11号線東温市則之内の信号の分岐点から、今は県道210号線になっている井内川沿いの谷へ入いり、約20キロで札所四十五番岩屋寺を経て美川村へ抜けます。米山の頃は、道後平野に住む人達にとって、この道が久万方面へ行く最も近道でした。古くは上黒岩遺跡のある美川村に住んでいた縄文の人達も利用した、交易の道だったはずです。
緩やかな山道を、自転車で一時間程だらだらと登ったら、井内(いうち)のバス停があり、そのすぐ右手の山に吉井神社(井内)がありました。
小春日の谷間は、自転車の汗が引くと肌寒い。
参道の入り口に一軒の農家があり、年配の男性が焚き火をしていたので、私もあたらせて貰いました。世間話をしていたら、男性が「吉井神社の石碑の文字は、私の祖父が彫ったものだ」と言います。庭先で遊んでいた可愛いお嬢ちゃんも、話の輪に加わる。お孫さんで麓の志津川というところから、丁度週末で遊びに来ていたのです。
ご両親の許しを得て、一緒に写真を摂ろうと誘い、神名石の横に立って貰いました。
碑の裏を詳細に観察すると、左下に石師宮内惣次郎と署名がありました。
陽だまりに 昔話しの 焚火かな
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