Issue Date : May,1999

EVERYTHING BUT THE GIRL


IDLEWILD (1988)

Produced by Ben Watt

I Don't Want To Talk About It / Love Is Here Where I Live / These Early Days / I Always Was Your Girl / Oxford Street / The Night I Heard Caruso Sing / Goodbye Sunday / Shadow On A Harvest Moon / Blue Moon Rose / Tears All Over Town / Lonesome For A Place I Know / Apron Strings
 

エブリシング・バット・ザ・ガール

 1983年夏、一枚のオムニバスに収録されていた「Each And Every One」という曲。ホーン・セクションをフューチャーしゴージャスに展開するジャジーなサウンド。しかしながら、どこかアコースティック。そんな不思議な雰囲気をもったEBTGが84年にようやく待望のファーストアルバム「EDEN」を発表した時には、お洒落なんだけどどこか田舎臭い、派手さもありながらちょっと暗い、そんなサウンドに惹かれたものでした。
 ファースト「EDEN」、セカンド「LOVE NOT MONEY (1985)」は、当時Sadeの「DIAMOND LIFE」も手掛け一躍イギリスのシーンに登場したRobin Millarがプロデュース。アコースティックを基調としながらジャズやボサノバの色を加え、多くのファンを掴んだと思います。
 個人的には、色々な試行錯誤を繰り返したと思われる3rd「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT (1986)」はどうしても好きになれなかったのですが、その想いを解消してくれたのが、この「IDLEWILD」。
 現在まで続くEBTGのスタイルの基礎となっているのは、このアルバムでしょう。トレイシー・ソーンの低く繊細で心にしみいるような歌声、ベン・ワットのアコースティックでありながら、常に新しいサウンドを取り入れた音作り。それはセルフ・プロデュースという形になって「自分達の音」に気がついたのかもしれません。

「私はあまりにも過去を大事にしすぎる
だけど幸福だし
毎週月曜日には日曜日に分かれを告げる」

「Goodbye Sunday」は彼らの楽曲の中でも最も好きな物の一つ。EBTGのエッセンスが詰まったこの作品。晴れた日の昼下がり、アルザス辺りの白ワインでも飲みながら聴きたい。

Everything But The Girl - Complete Discography
エブリシング・バット・ザ・ガール 全ディスコグラフィー


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