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Bordeaux ボルドー地方

Bordeaux ACボルドー



D-Vin (Ch. Lauduc)
ディー・ヴァン(シャトー・ローデュック)
ボルドー 赤 (M76,CS24)
('98 \3,000位)
 2000年春のワイナート誌「特集 ボルドー第2弾」での高評価も記憶に新しいD-Vin。ファショナブルで印象的な外観、そして重厚なボトル。このシャトー・ローデュックは、ボルドーの市内からサンテミリオン方面に10kmの場所に位置する家族経営の小さなシャトー。若き世代が飛び切り面白い高品質の赤ワインを造ろうと決心、専門家の協力を得て生まれたというこのワイン。
 35hl/haの低収量、収穫後5日間低温浸漬、16日間最高28度と温度コントロールしながら発酵。新樽100%で15ヶ月熟成、フィルターもかけないという念の入りよう。1997年と1998年がリリースされています。
 抜栓後の華やかで甘味のある香り、ふくよかな果実感を酸が引き締める姿は美味しいメルローそのもの。徐々に出てくる樽の要素、そしてワイン全体のイメージは新世界風で、現時点では派手に感じますが、これはまだまだ熟成の能力を持っている証拠でしょう。いずれにせよ、これだけの強さを持つACボルドーは稀でしょうし、これから目の離せないワインとなりそうです。


Ch. Domi-Cours
シャトー・ドミ・クール
ボルドー・シューペリュール 赤 (M60,CS40)
('00 \1,500位)
 ボルドー・シューペリュールというアペラシオンは、地区的にはACボルドーと一緒ですが、アルコール度数、ヘクタール当たりの収量等、規制が厳しくなっているもの。このドミ・クールのブドウ畑はジロンドの最も高い丘に位置しているという。
 この価格で満足感のある美味しいワイン。濃厚なベリー系果実は、メルローらしい柔らかさとまったりとした十分なコク。数日にかけて飲んでみましたが、時間経緯にも強いので、レストランなどでグラスとしても使えるでしょう。これからリリースされてくる世紀のヴィンテージ2000年。デイリーも要チェックですね。【D:2002】


Mahler Besse Rouge
マーラー・ベッセ・ルージュ

ボルドー 赤 (M70,CF15,CS15) 
('96 \1,800)
 格付け第3級、シャトー・パルメのオーナー、ピーター・シシェルが共同経営しているマーラー・ベッセ社が造る、ボルドーAOC。とても印象的なラベルで、一度見たら忘れられない。
 カシスのような香り。なめらかな味わいは、やはりメルローが70%だからでしょう。「田崎真也のワインライフ」No.4で32本のボルドーAOC中、第3位だったワインです。
(マーラー・ベッセ社)


Ch. Dudon
シャトー・デュドン

ボルドー 赤 (CS,M)
('85 \5,500)
 このワイン、詳細が分からない(その名の通りデュドン村のワイン?)のですが、素晴らしいワインです。なんと、85年のボルドーAOC。このヴィンテージにして、まだ鮮やかなルビー色をしています。果実味も衰えることなく快活で、わずかな熟成香とカシス。ミディアム・ボディのバランスのとれた味わいに脱帽。探せばあるんですね、もっともっといいワインが。輸入元:ヴァンシュールヴァンマスモト。


Ch. Vieux-Georget
シャトー・ヴュー・ジョルジョ

ボルドー 赤 (CS40,M32,CF25,Ma2)
('93 \2,200)
 ボルドーを流れるガロンヌ河を南下すると、ランゴンと言う町があり、そこから少し北東に上ると、サン・ローラン・ド・ボワという小さな村があります。1985年に自分のシャトーで瓶詰めを開始したこのシャトーは、ラベルにも記載されている通り、全く農薬を使わず、有機農法を実践しています。それが実り、1997年に96年ヴィンテージがコンクールで金賞を受賞したということ。若干長めのボトルは、エレガントですが、箱に入れづらくコルク打ちも難しい為この93年にのみ採用されました。
 丁度飲み頃を思わせるワインは、どこかブルゴーニュ的な紅茶の香りを含み、みずみずしい果実と熟成感が印象的な柔らかな味わい。凝縮感を求める方にはおすすめしませんが、素直に美味しいワインです。


