France フランス
Bordeaux ボルドー地方

Grave グラーブ地区




Ch. Haut-Brion
シャトー・オー・ブリオン

グラーブ(ペサック) 赤 (CS45,M37,CF18)
('67 \?)('70 \32,000)( '73 \14,500)('76 \20,000位)('83 \23,000)('87 \15,000位)
 1855年、メドック地区の格付けの際、あまりにも当時から定評があったため、グラーブ地区ながら例外的に第1級に格付けされたオー・ブリオン。英国で最初に有名になり、初めて単独シャトー名を名乗ったのも、このワイン。ステンレスの発酵タンクも早い時期から導入し、現在も意欲的なワイン造りをしています。
 その品質の高さは十分に認められながら、5大シャトーの中では比較的流通価格も低く、地味な存在。ただ「5大シャトーで好きなワインは?」と尋ねられれば、ラフィットと共にこのオー・ブリオンと答えるかも。
 67年:この67年は美味しい。30年以上のワインと思えないほど未だバタリーで、コクのある果実が十分残っていました。包み込むような優しさにハーブの清涼感が交わる素晴らしい古酒です。 
 70年:28年も前のワインとは思えないほどの色と艶。澱の量が少ないのは、オー・ブリオンはこの頃からフィルターをかけていたのでしょうか。優しく甘い魅惑的な香りはスパイシーで、様々な香辛料を混ぜ合わせたようなニュアンス。これがこのワインの魅力なのでしょう。味わいは意外にも細やかなタンニンが主張し、渋味と酸味がそれぞれバランスを取り合っているような感じ。ただ偉大なヴィンテージのオー・ブリオンとしてはどうなのでしょう?
 73年:熟成したワインの良さを感じた一本。完全なる飲み頃だったようです。当然、エレガントなブーケは、上質のブランデーやスパイス香。その飲み口は、まさに「シルク」「ビロード」という表現がピッタリでしょう。全てに調和がとれ、しなやかで果実のふくらみも感じさせるワイン。素晴らしいの一言。
 76年:1976もミディアムボディのワインの中に、スパイス、そしてシルキーで柔らかなカシスの甘味が絶妙、見事に溶け込んだバランスはまさに好み。時間が経つとやや酸が目立ち、こじんまりと感じましたが、それでも良い意味での飲み頃のワインだと思います。
 83年:「森の中」にいるような清涼感、ハーブやスパイス、ローストされた香り。ミネラルを感じるエレガントなワイン。しかし、フィニッシュを含め、全体的にやや物足りなさが感じられました。
 87年:難しい年だったと言われるこの年。しかしながら、1級のシャトーは、やはり素晴らしい。派手なタイプのワインではありませんが、そのエレガントで知的な感じはオー・ブリオンならではの味わいなのでしょう。第1級シャトーの熟成の感じを、廉価で味わうのなら、うってつけだと思います。
(メドック格付け第1級、グラーブ格付け銘柄 / Ch. Haut-Brion)

Ch. Haut-Brion (Blanc)
シャトー・オー・ブリオン(ブラン)

グラーブ(ペサック) 白 (Se63,SB37)
('87 \22,000)
 シャトー・オー・ブリオン、当然このグラーヴ地区のワインらしく白も造っています。その品質は、グラーブの白としてトップに数えられるものの、生産量は年間800ケースと少量のため、所有者の要請により、格付けの対象にはなっていないもの。
 87年の白は、最初香りが開きませんでした。時間と共に乾燥フルーツの甘さ、まろやかなミネラルを感じ、薬草の風味を伴うドライで長いフィニッシュ。エレガントな個性なのでしょうが、この控えめなワインは、もう少し早く飲んであげたほうが良かったようです。


Le Bahans du Haut-Brion
ル・バアン・デュ・オー・ブリオン
グラーブ(ペサック) 赤 (CS,M,CF)
('93 \5,000)
 数あるボルドーのセカンドワインの中でも、レ・フォール・ド・ラトゥールと共に、最上級のセカンドとされるのが、このオー・ブリオンのセカンドです。
 93年のボルドーは、難しかったと言われますが、このクラスになると、ヴィンテージの良し悪しを感じさせません。ゆったりと姿を現すワインは、香ばしい丁子のスパイスや良い意味での土臭さ。ミディアム・ボディのワインに重さはなく、綺麗な印象の余韻を残します。未だ若々しく、今からが飲み頃かもしれません。


