スピーカーのエッジの張り替えは、自分で出来ます。
その方法を紹介します。


第1図
スピーカーは、古くなってくると、コーン紙の周りにあるエッジ部分(「第1図」の赤い部分)が老朽化してしまって、 ボロボロになってしまうことがあります。
この場合のエッジの張り替えは、自分で行うことが出来ます。
このページではその方法を紹介します。
ここで使用したスピーカーはマッキントッシュ製の XRT-22 に使用してある 20cm のミッド・レンジです。
こんな200万円以上するスピーカーでもユニットそのものの作りはほとんど同じです。
もちろん、安いスピーカーでも大丈夫です。


準備する材料
 厚紙、はさみ、コンパス、セーム皮(自動車用品売場にあります)、ボンド(Gクリアなどのゴム系)


張り替え手順
第2図
第3図
  • @ 「第2図」 はエッジの破れたスピーカーです。
    「第3図」のように、破れたエッジ部分を丁寧に取り除きます。

  • A この時無理をして、コーン紙を曲げてしまったり、ボイスコイルを傷つけたりしないように気を付けなければなりません。
第4図
第5図
  • B 「第4図」のように、「第1図」の、内径a、外形bのドーナツ形の型紙を、厚紙で2枚作る。「第5図」

  • C その内の1枚を 1/4 より 1cm 程長く切った扇形の型紙にする。(「第4図」のグレーの部分。)
第6図
第7図
  • D 「第6図」のように、扇形の型紙をセーム皮に写し、はさみで切って扇形のセーム皮を2本分で8枚作る。 (片方のスピーカーしか破れていなくても2本共張り替えなければなりません。)

  • E Bで作った型 (「第5図」)に合わせながら、4枚のセーム皮を張り合わせてドーナツ形のエッジ材を作る。
    (この時使用するボンドは、乾燥しても堅くならないゴム系のものを使用すること。)
第8図
第9図
  • F 「第8図」で赤色の部分に、ボンドを付ける。

  • G 「第8図」に青色で表すようにEで作ったエッジ材を張り付ける。「第9図」
    (ゴム系のボンドは、べたつかないほど乾いてから圧着するとよい。)
第10図
第11図
  • H コーン紙との隙間からエッジ材を押しこみ、エッジ材を「第10図」に青色で表すような状態にする。

  • I 「第11図」に赤色で表わした部分に「第12図」のように指を使ってボンドを付ける。
第12図
第13図
  • J 「第11図」の赤色のボンドの部分に、「第10図」に青色で表しているエッジ材を張り付ける。

  • K 「第13図」は、完成図です。セーム皮は、柔らかく伸縮性があるので、普通のエッジ材のようにゆるめなくても大丈夫です。
    どうしてもゆるみを持たせたい場合は、「第11図」の緑色で表す矢印の方向にコーン紙を押した状態でJの作業を行えば 手を離すと丁度よいゆるみを持たせたエッジが出来上がります。



TANNOYTYPE3828 の張り替えを行いました。
方法は、こんな同軸2WAYのユニットでも何も変わりません。

第14図
第15図
第16図
第17図
第18図
  • 「第14図」「第15図」を見て分かる通りエッジはぼろぼろです。

  • 「第16図」のように、エッジの周囲を押さえるためのゴムが付いています。
    それを丁寧にはがして、ぼろぼろになったエッジも綺麗に取り去ります。

  • 「第17図」のように上に書いた方法でエッジを丁寧に張り替えます。

  • 「第18図」のように最初にはずした周囲を押さえるゴムを張ったら出来上がりです。

     

    普通はこのユニットのように周囲を押さえるゴムのようなものが付いています。
    それがフェルトの時などは、ちぎれやすいので注意が必要です。


成功を祈ります。