雨戸を固定する
「くさび」の数を少なくする方法

2014年10月20日

先週の台風19号は列島を縦断しましたが被害はなかったでしょうか。夏の台風では生家の瓦が1平方メートルくらい浮いていましたが、今度は大丈夫だったようです。

2日前の段階で、13日に高知に直撃しそうだと思ったので、急遽12日に生家に帰ることにしました。雨戸は閉めているのですが、強い台風がまともに来ると雨戸が飛んでしまうかもしれないと思ったからです。

雨戸が飛ばないように板を打ち付けるのは子供の頃によく見ていたし手伝いもしました。しかし板の準備もしていないし2階は外から打つことはできないのでどうしたらいいかと考えていて、くさびで固定することを思いつきました。

帰るのを決めたのは夜遅くだったので、くさびを作るのは翌朝7時半出発の前の時間です。電動工具を使うので7時まで待って作業を始めて40枚くらい作りました。生家は商売をしていたので普通の住宅よりは大きくて雨戸は50枚以上あります。

生家には月に1度は帰っていて、その度に商売をしていた頃に手伝ってくれていた漁師さんを訪ねます.80歳を超えたと思いますが、漁もすれば畑仕事もする、魚屋を手伝って刺身の皿鉢も作れば、大工仕事から溶接までこなす、とても器用で知恵のある人です。

今回もその人を訪ねて雨戸の固定はどうしたらいいか尋ねました。そうすると「くさびがあったらいいけど」と言うのです。見るとその家もくさびで固定していました。そして一緒に来てくれて教えてくれたのです。

くさびで固定するというおじさんの考えは間違っていませんでした。ただ雨戸を1枚ずつ固定しようとしたおじさんに、2枚の雨戸を一度に固定する方法を教えてくれました。

次の写真は外からの固定ですが、このように1枚のくさびで2枚の雨戸が固定できるのです。おかげで雨戸の枚数には足りなかったくさびの数で、別棟の雨戸まで固定できました。


生家は海岸沿いの集落なので、高知市ではまだ全く吹いていなかったのにすでに強く吹いていました。作業を終えてから港に行って、知人に声をかけるために車から降りようとすると、風が強くてドアが開けられず、窓ガラスを降ろして話しました。その間に知人は何度か風で飛ばされそうになっていました。

台風の強い地域だから、土地の人はきちんと備えをしています。その備えの方法は本やインターネットで得た知識ではなく、実際に行って習得してきた知恵なのでしょう。

この漁師さんと接すると、地域での人との関わり方も含めて、生活する上で必要な力とは何なのかをいつも考えさせられます。

← 前    目次    TOP    次 →