ジャンル アクションアドベンチャー
機種

Windows
PS
開発 CORE DESIGN
発売

Windows:EIDOS INTERACTIVE
PS:ビクターインタラクティブ
メディア CD-ROM
発売日

Windows:1998年2月25日
PS:1998年1月22日

 

 ストーリー


 サイアンの短剣。その短剣を心臓に突き刺した者は、その魔力によって不死身の龍へと変身することができるとされている。古代の中国において、この短剣の魔力を得た皇帝は、中国全土を瞬く間に支配し、暴虐の限りを尽くしたという。だが皇帝の暴政を終わらせるため、チベットの僧侶たちが戦いを挑み、一人の僧侶が隙を突いて短剣を皇帝の心臓から抜いたことで、皇帝は不死身の力を失い、滅ぼされることとなった。
 そして現代。この短剣の伝説を知った冒険家のララ・クロフトは、短剣を手に入れるため、短剣が眠るとされる万里の長城へと赴く。だがこれとちょうど同じ頃、ベニスに本拠地を構えるカルト教団もまた、短剣を手に入れようと動き始めていた。こうして、短剣を巡るララとカルト教団との争奪戦が幕を開けることとなった。

 

レビュー


 多くのユーザーの注目を集めた前作に続き、大ヒットを飾る事になったのが『TOMB RAIDER 2』である。今回は中国などを冒険の舞台とし、前作同様にララ・クロフトが、万里の長城に眠る秘宝を求め、同じく秘宝を狙うカルト教団と争奪戦を繰り広げるというストーリーである。
 暗い洞窟が冒険の舞台であった前作と違い、今作からは屋外も冒険の舞台となり、より世界観に広がりが出るようになった。また新しいアクションも追加され、グラフィックも強化、敵も人間が多くなり、味方となるキャラクターも登場するなど、全体的にグレードアップしている。ただ唯一の欠点は、ストーリーの質が前作と比べて落ちてしまった事だろう。
 今作はWindowsとPSで発売されているが、前作と異なりSSでは発売されていない。PSの日本語版の移植は前作同様にビクターインタラクティブが行っている。 またタイトルは、今作以降は海外と同じ「TOMB RAIDER」に改められている。

 

 

 まず中国という設定は目を引く。遺跡探検の舞台となるのは、西洋、エジプト、中南米などが多いので、この試みはなかなか新鮮だ。また他の場所もユニークであまり使われないだろうという場所が取り入れられており、TOMB RAIDERの独自性が前面に出されていると言えよう。

 

 システム面ではまず、暗い場所が登場するようになったので、明かりとなるトーチを使う必要が出てくるようになったという大きな変化点がある。
 またはしごを上るアクションの追加や、人間系の敵の増加や味方となるNPCの追加、乗り物に乗っての移動も可能になるなど、全体的にグレードアップしている。
 武器の種類も多くなっており、水中銃を使って水中での戦闘もできるようになった。
 加えて、作中で寒冷地に向かうこともあって、コスチュームの変化も追加された。
 ちなみに今作ではステージ途中で自由にセーブできるようになったので、難易度は若干下がった印象がある。

 

 上記のように、ゲームとしては非常に面白く進化しているのだが、残念ながらストーリーは貧弱な印象がある。システム面で上に挙げた数々のグレードアップを成し遂げたのだから、もうちょっとストーリーをいいものに仕上げてもらいたかったものだ。とはいえ総じて優秀な作品である事は間違いない。