Ch. La Mission Haut Brion
シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン
グラーブ(ペサック) 赤 (CS50,M40,CF10)
('72 \?)('97 \13,000位)
 シャトー・オー・ブリオンの向かいに位置するシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン。1919年にウォルトナー家がこのシャトーを取得し、その名声をオー・ブリオンに匹敵するまでに高めました。1983年、オー・ブリオンがここを購入(ウォルトナー家はその後ナパ・ヴァレーに渡り、秀逸なシャルドネを生産している)。毎年新樽を100%使用し、24ケ月熟成させ、非常に高い評価のワインを産出する。
 1972:ウォルトナー家時代のラ・ミッション。パーカー氏も天候に恵まれなかった72年ヴィンテージとしては大変誉めているワイン。いやはや、これも想像以上、しなやかで甘さのある果実はオフとは思えない凝縮度と滑らかさ。オフの年に丁寧に造られたことが感じられる素晴らしいワインですね。
 1997:赤みがかったルビー色のワインはスモーキーで、黒果実と焼けた石をイメージさせる深みのある香り。旨味のあるジュースに層をなすタンニン。今飲んでも十分美味しく、今後も期待できそうなワインです。
(グラーブ格付け銘柄)

La Chapelle de la Mission Haut-Brion
ラ・シャペル・ド・ラ・ミッション・オー・ブリオン
グラーブ・ペサック 赤 (CS48,M45,CF7) 
('94 \6,000)
 ラ・シャペル・ド・ラ・ミッション・オー・ブリオンは、ラ・ミッション・オー・ブリオンのセカンド。恥ずかしながら、ファーストとラベルがよく似ているので「安い!」と思って買ってしまった物。皆さん、注意して下さい(笑)。
 セカンドでもいいワインですよ。やはり、スパイシーで、クールなイメージ。しかも果実味がしっとりしながら豊かさがあります。ただ、けっして堅い感はないのですが、最後まで開ききらなかったような。あともう少し置くとよかったかもしれません


Ch. de Fieuzal (Rouge)
シャトー・ドゥ・フューザル(ルージュ)

ペサック・レオニャン 赤 (CS60,M33,CF4.5,PV2.5)
( '90 \6,000位)
Ch. de Fieuzal (Blanc)

シャトー・ドゥ・フューザル(ブラン)

ペサック・レオニャン 白 (Se50,SB50)
('87 \13,500)

 グラーブの格付けは、赤と白それぞれになされていますが、フューザルは、赤ワインのみグラン・クリュ・クラッセとして認められています。約45haの畑から、年間赤を12000ケース、白を3000ケース産出しています。
 ルージュ : この赤は素晴らしいワインでした。黒に近い濃いルビー色をしており、カシスやブラックベリーといった黒果実の香りと熟成香。しなやかになったタンニンと豊かな果実味が、飲む人を優雅な気持ちにさせてくれます。あまり目立たないシャトーだけに、探せばまだある90年物。絶対にお買い得。
 ブラン : 白ワインは近年の評判が良く、年間3000ケースという少ない生産量も手伝ってか、やや価格が高騰し、お買い得とはいかなくなってきたようです。ホワイトオークでの発酵、熟成。新樽80%、定期的に攪拌を行いながら澱とともに12ヶ月熟成されます。
 やや淡いイエロー、黄果実の柑橘の香り。ほんのり青草とオイルを感じさせるものの、全体的にこじんまりした印象。87年は、少し飲み頃を過ぎていたのかも。もう少し新しいヴィンテージを飲んでみたいワイン。
(赤のみグラーブ格付け銘柄)