Ch. La Mothe de Barry
シャトー・ラ・モット・デュ・バリー
ボルドー 赤 (CS,M,CF)
('97 \2,200)
 良いACボルドーの典型とも言えるこのワイン。紫がかったガーネットのワインは、誘うようなジャミーな香り、快適な飲み心地。果実のボリュームはミディアムで、甘味を伴う細やかなタンニンが美味しい。香りとバランス感に秀でたデイリーとして活用できると思います。

Michel Lynch (Blanc)
ミシェル・ランシュ(ブラン)

ボルドー 白 (SB,Se)
('96 \1,700)
 ボルドー第5級格付けでありながら、2級同等の評価を受けるシャトー・ランシュ・バージュ。そのスタッフが作り、ランシュ・バージュのサード・ブランドとも言われるのがこのミッシェル・ランシュで、赤、白、ロゼもあります。評判の良いワイン。
 清廉なイメージのソーヴィニヨン・ブラン。青草やハーブを連想させ、清涼感のある香り。全体的なまとまりのある飲みやすい白。

Mouton Cadet (Blanc)
ムートン・カデ(ブラン)

ボルドー 白 (SB,Se)
('96 \1,850)
 ムートン・カデ、もとは、シャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドラベルであったこの銘柄は、現在ではバロン・フィリップ・ロートシルトが造るACボルドーとして世界的に販売されるワインとなっています。こちらも白の他、赤、ロゼがあります。
 心地よいグレープフルーツを思わせる柑橘の香り、このグレードのワインとしては、ちゃんとヴォリュームもあリ、なおかつバランスがとれています。おすすめマークを付けたいところですが、こういった大量生産のワイン、1500円以下になればなあ。


 以下ワインはメドック地区の格付けシャトーが造る白ワインですが、「メドック」のアペラシオンを使用できるのは赤ワインのみのため、メドック地区で産出されてもAOCは「ボルドー」になります。


Pavillon Blanc du Ch. Margaux
パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー
マルゴー(ACボルドー) 白 (SB100%)
('87 \8,000位)('90 \6,300)('96 \8,000)('97 \8,000位)
 シャトー・マルゴーで造られる、豪華で最も洗練された白。最優秀ボルドー辛口白ワインにも毎年選ばれる。歴史も古く、ピカソも愛飲したと言われるワインは、ソーヴィニヨン・ブランだけが植えられた12haの畑から。
 1990,1996 : 90年はすっきりした中にもほのかな甘みのある繊細な白。96年はソーヴィニョン・ブランらしい酸味がより前面に出たイメージ。【D:1998】
 1987 : 80年代のパヴィヨン・ブランは初めての体験。1987という作柄には恵まれなかった年のワインが今なお、素晴らしい状態。ソーヴィニヨン・ブランのフレッシュで尖がった部分が年を経て、完全に球のように丸くなったまろやかさ。ほのかに甘味を残したグレープフルーツのような酸味が口中に広がる美しさ。【D:2001】
 1997 : まさしくボルドーのトップ・シャトーと分かる高級感ある味わい。若さのあるグリーニッシュなイエロー。ハーブとミネラル、心地良い樽香。キッチリとした枠組みの中に、口当たりの良いクリーミィなボディ、余韻での上品な苦味。シャトー・マルゴーというイメージ通りの白。和食と合わせましたが、これがなかなか合う。【D:2002】
 マルゴーだから☆という訳ではなく、本当に感心した87と97。ソーヴィニヨン・ブラン100%ということを考えても、状態さえ良ければ15年前のワインがここまでの姿になる熟成力。ブドウの熟度と骨格、気品が備わる97。素直に美味しいと思った2本。
(シャトー・マルゴー)


