石川家の御当主は、私の高校時代の同級生です。先日同窓会のとき米山の話をしたら、「うちのお墓は米山が書いたものだよ」ということで、早速拝見させて頂きました。
お墓の文字だからでしょうか。印刷文字のような、きっちりとした楷書でした。
石川君の曾祖父さんと米山が飲み友達で、正月にはよく米山が遊びに来て、そのとき書いて貰ったものだそうです。他にもまだあったのですが、押入れの奥で鼠の糞にまみれていたのを、子供のとき見た記憶があるけど何処へ行ったやら分からないとのことでした。石川君の言葉によると、「米山が有名になったのは、最近やけんな〜、昔や〜酒飲みたゆう言いよった」そうです。この辺では、神主さんのことを「おたゆうさん」と言います。
石川君は、近所の温泉で顔を合わすこともあるのですが、アルコールが入ると米山時代そのままの伊予弁丸出しです。素面でも「いんでこうわい」「いけんねやー」などは、純粋の伊予弁です。
いんでこうわい もう来ぬ人の 風薫る
註 「いんでこうわい」は伊予の方言で(さようなら)。「いぬる」は「去る」。「こうわい」には別に意味のない語調だが、知らない人が聞くと、去って又すぐ来るのかと思うらしい。
「いけんねや〜」は、「駄目だな」といったような意味です。
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