Ch. Pape Clement
シャトー・パプ・クレマン
グラーブ 赤 (CS60,M30,CF10)
('71 \10,000位)
 ぺサックの郊外、オー・ブリオンよりやや内陸に位置するパプ・クレマン。13世紀に遡る歴史あるシャトーで、その品質はグラーヴでもトップクラス。1970年代後半より調子を崩していたようですが、1985年以降の改革により名声を取り戻しています。評価の高い赤だけでなく、近年は白にも力を入れているという事。
 抜栓直後は酸が目立ったワインも時間とともに、その本来の姿を現したよう。白キノコのノーズ、中間域にふくよかさと広がりを残すしなやかなワインで「古典的」というイメージがぴったり。いいワインですね。
(グラーブ格付け銘柄)

Ch. Bouscaut
シャトー・ブスコー

グラーブ 赤 (CS50,CS35,CF&Ma15) 
('85 \8,000位)
 赤、白共にグラーヴ格付けに指定されるシャトー・ブスコー。グラーブの中では、比較的ガロンヌ河に近い場所に位置します。
 グラーブの赤ワインは、スパイシーで、内向的(クール)なイメージなのです。全体的にまとまったミディアム。いい出来なのですが、ちょっと地味な印象でしょうか。難しいところです。
(グラーブ格付け銘柄)

Ch. Malartic-Lagraviere
シャトー・マラルティック・ラグラヴィエール
ペサック・レオニャン 赤 (CS50,M25,CF25)
('70 \15,000位)('72 \?)('90 \8,000位)
Ch. Malartic-Lagraviere (Blanc)
シャトー・マラルティック・ラグラヴィエール (ブラン)
ペサック・レオニャン 白 (CB85,Se15)
('81 \?)

Le Sillage de Malartic (Blanc)
ル・シラージュ・ド・マラルティック (ブラン)
ペサック・レオニャン 白 (CB,Se)
('98 \2,500位)

 土壌の良いレオニャンの高台にある21haの畑。赤、白ともにグラーブのクリュ・クラッセ。1980年代にはエミール・ペイノーをコンサルタントに迎え、品質が向上。さらに1990年〜1997年はシャンパーニュのローラン・ペリエの所有に。現在では、アレクサンドル・ボニーの手に渡り、赤ワインはあのミッシェル・ロランが、白はドゥニ・デュブルニューが手掛け、これからが期待されるシャトー。

 赤1990:偉大なる90年のワインは、焼けた石、西洋杉、石灰、ほんのりとバニラを感じるグラーヴというイメージ通りの香り。すでに角のとれた柔らかみのあるワイン。ボディはミディアムから薄く感じますが、余韻では細やかなタンニンを残します。味わいよりも香りが勝るワイン。
 赤1972:やはり72というオフ・ヴィンテージからか、枯れた香り。カベルネの風情は残すものの、ボディは軽量級。
 赤1970:エッジにはレンガが入っていますが、90年よりしっかり光沢と深みのある色あい。少し不潔っぽいアルコールからブラックベリーのアロマ。香りはバランスがとれていないかな?高めの酸とチェリー様の果実は、強さがありながら、明瞭感に欠けるか?
 白1981:珍しいグラーブ白の古酒。角がとれ柔らかさのあるスタイルで、甘味は熟成した貴腐のようなニュアンス。味わい自体は非常にドライで、面白い。
(赤、白ともにグラーブ格付け銘柄)


 ル・シラージュ白98年:丸の内のフレンチレストランでお薦めされたマラルティック・ラグラヴィエール白のセカンド・ワイン。ソムリエ氏曰く「非常に固いワインなのでデキャンタをしましょう」という事で、リーデルのウルトラ・デキャンタ(写真)に移して下さった。
 色は濃い麦藁色をしており、ほんのりとメロン、ハーブやグレープフルーツの清潔感あるアロマが食欲をそそる。非常に強いミネラル感は、デキャンタの意味を知らせるよう。ドゥニ・デュブルニュー氏の手掛けるワインはとても美味しい。このシャトー、これから注目でしょうね。