Aile d'Argent
エール・ダルジャン
ポイヤック(ACボルドー) 白 (Se48,SB38,Mu14)
('94 \5,500位)
 ご存知シャトー・ムートン・ロートシルトが造る白ワイン。バロン・フィリップがムートンの畑で優れた白ワインをつくるという長年抱いてきた夢を実現、エール・ダルジャン(銀の翼)の名前で1991年に初リリースされました。マセラシオン・ペリキュレール(スキン・コンタクト)の後、樽発酵、澱と共に樽熟成。
 94年は濃い麦藁色。清涼感のあるハーブ系のアロマ、しかし熟成によるミルキーな質感。セミヨンが多いせいか?保存状態によるものか?ややのっぺりした味わいだけれど、練れたボディは心地よいバランス。【D:2001】
(シャトー・ムートン・ロートシルト)


Blanc de Lynch Bages
ブラン・ド・ランシュ・バージュ

ポイヤック(ACボルドー) (Se40,SB40,Mu20)

 こちらもメドック格付け第5級シャトー・ランシュ・バージュが1990年より生産を始めた辛口の白ワイン。すでにメドックでも人気の白。
ブラン・ド・ランシュ・バージュのワインはこちらでまとめています。
「葡萄酒の匠」

Ch. Talbot Caillou Blanc
シャトー・タルボ・カイユ・ブラン

サン・ジュリアン(ACボルドー)白 (SB100%) 
('98 \4,320)
 メドックの格付け第4級シャトー・タルボの造る辛口白。今でこそメドックの格付けシャトーが白を造るのも人気になっていますが、このタルボがその先駆けで、元はシャトー内のプライベート用だったものが評判になったというもの。畑も拡張され、年々安定感が増しているようです。
 実際にこの98年という若いワインは、そのフレッシュ感が良く出て、まろやかさもある香りと共に好印象。ただ値段を考えると少しボディが物足りない感じかな。難しいとこですが。


Les Arums De Lagrange
レ・ザルム・ド・ラグランジュ

サン・ジュリアン(ACボルドー)白 (SB53,Se36,Mu11) 
('96 \4,850)
 1983年にサントリーが買取り、多大な努力を重ねていると伝えられるシャトー・ラグランジュ。そのシャトーが1996年にリリースした白ワインがこれ。名前の意味は、ラグランジュの敷地内にある池のほとりに咲いている白い花「アルム」にちなんで付けられています。
 初ヴィンテージである96年。とっても好ましいワインです。まずふくよかなボディに樽のニュアンス、そのあと可愛らしい甘味が興味を誘い、スマートな酸味が最後を引き締めます。それぞれのブドウの良さがバランスよくまとまっている印象。いろんな魅力を持った可憐な女性を感じさせてくれました。


 以下の白2本は、どちらもソーテルヌ地区のワインですが、ACソーテルヌとして認められているのは「甘口」のみのため、格付けシャトーである、シャトー・ディケムやリューセックが造っても、辛口は「ボルドー」となります。

"Y" (Ch.d'yquem)
”イグレック”(シャトー・ディケム)

ソーテルヌ(ACボルドー) 白 (Se,SB)
('79 \?)
 世界の貴腐ワインの最高峰と誰もが認めるシャトー・ディケムが造る辛口の白ワインが「イグレック」です。79年というヴィンテージともなれば、かなりレアなワインであることは確かです。
 やはりユニークなワインですね。その色はまさに黄色。香りには、蜂蜜やアプリコット様の貴腐ワイン的な甘さを感じます。それは「イケムの香りに共通する」という人も。飲んでみると、そのヴォリューム感、樽、ほんのりとした甘味も感じさせながら、余韻がかなりシャープで、薬草酒のニュアンス。約4時間もの間、芳醇な香りを保っていたことも特筆すべき部分でしょう。


R de Rieussec
エール・ド・リューセック

ソーテルヌ(ACボルドー) 白 (Se,SB)
('89 \2,400 375ml) ('90 \3,000)
 このワインも上記のワインと同じく、シャトー・リューセックが造る辛口です。やはり、全体的なイメージとしてはイグレックととても共通する部分があります。
 89年は、そのひんやりとした香りが印象的なワイン。香りが弱いということではなく「冷たさ」を感じるのです。よくフォワグラの前菜にソーテルヌをという組み合わせを聞きますが、このワイン、フォワグラと相性が良さそうです。
 90年も期待したのですが、やや細り気味。保管の問題かもしれません。



class30 "The Wine"