ジャンル | アクションアドベンチャー |
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機種 | GBA |
開発 | Ubi Soft |
発売 | Ubi Soft |
メディア | ROMカートリッジ |
発売日 | 2002年12月6日 |
ストーリー
「本当の魔法」。古の時代より伝えられてきたその神秘の力の存在が、中世の錬金術師が書き記した預言書である「エゼキエルの書」に記されていた。そのことを知った冒険家のララ・クロフトは、その力の正体を探るべく、預言書に記されていたスウェーデンの奥地へと足を踏み入れる。
レビュー
TOMB RAIDERシリーズの番外編として作られた今作『TOMB RAIDER THE PROPHECY』は、TOMB RAIDERの世界観をGBAで表現しようとしたものだが、難易度はあまり高くないので、TOMB RAIDERシリーズをやっている人間にとってはかなりあっけなく終わってしまうだろう。
今作はGBAというハードの性能上からか、2Dトップビューの擬似3Dタイプのゲームになっている。そのため視点こそ違うが、操作自体は比較的従来のTOMB
RAIDERシリーズに近い。淵や溝にぶら下がる動作や、銃を抜いている間ははしごをつかめないとかも再現されている。
また敵との戦闘では銃を抜いている間は自動で照準し、戦闘中に限りバックジャンプやサイドジャンプといったTOMB RAIDER特有の動きも可能である。
さらにダッシュやダッシュジャンプも可能で、ちゃんとダッシュメーターが存在するなど、可能な限り原作に近づけようと努力していることが伺える。
ただいわゆる「歩き」が存在しないため、歩いて距離を測るなどの動作が使えなかったりする。とはいえ操作中におけるシステム面は総じて問題ない。
しかし、この作品はなぜかセーブをすることができず、パスワード制となっている。そのうえパスワードで再起すると今まで手に入れたアイテムが無くなり、代わりにパスワードごとに設定された武器やアイテムを所持した状態でスタートすることになる。セーブ機能を簡単に付けられるこの時代においてなぜパスワード制なのかということは疑問だし、再開すると今まで集めた回復アイテムが無くなるのもどうかと思う。まあ難易度が低めなので再開してもそれほど苦戦はしないが、なぜこういうやりづらいシステムにしたのだろうか?
ストーリーは、ララが手に入れたエゼキエルの古文書に記された伝説の黒き石を求めてスウェーデンのウルフファング峰の遺跡を訪れ、そこで世界を滅ぼす「魔法」と、それを実現しようとしている秘密結社の存在を知り、石の争奪戦を繰り広げるというものだ。話がかなり強引なうえ短いので、あまり出来は良くない。
グラフィックはまあ無難なところか。ただ横向きの崖の位置がよく分からずたまに自爆する事があるのは少々問題。もう少し上手く作れなかったものだろうか。なおララの動きは結構滑らかで、違和感が無い。これに関しては上出来だ。
音楽はTOMB RAIDER 3以降にみられる効果音を組み合わせたものを基本に、重要な場面では音楽が流れるというやり方を採用している。GBAの性質上効果音はさすがに原作には劣るが、それでも結構雰囲気が出ていて良い感じだ。またララに掛け声が入っているのも良いだろう。
難易度は前述の通り低めで、ゲーム自体も短い。楽に最後まで行けるだろう。
GBAのソフトである、という点を考慮すれば、それなりに良くできた作品ではある。