Ch. Carbonnieux
シャトー・カルボニュー

ペサック・レオニャン 白 (SB60,Se38,Mu2)
('92 \4,500位)
 グラーヴのワインとしては、日本でもお馴染み、貝のマークのシャトー・カルボニュー。お中元、お歳暮の時期には、ここのワインが赤白セットでデパートに並んでますね。
 その歴史は13世紀まで遡ることが出来、赤、白ともに、グラーヴの格付けに指定されています。80年代には、白ワインの醸造で知られるドゥニ・デュブルニュー氏をコンサルタントに迎え、より一層品質向上されていると言います。
 やはりいいワインですね。92年という小ぶりな年にここまでの品質ですから。ほんのりオークやハーブの風味、きれいな酸味とゆたかな果実味、美味しいドライな白ワインです。
(グラーブ格付け銘柄)


Ch. Latour-Martillac
シャトー・ラトゥール・マルティヤック

ペサック・レオニャン 白 (Se60,SB35,Mu5)
('95 \2,900)
 赤、白、共にグラーヴの格付けワインに指定されるシャトー・ラトゥール・マルティヤック。このワインは1987年よりドゥニ・デュブルニュー氏をコンサルタントに迎えています。
 レモンのような柑橘系の香りは清々しく、樽の風味がややスパイシーな感じを与えます。味わい自体は厚みのあるものではありませんが、飲み口がよく、やや高めの酸味。少し硬い感があるので、このワインはあと2、3年で本当の姿をあらわすのではないでしょうか。
(グラーブ格付け銘柄)


Clos Floridene
クロ・フロリデーヌ

ペサック・レオニャン 白 (Se60,SB30,Mu10)
('87 \2,500)
 ドゥニ・デュブルニュー氏が所有するシャトー。ボルドー白ワインの新たな流れとして、自らのシャトーでつくりあげた近年注目のワインは、グラーブ格付けのワインと同等の評価を与える人もいるほど。
 このワインは、新しいヴィンテージを飲んだほうが特徴が分かりやすいのでしょうが、87年という年でも、そのワインのポテンシャルを感じさせてくれました。特に香り、そのアロマは熟した果実、りんごや桃のような芳香をたたえ、飲み手を惹きつけます。味わい自体はさすがにピークを過ぎた感もあり、余韻にやや雑味がありますが、このお値段なら十分許される範囲内でしょう。

●ドゥニ・デュブルニュー
白ワインに関して、近年人気のワイン・コンサルタント。ボルドー大学教授。マセラシオン・ペリキュレール(スキン・コンタクト)という醸造法を提唱。それは、破砕したブドウをすぐにアルコール発酵させず、低温のまま一定時間果皮と果汁を接触させ、果皮に含まれる香りの成分を取り入れる方法。樽発酵、樽熟成をさせ複雑味を与えます。上記のシャトー・カルボニュー、シャトー・ラ・トゥール・マルティヤック、クロ・フロリデーヌなどのコンサルティングをしています。


Ch. Smith Haut Lafitte
シャトー・スミス・オー・ラフィット
ペサック・レオニャン 赤 (CS50,M35,CF15)
('95 \6,000位)

Ch. Smith Haut Lafitte (Blanc)
シャトー・スミス・オー・ラフィット(ブラン)

グラーヴ 白 (SB100%) 
('90 \5,800)

Les Hauts de Smith
レ・ゾー・ド・スミス
ペサック・レオニャン 赤 (CS,M,CF)
('95 \3,800位)

