駿府城紅葉山庭園 (すんぷじょうもみじやまていえん)
静岡市は元駿府。駿河の国府で東海道中最大の宿場町であり、家康が隠居して黒幕政治を行っていたりした大きな城下町ですが、徳川政権崩壊後の明治期になると徳川カラーを拭い消そうということか「静岡」へと名称変更されることになり、駿府城自体も市に払い下げられてさらに陸軍に寄贈されて、邪魔だからってんで城郭は全て取り壊され内堀も埋め立てられた、起伏の無いただのだだっ広い芝地が残るだけの寂しいお城です。これじゃあんまりということからか市が復元事業を現在整備中で、内堀も一部復活し巽櫓と東御門も復元されて、外堀の東南方向から見ると時代劇のロケーションにうってつけの光景が広がります。二の丸にも御殿や台所があったようですが、ここでは建物は復元されず新たに庭園が整備されています。
で、ここに新しく造られたのは「紅葉山庭園」というお庭。池を中心に築山や滝などを備えた池泉回遊式の庭園で、その名の通り紅葉の多いお庭です。2001年(平成13年)開園。
駿河国の代表的な景勝地の風景を模してあるそうで、池を中心に空間の広い大名風のおおらかな造りとなっており、細かいディティールよりもパット見のざっくりとした印象を楽しむ方が良いでしょうね。大名ですし。
一番印象的なのが庭園中心部にあるプリン状のこんもりとした築山。猿でも富士山と判りますが、周辺が茶畑となっているあたりが如何にも静岡。この富士山の前にある池側が白砂の三日月の洲があり、これは三保の松原だそうで、実際に背の低い松も植わっています。
一番北側は深い木立となり、滝や渓流が造られ、曲がりくねった苑路が森の中を走ります。このワインディングロードは静岡市内の東海道中難所の一つである「蔦の細道」を表現しているとか。森林浴とマイナスイオンにうってつけの遊歩道です。
静岡と言えばお茶なので、茶室もキチンとあります。「静月庵」という五畳半の小間と、「雲海」という十畳の広間による構成で、静月庵の露地には待合もあり。特に利用が無ければ見学も出来ます。
雲海には立礼席もあり、ここでは常時玉露や抹茶の呈茶があります。新茶のシーズンには煎茶の方がお薦めですかね。
「駿府城公園紅葉山庭園」
〒420-0855 静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1
電話番号 054-251-0016(駿府城公園二の丸施設管理事務所)
開園時間 AM9:00〜PM4:30
休園日 月 12月29日〜1月3日