Ankh
 アンク

 古代エジプトで用いられていた象徴図像で、エジプト十字とも呼ばれている。ラテン十字の上部がループ状になっているもので、サンダルの紐を模ったものとされている。
 古代エジプト語で「生命」を意味する言葉であり、アンクを信じる者は1度だけ蘇ることができるとされている。生命的宗教的象徴であり、ツタンカーメンの王名であるTut-ankh-amenにも、アンクの文字が含まれている。

 

 Eye of Horus
 ホルスの目

 古代エジプトで用いられたシンボル。天空神ホルスの両目を模ったものであるが、ホルスの両目は古来より太陽と月とされており、のちに左目が月、右目が太陽とされるようになった。左目がウアジェトの目、右目がラーの目と呼ばれている。
 護符などに多く用いられたのは、月を象徴するウアジェトの目である。ウアジェトとは、コブラを頭部につけた下エジプトの守護女神であり、月の満ち欠けを象徴している。月の満ち欠けは、欠けた月が再び満ちるその様子から、失ったものが回復すると解釈された。
 ホルスが父であるオシリスの仇敵であるセトを倒した際、ホルスの左目は失われるが、知恵の神であるトートによってホルスの左目は癒されて回復したことから、左目であるウアジェトの目は、「癒し・修復・再生」の象徴とされるようになった。また失われていた時に左目はホルスを離れてエジプト全土をまわり、知見を得たのちにトートによって戻されたことで癒されたことから、「全てを見通す知恵」の象徴ともされた。
 ラーの目はホルスの右目であり、またその名の通り太陽神ラーの片目でもあるとされている。ラーの目は復讐の女神セクメトに姿を変え、ラーを崇拝しない人間たちを殺戮したとされている。