ジャンル シミュレーションRPG
機種 Windows(18禁)
開発 Leaf
発売 Leaf
メディア CD-ROM
発売日 2002年4月26日

 


 ストーリー

 豊かな自然に彩られ、様々な種類の亜人類が暮らしている世界。この世界の北東にある小國の辺境にあるヤマユラの里と呼ばれる集落に、大怪我をした1人の青年が運び込まれてくる。青年は記憶を失っており、また絶対に外れない謎の仮面を着けていた。青年は、自分を助けてくれたエルルゥとアルルゥの姉妹、その祖母であり村長のトゥスクルの家に厄介になることになり、自分の名前も思い出せなかったため、ハクオロという名前をトゥスクルから授かる。そして自分を助けてくれた恩返しのために、ハクオロは彼女たちが暮らすヤマユラの集落のために力を尽くすようになる。
 穏やかで平和な日々が続いたが、その地方を治める領主の横暴と、いくつかの要因が重なったことで、やがてハクオロは反乱軍の指導者として蜂起せざるをえなくなってしまう。そしてそれは大きな戦乱へと発展し、それと同時に、ハクオロは自身に隠された秘密へと迫っていくこととなる。

 


 レビュー

 当時落ち目にあったLeafを立て直したとされるシミュレーションRPGの傑作が今作『うたわれるもの』である。オーソドックスながらよくできたゲーム性と、優れたストーリー性をもった作品である。
 なお今作はCD-ROM版と、それをグレードアップさせたDVD-ROM版が存在する。DVD-ROM版のCD-ROM版との主な違いは、DVD-ROM版は新たにイベントCGが追加されていることと、より上の難易度を選択することができるようになったことになる。

 まず今作は、ストーリーが進行する一般的なノベル系アドベンチャー形式のパートと、実際に戦闘を行うシミュレーションRPGのパートで構成されている。ノベル系アドベンチャーのパートにおけるシステムは、選択肢の代わりに画面上で行き先を選択するというシステムが採り入れられているものの、それ以外は特筆すべき点はない。

 シミュレーションRPGのパートは、奇をてらわず比較的オーソドックスなタイプとなっているが、今作独自の要素もいくつか採り入れられている。
 画面はクォータービューであり、敵味方問わず素早さの高いキャラから行動し、また反撃が一切存在しない。アイテムや装備の要素はなく、かなりシンプルに纏められている。
 各キャラクターは属性というものを持っており、これによるダメージ補正がある。なお主な属性は地水火風の四種類だが、火は水に、水は風に、風は土に、土は火にそれぞれ強く、これは他のRPGなどとはちょっと違う独特の関係となっている。
 今作独自の要素として、連撃というものがある。各キャラクターには技レベルというものがあり、これが2以上だと、攻撃の時に白い円が出現し、これが小さくなっていく。この円が一番小さくなった瞬間に左クリックをすることで、連続して攻撃を加えることができるのだ。一度に発動可能な連撃の回数は技レベルに依存しているが、連撃は連続で繰り出すたびに威力が下がっていく。
 また、各キャラクターには気力というパラメータがあり、これは攻撃を仕掛けたり受けたりすることによって上昇していくのだが、この気力がMAXになっていると、技レベルが1レベル上の状態で連撃を発動させることができ、最後の一撃の時の円が赤色になる。そして、すでに技レベルが最大になっていた場合、最後の一撃は強力な必殺技になる。この必殺技は非常に高い威力を誇るが、使用すると気力が0にリセットされてしまうため、どのタイミングで発動させるかが重要となる。また、必ず連撃の最後になるため、確実に出せるかどうかも問題となるだろう。
 戦闘が終了すると、その戦闘での各キャラクターの活躍の度合いによってボーナスポイントというものを獲得することができる。このボーナスポイントは各ステータスに割り振ることができ、これによってパラメータを上げることができる。特に技レベルはレベルアップでは上昇しないので、技レベルにどれだけ割り振るかが重要となってくる。

 なおDVD-ROM版で追加されたより上の難易度では、敵の思考ルーチンが強化されていたり、属性によるダメージ補正が大きくなっていたりしている。また敵味方合わせた行動順序を見ることもできるようになっている。加えて称号という要素もあり、これは高難易度で特定の条件を満たすことによって獲得することができる。

 今作のストーリーは世界設定、話の展開の仕方、伏線の張り方など、どれも良くできたものであり、非常に質の高いものに仕上がっている。また、この作品の世界観はアイヌ民話などをモチーフに創られており、独特の雰囲気を生み出している。

 グラフィックは、アドベンチャーパートは全体的に丁寧に描かれており、良くできている。またシミュレーションパート時のグラフィックも、細かく作りこまれており、動きも悪くない。
 音楽も、この作品の独特の世界観に合ったものであり、なかなか良い曲が揃っている。

 難易度は高くはない。だが属性によるダメージ補正や地形などを考えてきちんと戦略を立てないとならない程度には手応えはある。

 ストーリー重視の作品であり、アドベンチャーパートの割合が多めではあるが、シミュレーションパートもきっちり作られており、またストーリーも面白い。総じて良作と言えるだろう。