ジャンル シミュレーション
機種


Windows
PS2
Xbox
開発 企画デザイン工房 戦船
発売 ブロッコリー
メディア



Windows:
CD-ROM(4枚組み)
PS2:DVD-ROM
Xbox:DVD-ROM
発売日


Windows:2002年8月23日
PS2:2003年1月23日
Xbox:2003年4月17日

 


 ストーリー

 はるか遠い未来の宇宙、人類は星間ネットワークを築き上げ、宇宙の広い範囲に進出していた。だがある時突如発生した時空震(クロノ・クェイク)によって長距離通信や長距離航行を行うことができなくなり、星間ネットワークは破壊されて文明は衰退した。
 それから200年の月日が流れ、惑星トランスバールの衛星軌道上に、白き月という謎の物体が出現した。この白き月には、失われた様々な技術が存在しており、その技術を手に入れたトランスバールの人々は再び宇宙へと進出、以後400年間に渡ってその版図を広げ、128もの星系を束ねるトランスバール皇国を築き上げた。
 長きに渡り、トランスバール皇国は栄華を誇っていた。だがトランスバール暦412年、突如出現した大艦隊によって惑星トランスバールが襲撃され、皇王ジェラールをはじめとしたほとんどの皇族が殺害されてしまう。艦隊を率いていたのは、5年前にトランスバールを追放されて辺境の地に流されていた皇子エオニアであったが、彼がどのような手段でこの大艦隊を手に入れたのかは不明であった。
 一方その頃、辺境駐留艦隊の一司令官であった青年将校タクト・マイヤーズの元に、ムーンエンジェル隊と名乗る少女たちと、彼女たちが操る5機の戦闘機が現れる。彼女たちは、白き月を統治する聖母シャトヤーンに仕えている月の巫女であり、白き月で育てられていたためにエオニアによる虐殺から逃れることができた唯一の皇族の生き残りであるシヴァ皇子を保護し、トランスバール星系から逃れてきたのである。彼女たちの導きで、エンジェル隊の操る大型戦闘機である紋章機の母船、エルシオールへとたどり着いたタクトたちは、恩師であるルフト准将と出会い、シヴァ皇子の安全を確保することと、エオニア軍に対抗するために、シヴァ皇子を皇国軍の残存艦隊が終結しつつあるローム星系まで送り届けて欲しいと頼まれる。
 こうしてタクトは、エルシオールとエンジェル隊を率い、エオニア軍との戦いに挑むこととなる。

 


 レビュー

 今作『ギャラクシーエンジェル』は、ブロッコリーの企画したProject G.Aという計画名で製作されたメディアミックス作品郡の中心となっている作品である。スペースオペラにギャルゲー的要素を組み合わせることで実現した今作は、アニメや漫画との相乗効果もあり、非常に高い人気を獲得した。

 今作は様々なメディアで展開されたが、その企画の発端となったのが今作である。そのため今作は、一連の作品の中では「原作」という位置付けになっている。なお今作は完成が遅れたため、アニメ版の方が今作の発売よりも前に放送されており、そのアニメ版はゲーム版の一部の設定を利用しながらもコメディ調の大きく内容が異なるものに仕上がっている。

 システム的には、一般的なノベル系アドベンチャーのパートと、エンジェル隊を指揮して敵と戦闘を繰り広げるシミュレーションのパートの2つで構成されている。
 アドベンチャーのパートの基本システムは、一般的なノベル系アドベンチャーと大差はないが、マップ上で行き先を選択する場面があり、この時どの場所にどのヒロインがいるかが表示されるようになっている。またこのパートの選択肢によってヒロインとの好感度に変化があるが、この好感度はエンディングのルートを決定するだけでなく、シミュレーションパートとも密接に絡んでくる。特に、マップ移動の場面はほとんどの場合移動可能な回数が決められているので、誰の好感度を上げるかを考えて移動する必要があるだろう。なお現在のヒロインの好感度は、マップ上に存在するくじらルームに行くことで知る事ができる。
 シミュレーションのパートはハーフリアルタイムバトルであり、指示を出す時やポーズをかけたときには一時停止するようになっているので、作戦をじっくりと考えることができる。また画面は3Dであるが、システム的な意味での高さはないので、実質上は2Dのシミュレーションとなる。
 プレイヤーが指示を出せるのは旗艦のエルシオール、およびエンジェル隊の紋章機であり、これに場合によっては友軍の船が加わる。基本的な指示は、その場で待機する「待機」、指定したポイントへ移動する「移動」、指定した敵を攻撃する「攻撃」、指定した船を護衛して、攻撃を仕掛けてきた敵を迎撃する「護衛」となり、これに加えて紋章機は後述する「必殺技」、補給のためにエルシオールへと帰還する「補給」、紋章機のハーベスターのみが使用できる、指定された紋章機を修理する「修理」がある。指示は個別に出すだけでなく、紋章機であれば全機にまとめて指示を出す事もできる。
 各機体のステータスにはそれぞれ、HPとENという数値を表すゲージが存在し、さらに紋章機にはSPというものも存在する。
 HPは機体の耐久力であり、これが0になると紋章機は行動不能、他の機体の場合は破壊されてしまう。戦闘中HPを回復する事ができるのは紋章機のみで、エルシオールへと帰還するか、ハーベスターの修理や必殺技で回復することができる。
 ENは機体のエネルギーであり、移動や攻撃といったあらゆる動作に必要となってくる。こちらも0になると行動不能になってしまう。戦闘中ENを回復できるのも紋章機だけで、回復するにはエルシオールに帰還するしかない。
 SPは紋章機がそれぞれ持っている必殺技を使用するための気力であり、これは敵に攻撃を命中させる事で上昇していく。そして最大まで溜まったら、SPを全て消費して必殺技を発動させることができる。必殺技は広範囲を攻撃したり、集中砲火を浴びせたりすることができるので、上手く利用していけば戦闘を有利に進めることができる。なおSPが最大まで溜まった状態で「必殺技」の指示を出さずに一定時間が経過すると、SPが半減してしまうので、SPが溜まったらできるだけ早く「必殺技」を指示するべきだろう。
 なお戦力の中核となる紋章機は、前述のアドベンチャーパートにおけるヒロインとの好感度と密接な関係にある。紋章機は、パイロットの精神状態で機体の性能が左右されるという設定となっている。つまり、ヒロインとの好感度が高ければ高いほど紋章機の性能は上がるのである。そのためアドベンチャーパートでは、攻略対象にあるヒロイン以外の好感度も上げていく必要がある。
 ちなみに旗艦のエルシオールが破壊されるとゲームオーバーであり、エルシオール自体の戦闘能力はかなり低いので、シミュレーションパートではいかにしてエルシオールを守りつつ任務を達成するかが重要となってくる。

 ストーリー的には特筆すべき点はなく、無難な感じの話に仕上がっている。

 グラフィックは、アドベンチャーパート、シミュレーションパート共にそこそこ良くできている。特に、3Dとなるシミュレーションパートに関してもわりと綺麗に描かれているのは評価できるだろう。
 音楽もそれなり良くできているといったところか。

 難易度は低めに設定されているが、各機体の特性やヒロインとの好感度を考えて行動していく必要はあるだろう。

 全体的な完成度はそれなりの水準にあり、ギャルゲーの中でも珍しいスペースオペラであるという点や、その設定を利用したシミュレーションパートの導入など、個性的な作品であるといえるだろう。