,950)
 ワインショップ「エノテカ」さんのおすすめワイン。黒のラベルに金の印字という荘厳なラベル。そのルックスに惹かれます。
 ワイン自体は、外見と違いかなりマイルド。サンテミリオンのカベルネ・フランが熟成すると、「ミルク」のようなニュアンスを感じるのは私だけでしょうか?熟成を感じさせる、コスト・パフォーマンスの高いワインです。飲み頃。

Ch.Clos de Sarpe
シャトー・クロ・デ・サルプ

サンテミリオン 赤 (M,CF)
('66 \9,800)
 サンテミリオン・グラン・クリュに指定されるこのワイン。これもあるワイン会にて供されたもの。その抜栓を頼まれたのですが。。。真さらなラベル、綺麗なキャップシール。「おや」って思いながら開けて見ると、やはり一昨年リコルクされたもの。
 リコルクについて、こちらで少し紹介しています。


Clos Des Menuts
クロ・デ・メニュ

サンテミリオン 赤 (M,CS)
('92 \2,600)
 サン・テミリオンの情熱の造り手、リビエール氏。「メドックのように新樽で葡萄の香りを消してしまう事はしたくない。樽の風味はほのかにアクセントとして付ける程度に抑え、本来葡萄の持つ香りと味を存分に表現したい」というポリシーから生まれるこのワインの収穫は全て手摘み。収穫量は何と1ha当たり35hl以下。
 不思議なワインなんです。一杯目は、92年だからすべてにおいて評判のわりにちょっと薄い感じがしたのです。しかし、飲むにつれ何だかグイグイいってしまう。なんだか飲んでしまう。今度は絶対にいい年のクロ・デ・メニュを試してみます。

St-Emilion
サンテミリオン

サンテミリオン 赤 (CS,CF,M)
('92 \1,800位)
 実は、若かりし頃、サンテミリオン・ファンでした。その名前の響きがかっこよくて(笑)。
 いいクラスのものは、自分でも不思議なくらい飲んだ記憶がないのですが、この地区名ワインは、赤ワインにあまり慣れていなかった頃でも、美味しく感じられました。たぶん、それぞれの品種に適した土壌があるという事、バランスがいいんでしょうね。
(カルベ社)



St-Emilion Satellite サンテミリオン衛星地区

Ch. de Barbe Blanche
シャトー・ド・バルブ・ブランシュ

リュサック・サンテミリオン 赤 (M,CF)
('96 \2,000位)
 サンテミリオン地区の北東、約6000haのエリアに、4つの独自のAOC(リュサック、ピュイスガン、モンターニュ、サン・ジョルジュ)があり、サンテミリオン衛星地区と呼ばれます。
 リュサック・サンテミリオンのこのシャトーは、バルブ・ブランシュ(白いヒゲ)というアンリ4世が由来とされる名前を持つ、歴史の古いシャトー。鉄分を含んだブルゴーニュ風のきさくなタンニンと酸味のワイン。赤い果実を感じさせ、色んな料理のパートナーとなりそうです。


Ch. Griffe de Cap d'Or
シャトー・グリフィ・ド・キャップ・ドール
サンジョルジュ・サンテミリオン 赤 (M100)
('98 \3,600位)
 ヴァランドローのオーナー、ジャン・リュック・テュヌバン氏が2001年にリリースした新作。サンテミリオン衛星地区で、サンテミリオンのほぼ真北にあるサンジョルジュ・サンテミリオンACの畑6haから。平均樹齢40年のメルロー100%、セガン・モローの新樽100%、18ヶ月〜20ヶ月間の熟成、年産16000本。畑の管理から醸造まで、全ての行程をテュヌバン氏が行っているという事。この1998がファーストヴィンテ−ジ。
 黒みの強いガーネット色のワインは意外にも現時点で美味しいワイン。チョコの甘さ、熟した黒いベリーとスパイス。メルローらしいふっくらとした質感と、タンニンが枠組みを作る好印象のバランス感。
 よくネット上で「ヴァランドローの醸造所の2軒となりが、グリフィ・ド・キャップ・ドールの醸造所で目と鼻の先」なんて書いてありますが、畑の位置は全然違うと思う(醸造所が隣でもしょうがないし、元々ヴァランドローは様々な区画のブドウから造られている)。それよりもサンテミリオンの衛星地区でも、手をかければこうした旨いワインが出来るんだなぁと感心した一本。
Ch. Griffe de Cap d'Or


class30 "The Wine"