雑司ヶ谷霊園 (ぞうしがやれいえん)
都電荒川線の雑司が谷駅周辺は、山の手サイドにありながら下町テイスト盛り沢山の香りを漂わせる、ちょいと小粋な界隈です。鬼子母神や大鳥神社などの神社仏閣が密集していて、そのせいか意外と緑が多いのが特徴です。そんな街並みの中に雑司が谷霊園があります。明治5年(1872年)に開設された古い墓地で、その周囲は生垣で取り囲まれていて、緑多い環境に貢献しています。
元々は、江戸時代の将軍家鷹狩の場だった所で、明治の世からお墓を持たない東京出身者の為の共用墓地となりました。現在広さは11万5千uほどあり、東京ドーム5個分の広さを持っています。
敷地内には文人墨客のお墓が多数あり、夏目漱石・永井荷風・泉鏡花・小泉八雲・竹久夢ニ・サトウハチロー・島村抱月・大町桂月などのお墓があります。漱石のものは他を睥睨する巨大なモノリス風で、本意に則さない物のように思えます。荷風はその作風同様にさりげなく潔いものでした。
その他にも日本女医一号荻野吟子、画家村山塊多、東郷青児、自由学園創設者羽仁とも子等のお墓もあります。
池袋から歩いても15分ほどの近さなので、サンシャイン60もすぐ間近に聳えています。その形状からさながら巨大なモノリス=お墓に思えるのは気のせいなのでしょうか?くしくも跡地だった巣鴨プリズンでは、東条英機を含めて7名のA級戦犯が処刑された場所でもあります。
最後の都電荒川線はお婆ちゃんを満載して、毎日元気に走り続けています。