(注)アイロンプリントに使える布地、衣料品は、綿または綿ポリ混紡の白色だけです。
下図のように右側の「アイロンプリントの原稿」に対して、ミラー反転して画像を印刷した左側の「アイロンプリント用紙」が、お客さまに届きます。
アイロンプリント用紙アイロンプリントの原稿
アイロンプリント用紙に印刷された画像のまわりにある余白部分(印刷されていない部分)は、アイロンプリントの熱転写作業を行うと、透明なシートとして布地に熱転写されてしまいます。 つまり、印刷されている画像部分だけが、熱転写されるわけではないのです。 よって、この余白部分を必要以上に布地に熱転写しても無意味なので、アイロンプリント用紙に印刷した画像のまわりの余白部分をなるべく小さくして切り取ります。 だからと言って、余白部分を完全に無くすように切り取るのも危険です。 熱転写後、アイロンプリント用紙を隅から剥がすときに、画像部分を傷つける可能性がありますので、ある程度の余白部分は残す必要があります。 好みの問題ですが、 15mm幅ぐらいの余白部分を残してもかまわないでしょう。
スチームアイロンのように穴がある場合は、穴を避けて平らな部分を使用し、ドライ状態で使用します。
布地が伸びた状態でアイロンプリントの熱転写を行っておけば、ある程度の横方向に伸びる力がアイロンプリントに加わっても、その力を緩和できます。
下図を見れば分かるように、アイロンプリント用紙の印刷面を布側にあてたわけですから、印刷面とは反対の白面(印刷面が白面を通して透けて見えますが)が布地の上に見えています。このアイロンプリント用紙の白面にアイロンをかけることになります。
いきなり、第二段階の中温160度(綿の温度)に設定して、アイロンプリント用紙に熱を加えると、熱転写後の画像がムラを帯びて汚くなります。この第一段階の作業は、画像がムラにならないための対策ですので、必ず実行してください。 もしも、この低温120度(ポリウレタン、アクリル用の温度)でアイロンプリント用紙が、浮いてしまい布地に貼り付く気配がないようならば、もう少しアイロンの温度を上げます。 アイロンプリント用紙は、ずれないように十分注意してください。
アイロンの設定温度を中温160度に変えると、40度上昇するための時間を要しますが、その間もアイロンをかけてください。
隅の方の熱圧着が不完全になっていると、冷却後、アイロンプリント用紙を隅から剥がすときに、紙がうまく剥がれず、再度熱圧着するための時間と手間がかかります。
イライラしないで待つことが一番!
下図の左側のように、奇麗に剥がれるときは、アイロンプリント用紙に印刷されている画像部分のまわりの余白部分が、透明なシートとして布地に付着している様子が確認できます。 下図の右側は、熱圧着がうまくできていないために、布地が引っぱられて失敗している様子です。
成功失敗
下図の左側がアイロンプリント用紙を剥がしている様子です。強い力を必要としないで剥がれます。 下図の右側が剥がし終わった様子です。しっかり画像が現われています。
くれぐれも、アイロンプリントした画像部分に直接アイロンをかけないようにしてください。直接アイロンをかければ、アイロンプリント部分が熱で溶けて印刷がにじんでしまいます。 さらにもう一枚続けてアイロンプリント用紙の熱転写を行う場合は、アイロンの設定温度が低温120度(ポリウレタン、アクリル用の温度)に降下してから、作業を繰り返すことを忘れないでください。
下図は完成したシャツ全体の様子です。 下図はシャツに熱転写したアイロンプリントのクローズアップです。 この原稿は、画像サイズ縦27cm横20cm、解像度72pixels/inch、画像フォーマット形式JPEG、ファイル容量36.7KByteの画像を使用しています。
業務用熱転写装置を使わなくても下記のポイントを守れば、家庭用アイロンで十分美しく熱転写できます。下記の復習ポイントを認識した上で、このページを最初から再読してみるとよいでしょう。
アイロンの取扱い説明書をよく読んで火傷、火災等に十分注意してアイロンプリントの作業を行ってください。 アイロンプリントした布地は、洗濯することができます。ただし、収縮の大きな布、熱に弱い布、起毛製品に熱転写したアイロンプリントは、洗濯などではがれるおそれがありますので、できるだけ避けてください。 また、ドライクリーニングも避けてください。 洗濯の際は、漂白剤も使用しないでください。熱転写部分が色落ちすることがあります。