多磨霊園 (たまれいえん)
多磨霊園は府中市と小金井市にまたがる広大な敷地に、数十万体の遺骨が眠る広域都営霊園として1923年(大正12年)に開設されました。元々このあたりが当時の市街地と郊外との結界になっていた為か、霊園の周囲は東京天文台・調布飛行場・府中運転免許試験所・府中刑務所など、特異な施設が林立する不思議な地域です。
特に軍事関係の施設が多く、調布飛行場以外にも富士重工(旧中島飛行機)や航空自衛隊府中基地があり、米軍施設も隣接されています。そんな土地柄か軍人の墓が異様に多く、東郷平八郎と山本五十六の墓が並んで祀られています。
名誉墓地の領域には、これら軍人と共に政治家や思想家・社会運動家などの墓が並んでいます。高橋是清・新渡戸稲造・内村鑑三・西園寺公望など。
また作家の墓が多いのも特筆で、昭和に入ってからの文人達が多くここに眠っています。北原白秋や三島由紀夫(平岡公威)、吉川英治、それに堀辰雄など。吉川英治の墓は小さくて品の良い円筒形のもの、堀辰雄は丈の低いシンプルな石碑形でした。
歌人の与謝野鉄幹・晶子夫婦の墓は同一の物が並んで作られ、脚本家向田邦子や推理作家江戸川乱歩、さらには漫画家で「サザエさん」の長谷川町子の墓もあります。
画家岡本太郎のお墓は生前の氏を思わせる縄文土器的な独創的形状。お墓も爆発しています。。対面には両親の岡本一平・かの子夫婦のお墓もあります。このスポットだけ一種異様な空間です。
往年のフェロモンまきちらし歌手、巨根伝説ディック・ミネの墓もあります。
園内は幾種類もの樹木が生い茂り野鳥がむれなす、武蔵野の面影が残る場所です。。墓同志の間隔が広く緑が濃いので、春の新緑・秋の紅葉はなかなか見事です。