| ジャンル | インタラクティブ・ノベル |
|---|---|
| 機種 |
Windows(18禁) DC PS2 |
| 開発 | minori |
| 発売 |
Windows:minori DC:アルケミスト PS2:加賀テック |
| メディア |
Windows: CD-ROM(2枚組) DC:GD-ROM PS2:DVD-ROM |
| 発売日 |
Windows:2002年4月19日 DC:2003年1月30日 PS2:2003年12月18日 |
ストーリー
住人がなんらかの不思議な力を持っている町、風音市。生まれ故郷であるこの町に十数年ぶりに帰ってきた丘野真は、妹のひなたと共に故郷の学園に編入し、そこで知り合った橘勤や紫光院霞らと共に楽しい学園生活を送っていた。
そんなある日、真は幼少の頃町を出る時に再会を約束した幼馴染の鳴風みなもと再会する。勤を通じて知り合った藤宮望とわかばの姉妹も交え、学園生活を謳歌する真たちだったが、やがて不思議な雰囲気を持つ月代彩という少女と出会ったことで、彼らはこの町の秘密にまつわる事件へと巻き込まれていくこととなる。
レビュー
minoriの二作目にあたる『Wind -a breath of heart-』は、前作とは打って変わって舞台を日本に移し、学園ものとなった。今作は客観的に見ればそれほど悪い作品ではなかったが、重大な問題点の発生によって結果的にその評価を貶めることになってしまった。
今作はWindows、DC、PS2で発売されているが、DC版およびPS2版は、Windows版に存在するHシーンがカットされ、新たに紫光院ルートが追加されている。また望ルートと彩ルートに新エンディングが追加されている。また新OPが追加されているが、これはDC版とPS2版では異なるものとなっており、あくまで「追加」なのでWindows版のOPもちゃんと収録されている。なおDC版の新OPムービーは、作中のCGなどを編集したものだが、PS2版は新規アニメーションムービーとなっている(新海誠ではないが)。CGも新しいものが追加されているが、PS2版ではDC版からさらに新しいCGが追加されている。以上のことから全ての機種を比べてみた場合、PS2版が完全版ともいうべき内容であると言えるだろう。
なお今作のWindows版は、本編と、ファンディスクである「そよかぜのおくりもの」のゲームパート、サントラCDであるRustleを統合した『Wind
-a breath of heart- Re:gratitude』という作品にも収録された。こちらの内容は通常版と同等であるが、プログラムエンジンのバージョンアップや若干の誤字脱字修正があるので、Windows版では一応これが最終バージョンということになる。
今作の評価を落とした大きな理由はバグの問題である。最も初期のバージョンだととてもプレイできたものではなかったらしい。ただバグ単体でもダメージは大きいのに、minoriが事態を自ら悪化させたという経緯がある。前述の通りこの問題に関してはリアルタイムで見ていたわけではなく、後に入手したいくつかの情報から記述しているので、間違いがあるかもしれないのでその点には注意を。
まず初期のバージョンだと、この作品はPCにものすごい負荷がかかるようプログラムされていて、それが原因でフリーズしやすくなっていたというのだ。この事態にユーザーは反発したが、当初minori側はこの問題に関する不具合を認めなかったばかりか、具体的にはどう言ったのかは分からなかったが「逆ギレ」したそうだ。これには対してユーザーは当然ながら猛反発した。ゆえにこの当時からプレイしていたユーザーのレビューサイトでは今作はかなり叩かれている。
その後私が購入するまでの間に何があったかは分からないが、最終バージョンでは問題なく動作していることから、問題が肥大化しすぎたために最終的には不具合を認めざるをえなかった、といったところだろう。
なお私個人としては、今作を知ったのが発売されてから半年近く経ってからだったということから、実際のところ今作をめぐって起きた一連の騒動に対しては蚊帳の外にいたため、この騒動で特に大きく悪印象を受けた、というわけではないのだが……。
さて今作のシステムは一般的な恋愛アドベンチャーと大差は無い。基本的な機能は全て備わっている。
ストーリーはアイディアとしては悪くないが、問題はその構成方法。前半と後半のギャップが激しいのと、前半の日常の描き方があまり上手くない、後半やたら長い台詞が出てくるので退屈してしまうなどの問題点がある。
キャラクターは全体的には良いのだが、一点、勤の使い方は悪すぎる。話のテンポをよく崩すので、悪印象となってしまっている。
グラフィックは一枚絵に関しては全体的に優秀な出来だが、立ち絵がやや悪いか。なおオープニングと第二部スタート時に入る新海誠のムービーはさすがに見事な出来栄えである。
音楽は全体的に良く、特に悪いところは見られなかった。
難易度はまあ普通くらいだろう。ちなみにバッドエンドはないらしく、どのヒロインのルートにも入れなかった場合は強制的にひなたルートに行くようである。
ゲーム自体の完成度は特別高いとはいえない。にも関わらず、今作は根強い人気があり、その後アニメ化もされている。ユーザーとの相性にもよるが、過度の期待をせずにこれはこういうものなんだと割り切ってプレイすれば、それなりに楽しめる作品ではある。