| ジャンル | ビジュアルノベル |
|---|---|
| 機種 | Windows(18禁) |
| 開発 | ねこねこソフト |
| 発売 | ねこねこソフト |
| メディア | CD-ROM(2枚組) |
| 発売日 | 2000年8月31日 |
ストーリー
それを手にしたものは、どんな願いも叶うとされる不思議な銀色の糸。その伝説は御伽噺として、人々の間に伝えられていた。
平安時代。物心付く前から色町にいて、自分の名前すら知らない一人の少女がいた。彼女はある夜「なんとなく」色町を抜け出し、峠で一人の野武士と出会う。儀助という名のその野武士は、峠を通る旅人を殺して食料を奪う日々を繰り返していた。弱肉強食の世界で非情に生きてきた儀助だったが、あまりにも儚くか弱い存在であるその少女を殺すことができず、二人は行動を共にすることになる。少女との出会いで儀助は、殺伐とした毎日にありながら奇妙な安らぎを覚えるようになるのだが……。
鎌倉時代。中央の有力者の三男である久瀬頼人は、二人の兄との間に起きたいざこざから、父親の命によりほとぼりが冷めるまで都から離れることとなる。そして滞在先の村の神社で、その神社の神主の世話になっている狭霧という巫女と出会う。純朴で、明るく、働き者で、村の子供たちからも人気がある狭霧に、頼人は次第に心を惹かれていくようになる。だが頼人はやがて、狭霧には過酷な運命が仕組まれていることを知ることとなる。
大正時代。両親が遺した佐々井亭という食堂を営む仲の良い姉妹がいた。姉の佐々井夕奈は店長兼料理人として、妹の佐々井朝奈は接客係として、忙しい日々を過ごしていた。そんなある時朝奈は、忙しい毎日によって姉が女としての幸せを逃してしまうのではないかと心配し、母親から譲り受けた、どんな願い事も叶う、しかし本当に必要な時にしか使ってはいけないと言われていた首飾りに、姉と素敵な異性との出会いを願う。その後日、姉妹は帝国軍人の青年である鍋島志朗と出会う。朝奈は志朗と夕奈の関係が発展するよう、首飾りの「力」を使い続けるが、その朝奈の犯した「過ち」によって、やがて朝奈は、夕奈や志朗を巻き込んでその「力」の代償を払わなければならなくなってしまう。
そして現代。大学生の三井真也は、たまたま立ち寄った喫茶店で、バイトをしている篠崎あやめという少女と出会う。あやめは幼少の頃から患っている原因不明の失語症で喋ることができず、精神科のカウンセリングを受けており、また会話をする時はいつも持ち歩いているホワイトボードを使っていた。やがて真也はある時、悪漢に絡まれているあやめを助け、それをきっかけに二人の交流が始まる。二人の仲は徐々に縮まっていくのだが……。
レビュー
今作『銀色』は、ねこねこソフトの名を世に知らしめたというだけでなく、ねこねこソフトの最高傑作とも言われている作品である。ストーリーや演出などが非常に高いレベルで纏まっており、まさしくねこねこソフトの底力を見せ付けたと言っても過言ではない名作である。
まず今作は一般的なノベル系アドベンチャーとは少々異なり、画面の上下が切れているシネマスコープ方式が採用されている。これは映画的な雰囲気を出すための演出である。文章は、字幕のように下の画面外に二行で表示される。
また他に類を見ない特徴として挙げられるのは、今作では文章やキャラクターの音声を英語にすることが可能な点である。これはなかなか面白い試みといえるだろう。
他の基本的なシステムは一般的なノベル系アドベンチャーと大差無い。
ストーリーは、どんな願いでも叶うという銀の糸に翻弄される人間たちの物語を、オムニバス形式で語るものである。章で区切られたそれぞれのストーリーは時代も登場人物も異なるが、全ての物語に銀糸が関連してくるという点で共通している。それぞれの章で展開される哀しくも美しいストーリーは、非常に質の高いものに仕上がっている。
グラフィックの質は全体的に高い。
音楽も作品を引き立てるなかなか良いものが揃っている。
難易度はかなり低い。バッドエンドもあるが、どれもエンディング直前の選択肢を正解するかどうかなので、特に難しいところは無いだろう。
総合的な完成度は高く、見事な出来栄えの作品であるといえるだろう。