●令和8年~●
~~~~~今年は、3225句か
1月
1月3日
3225・初明かり映す杯震え飲む
3226・なみなみの杯映す初明かり
3227・湯面に今年と書きし流れ文字
3228・雨一夜藁に宿借る嫁が君
3229・年の湯の思い残しや三歩忘る
3230・初湯して皺の数ほど汗流る
3231・メール打つ沙汰を確かむ三ケ日
3232・元旦や目覚めいっぱい深呼吸
1月7日
3233・ほてる顔揺れてほろ酔ひ初電車
3234・化粧をへ白き布掛く初鏡
3235・街走るバスにじゃれつく冬灯かな
3236・四日から我が家の直しこつこつと
3237・コップ酒掴んでかざす初日かな
3238・日干しして座布団えくぼ古希の春
3239・弱日受く卓布のしわや冬一日
3240・とぷとぷと七草粥は湯気の音
3241・息災や歯には優しき七草粥
3月
3月27日
3242・大寒や眠る伏屋に日はかむ
3243・手水舎へ流れ音なす春の水 ちょうずや
3244・病床の検査コードや木の葉髪
3245・ベッドからナースセンター冬灯
3246・陽炎の土塀に揺るる梢かな
3247・春の水落ちて大樹の雨となす
3248・春の水落ちて梢の軽くなり
3249・春の水纏はりつくや鯉ゆらり
3250・指先に触れて春水流れ
3251・東屋に触るる瀬音や春の水
3252・膝小僧風はまあるい春の椅子
3253・乱る音は笹叢深き春の雨
3254・老ひの耳芽吹く大樹の息を聞く
3255・逆光の大樹は深き春の山
3256・古家の近寄りがたき雛かな
3257・梢からほつれて散るや花の乱
3258・春の水風音散らし流れゆく
3259・かぎろいの釘打つ鉄路音つなぐ
3260・天衣歩すればふわりうららけし
3261・大木に触れて芽吹きをたしかむる
3262・春なれや集合住宅赤子泣く
3263・盆の窪触れて風ゆく春一日
3264・菜の花や湯がく芯から歯に優し
3265・膝小僧座る図書室春日向 ひなた
3266・行く春やすずろに歩く道日向
3267・梢からほつれし花の風遊び
3268・衣手を広げ舞ひくる花を受く
3269・花の塵連れてをりなす風の道
3270・雨を留め雫膨らむ木の芽かな
3271・戯れに二頭の蝶に割って入る
3272・削りつつFの鉛筆長閑なり
3273・下枝から木の芽連なる上枝まで
3274・花誘ふ触るる梢や風笑ひ
3275・花誘ふ梢を揺らす風遊び
3276・雀寄る集合住宅春日向
3277・蝶のごと赤貝とまる艶小鉢
3278・網傷と語る職人車海老
3279・烏賊食へば郷の浜辺の潮の味
3280・浜の香も広がる口や初鰹
3281・一片の箸にてっさの軽さかな
3282・紅小鉢箸には優し蒸し鮑
3283・つながれて足場の釘にゴム風船
3284・ 浜風にさらされ烏賊の干し場かな
3285・上枝まで花咲き染むる陰日向
3286・お鈴打つ揺らぐ音色やお中日 お鈴・おりん
3287・きすひくや馬づらはぎの肝に良し
3288・上枝まで連なる木の芽雨雫
3289・乱る音は傘打つ雨の桜時
3290・バス停の雨の花時時刻表
3291・心電図いつものゆらぎ花曇
3292・花冷えの雨の大路にバスを待つ
3293・停車してバスの面に花は付く
3294・道の辺にしかと花咲く盛り今
3295・ちりちりと風にとはれし花ふるる
3296・塵風に漉ひてをりなす花の紙
3297・淡深き雨にけぶりし花の色
3298・触れ堅き波動みなぎる花大樹
3299・衣を振れば咲き初む花の面見ゆ
3300・真に見たる怒涛の花の盛りかな
4月
4月12日
3301・花一片空なるところ辷り落つ 空なる・くうなる
3302・玉砂利の参道進む麗らかに
3303・箱電車花のアーチを抜けてまた
3304・天開き雨の真綿は花を覆ふ
3305・ふんはりと人の影踏む花の御座
3306・降る花の重なり隠る潦 にわたづみ
3308・降り初めの花見の雨は傘未だ
3309・風誘ひ溢れし花は吹き零る
3310・清明の大樹の湿り掌に伝ふ
3311・清明の湿る土くれ微動だに
3312・春の雨縮れ笹叢雫散る
3313・石鹼玉ふはり連なる風の道
3314・シャボン玉虹賜りし一つ毎
3315・清明や竹林深く瀬音聞く
3316・薄日おき揺るる竹林目借時
3317・春の日を抱く竹林奥深く 抱く・いだく
3318・春の風揺れて音なす濃竹林
3319・飛機の音は脳の何処や目借時
3320・道標逆らひながら春の園
3321・翠微から放たれ流る春の川
3322・田を巡る黄金の恵春の水
3323・麗かや遠きサイレン夢に落ち
3324・凭れ癖遠くサイレン目借時
3325・春の午後筆記の音や烏鳴く
3326・道なりに呑気つらつら春の園
4月15日
3327・風に馳せ連なる虹やシャボン玉
3328・荒ぶれる花打つ雨の容赦なし
3329・赤錆の斑の鉄扉草いきれ 夏 斑・まだら 鉄扉・てっぴ
3330・花過ぎて宴の後の御座ままに
3331・水草の桜鯎に揺れ沿ひて 桜鯎・さくらうぐい
3332・波つくり桜鯎の盛りかな
3333・春止まる無縁仏は箱にいて 北海道より
3334・鶯の鳴いて墓道は塵も無く
3335・水踊りや桜鯎に虹架かる
3336・花の塵風の一掻き風模様
4月18日
3337・猫が居る集合住宅花曇
3338・春衣野を歩すほどに風を漉く
3339・打仰ぐ春曙の富士見かな
3340・花衣乱れしままに衣裳敷
3341・春の海汐の香は波が寄す
3342・春の海浜辺に敷かる貝の御座
4月19日
3343・古橋を潜る影追ふ風光る
3344・小舟寄る春の水草招く如
3345・鰭に添ふ春の水草ゆるむ水
3346・忘れ窓燭の揺らぎや春灯
3347・ふしくれの文字追ふ指や春灯下
4月20日
3348・春の雨レインチェーンは雫道
3349・落光やきびしう雨の夏来たる
3350・ドアリング触れて音なす春の風
3351・時刻むタンゴの音色春の雨
3352・帽子にも花の蕊降るだらり坂
4月23日
3353・光散る流るる水や山葵園
3354・寿司下駄に目に沁む山葵涙巻き
3355・山葵擦る鮫皮おろし冷やし蕎麦
3356・車止め風は安曇野山葵道
3357・花冷えやカーテン開かぬ窓数多
3358・花冷えや物干し竿は北を向く
3359・花冷えや雨の参道もらい水
3360・水音なす春の手水舎うるむ手に 手水舎・てみずや、ちょうずや
4月25日
3361・踵埋めつづら折り行く竹の秋
3362・つづら折り竹の秋道瀬音道 3363・地に触れし花一条の枝末かな
3364・道の辺に扇ぐ擦れ音や竹の秋
3365・衣透く鈴の音色や春の風 本島さんコンサート
3366・帯飾り触るる鈴の音春の宵
