| ジャンル | アクションRPG |
|---|---|
| 機種 | PS |
| 開発 | KCE東京 |
| 発売 | コナミ |
| メディア | CD-ROM |
| 発売日 | 1997年3月20日 |
ストーリー
1792年に100年の眠りから目覚めたドラキュラ伯爵は、リヒター・ベルモンドとの死闘の末に倒される。しかしその4年後、リヒターは謎の失踪を遂げ、義妹であるマリア・ラーネッドは、リヒターを探すためにあてのない旅に出る。そしてその道中、マリアは100年に一度しか蘇らないはずのドラキュラ城に遭遇する。
その頃、ラルフ・ベルモンドの時代における戦いの終わりから、永い間眠りに着いていたドラキュラの息子アルカードは、ドラキュラ城の復活によって目を覚まし、ドラキュラ城を再び封印するため城内へと乗り込むこととなる。
レビュー
ずいぶんと息の長いシリーズである悪魔城ドラキュラが、これまでとは全く異なる要素を取り入れて新しい流れを生み出した第一作目が、『悪魔城ドラキュラX
月下の夜想曲』である。この作品は往年のドラキュラシリーズの雰囲気を保ちつつ、従来の面クリアー型方式というシステムからマップ探索型のアクションRPGとして生まれ変わらせた意欲作である。
またこれまでの主人公はベルモンド家の人間かそれに近いヴァンパイアハンターであったが、今作ではかつて悪魔城伝説に登場したドラキュラの息子であるアルカードを主役にすえており、その設定を活かしこれまでの作品とは全く異なるアクションを繰り広げることとなる。
アクションRPGになったためシナリオ面も強化され、有名声優の起用やイラストレーターの小島文美氏によるキャラクターデザインなど、かなり豪華な作りになっている。
この作品以降、ドラキュラシリーズはアクションRPGとして路線変更することになる。これに関して賛否両論あるだろう。アクションRPGへの変更に伴い一撃必殺の要素が実質上消滅したため、往年のドラキュラシリーズの魅力でもあった、ぎりぎりの状態での生死を賭けた戦いのスリルがほとんどなくなってしまった。
だがそれは逆に言えば、より多くのユーザーにも楽しんでもらえるよう再設計されたとも言えるだろう。全体的に難易度は低くなったし、主人公の成長という要素が加わる事により、レベルを上げればいずれは強敵も倒せるようになった。装備を組み合わせることで有利な状況を作ったり、アイテムをそろえて戦いに挑むなど、色々とやりやすくなったのも事実だろう。
またアクションRPGとしての魅力もあり、これはこれで進化の新たな形態と言っても良いだろう。
まずこの作品は前述の通り、探索型のアクションRPGである。舞台となる広大な悪魔城を、自動的に書き込まれるマップを頼りに探索していく事となる。このシステムによりエリア間の自由な移動が可能になり、またエリア内にある最初は行けない場所も、別のエリアで攻略に必要なアイテムを入手してから再度行くなどもできる。攻略する順番も大まかにしか決まってないので、ルート選択の自由もあり、色々試しながらゲームを進めていくことになるわけだ。
主人公のアルカードはドラキュラの息子であるため、武器は当然鞭ではなく、剣や打突武器などをはじめ様々な種類を扱うことになる。手に入れた武器は当然装備欄で装備することが出来るが、この作品では一般的な武器防具の分類のみならず、武器に関しては右手と左手に装備する欄が分かれている。この左右の手にはそれぞれ別の武器が装備できるばかりではなく、盾も装備することができ、それぞれ攻撃や防御を行うボタンを割り振ることができる。これにより、剣と盾でバランス良くするか、二つの異なる武器を装備するか、あるいは一部の両手用の武器を装備するかなど、色々なことを試せる。またこの手には消費武器や回復アイテムを装備することもでき、必要な時に入れ替えて使用することになる。
またアルカードは基本的なアクションの他に、魔道器という特殊なアイテムを手に入れることで二段ジャンプなどのさらに上位のアクションや、変身能力を使えるようにもなる。またある特定のコマンドを入力することにより魔法を使うこともできる。これらの特殊なアクションはゲーム攻略に必要不可欠だったり、攻略の助けになるものが多い。また特殊なアクションの多くはMPを消費する。このMPはハートとは全く別のパラメータで、回復方法も全く異なる。これにより多様な戦略が可能になった。もちろんサブウェポンも使用可能で、いくつかの新しいサブウェポンの登場や十字架の機能変更など、これまでのシリーズとは一味違うものになっている。
アクションRPGということで、城内のある場所で買い物をすることができる。必要な資金はロウソクを壊したり敵を倒したりして稼ぐことができる。また城内で手に入れた宝石は売ることができ、これを資金の足しにすることができる。
さらにモンスター図鑑というものも登場する。これは一度戦った相手の情報を記録するもので、そのモンスターのパラメーターのみならず、持っている宝も表示される。?で現されている欄はまだ持っている宝が分からない状態を意味するので、これによりどのモンスターが宝を持っているのかが分かり、アイテム集めが楽になるわけだ。
他にもワープゾーンの登場や壁を壊して発見する隠し部屋などがあり、本格的な探索型アクションRPGに仕上がっている。
ストーリーも当然これまでとはかなり違いがあり、物語はアルカードを中心に展開する。この作品におけるイベントの総量は少なめだが、これまで描かれることのなかったドラキュラの立場や考え方が描かれているという点が興味深い。
グラフィックは2Dサイドビューというドラキュラシリーズの特徴を最大限生かした美しいグラフィックになっている。アルカードの華麗な動きや敵キャラクターの細かい動作など、隙のない見事な作りになっている。これに加えて小島文美氏のイラストによるグラフィックが、作品の持つ雰囲気と美しさをより引き立たせている。2D作品に限定すれば最高レベルのグラフィックと動作だろう。
また背景も素晴らしく、特に礼拝堂のシーンなどには目を見張るものがある。ただ遠くから雲が流れる場面は少し汚い気がするが、他の点で十分補える範疇だろう。
音楽もまた素晴らしい。荘厳な印象の曲が多く、グラフィックと相まって実に見事である。作品の持つ雰囲気を上手く表現している。また、ちょっと気合入りすぎじゃねーかというくらい声優の演技が素晴らしいのも特徴の一つである。
難易度はそれほど高くない。ただ装備の組み合わせや隠し部屋の探索など結構頭を使うことが多い。どれだけ効率よく攻略していけるかが重要だろう。
総合的な完成度は非常に高く、やりこみ要素も十分にある。名作であると言っても過言ではないだろう。