 グラーヴの成功したよい例としても喩えられるほどのシャトー・スミス・オー・ラフィット。1991年、現在のオーナー、カティアール家に代り、数々の変革を決行。化学肥料と農薬を止め、畑には気象観測装置を設置。そしてボルドーでは珍しい自前の樽工場。約80%の新樽で15〜18ヶ月の熟成。パーカー氏は「メドック格付け2級相当の品質」と誉めそやす。
 スミス・オー・ラフィット1995 : セカンドに比べると、色、味わいともにワンクラス上。サワークリームの要素があり、よりまろやかで目の詰まった質感。セージのようなハーブが混ざる複雑性もあり、調和のとれた素晴らしいワイン。1st、2nd、どちらも太鼓判、お買い得です。
 スミス・オー・ラフィット(ブラン)1990 : ソーヴィニヨン・ブラン100%で造られているのに、香りだけはブルゴーニュの白に近い樽香を感じ、その後ほんのり青草が。とても心地よい丸みと切れのある酸味が調和して気品を感じさせます。ボルドーの白はあまり好みではないのですが、これはいいと思います。お薦め。
 レ・ゾー・ド・スミス1995 : ここのセカンドワインがレ・ゾー・ド・スミス。透明で光沢のある綺麗なルビー色のワインは、可愛さのあるスミレ、こちらもサワークリームの爽やかさ。若さがあって気持ちがよく、コスト・パフォーマンスの高い美味しいワイン。
(赤のみグラーブ格付け銘柄 / Ch. Smith Haut Lafitte)

Domaine de Chevalier
ドメーヌ・ド・シェヴァリエ
ペサック・レオニャン 赤 (CS65,M30,CF5)
('95 \6,000位)

L'Esprit de Chevalier (Blanc)
レスプリ・ド・シュヴァリエ(ブラン)

ペサック・レオニャン 白 (SB50,Se50)
('92 \8,800)

 ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、グラーヴ地区のレオニャン村南部、森に囲まれた場所にあります。赤と白のワインを産出するこのドメーヌは、その生産量が少なく、ワインの質も高いため、ワイン好きの間では大変人気のあるもの。特に白ワインは垂涎の的、赤もグラーヴを代表する一本。
 ドメーヌ・ド・シェヴァリエ1995 : ファースト・ノーズでは、スタイリッシュなスミレの花やカシス、やや酸を感じる香り。セカンド・ノーズで、奥の方から感じる樽の焦げ臭や甘いバニラ。これを口に含むと、フルーツ系の酸、何故か果実味は乏しく、渋みが強いワイン。みずみずしいという表現も出来ますが、余韻で収斂性はどこかバランスに欠けるような気がします。期待しただけに?の出来。
 レスプリ・ド・シュヴァリエ1992 : ドメーヌ・ド・シュヴァリエのセカンド・ラベル。白の生産量は、ファーストラベルで1000ケース、セカンドもたったの500ケースです。
 まず樽から来るふくよかなバニラ。洋ナシを思わせる甘さと、ライムやレモンの柑橘を感じます。シャープで立体的な酸味が印象的で、ワインの大きさが加われば文句ないかも。一段とファーストラベルへの想いを募らせる出来栄えです。
(グラーブ格付け銘柄 / Domaine de Chevalier)

Ch. Haut-Bailly
シャトー・オー・バイイ

ペサック・レオニャン 赤 (CS65,M25,CF10)
('96 \10,000位 1500ml)
 グラーブ格付け銘柄に指定されるオー・バイイは、1955年以来サンドル家が所有。1970年代のスランプから脱し、1980年代から評価を高めている。55%新樽にて12〜14ヶ月の熟成、ボルドーとしては珍しく瓶詰め前に清澄も濾過もされない。
 96としては熟成したグラデーションの見える明るいガーネット。スペイン辺りを連想させるムンとする獣と樽、茶色のキノコといった湿り気のアロマ。プラム系黒果実に重さはなく、柔らかい口当たりだけど、厚みに比べ粉っぽいタンニンが目立ち、早めの終り。マグナムでこれなら、もう飲んだ方がいいのかも。
(グラーブ格付け銘柄)

Ch.Guirauton
シャトー・ギロートン

グラーヴ 白 (SB40,Se40,Mu20) 
('95 \3,000)
 ほとんど無名に近いワインだと思います「シャトー・ギロートン」。ちょっと面白かったワインなんです。グラーヴの白って馴染みがないもので。。。
 爽やかで、きりっとした香り。「ん、ソーヴィニヨン・ブラン40%に、ミュスカデが20%入ってるからか。」飲んでみると「なんだこの甘さは。セミヨンの仕業か。」
 ということで、香りと味が異常にマッチしないワインでした。お試しあれ。



class30 "The Wine"