ジャンル | 探索型アクション |
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機種 |
GBA Wii U(バーチャルコンソール) |
開発 | 任天堂 |
発売 | 任天堂 |
メディア | GBA:ROMカートリッジ |
発売日 |
GBA:2003年2月14日 Wii U:2014年4月30日 |
ストーリー
惑星ゼーベス崩壊からしばらく経ったある時、サムスは銀河連邦の命を受け、メトロイドが生息していた惑星SR388の調査に向かったバイオテクノロジー会社のBIOLOGIC宇宙生物研究所の調査隊に、護衛として同行することとなった。だがそこでサムスは、SR388で謎の生命体Xに寄生されてしまう。そして帰路に着いたとき、サムスはXに中枢神経を侵されて意識を失い、乗っていたスターシップはアステロイドベルトに突入してしまう。
自動脱出装置によって間一髪脱出したサムスだったが、銀河連邦に回収されたサムスはパワードスーツごと寄生されており、依然として危険な状態にあった。肉体と一体化するパワードスーツを脱がすことができなかった連邦はスーツを切り取るも効果は無く、サムスの命は絶望視される。だがかつてサムスが持ち帰ったベビーメトロイドの細胞から生成されたワクチンがXに対して絶大な効果があることが分かり、ワクチンを投与されたサムスは奇跡的に一命を取り留める。
そして、SR388から生物のサンプルを持ち帰ったBIOLOGIC宇宙生物研究所で原因不明の爆発事故が起こり、サムスは原因究明のために研究所に向かう。
レビュー
前作において一度シリーズの完結を迎えたメトロイドが、9年の歳月を経て装いも新たに登場したのが今作『メトロイドフュージョン』である。
今作はWii Uのバーチャルコンソールでも配信されていた。
メトロイドはストーリー的には前作で完結しているし、実際最後のメトロイドは前作の段階で死亡しているのだから、一作目と二作目の間のアナザーストーリー的な位置付けであるNGCのメトロイドプライムならまだしも、正統な続編である今作は何らかの方法でメトロイドを復活させなければならない。そのため私は、シナリオ面で不安があった。
だが今作では、確かに復活の方法自体は目新しいものでは無かったが、それ以外のシナリオ展開や伏線の張り方が実に見事で、前シリーズとの矛盾点も発生しなかった。一度完結した作品に続編を作り、なおかつそれを成功させた好例として見ることができるだろう。
今作はシステム的には前作を踏襲したかたちになるが、これに新要素が追加されている。まず今作に登場する敵はXと呼ばれる寄生生命体であり、これが生物に取り付いたり擬態したりしている。そして敵を攻撃して倒すと、このXが姿を現すのだ。新たにサムスが入手したフュージョンスーツの効果によって、サムスはXを吸収してエネルギーや武器の補給をすることができるのだ。ただXはしばらくすると再び擬態化したり敵の死骸に取り付いてしまったりするので、敵を倒したらできるだけ早くXを吸収する必要がある。
また今作ではグラップリングビームが無くなっているが、その代わりに梯子を上り下りできるようになり、淵にぶら下がったり天井の梯子に飛びついたりも可能になっている。
なお今作はメトロイドプライムとの連動が可能で、クリアデータをGBAケーブルを使ってメトロイドプライムに送信すると、メトロイドプライムのディスクで初代メトロイドをプレイすることができるようになる。
今作のストーリーは前述の通り前作の正統な続編である。過去の設定を上手く活かしたシナリオは前作以上のクオリティであり、さらに今作では連邦のコンピューターとの会話シーンが登場するので、よりシナリオが重視されている印象を受ける。
グラフィックは前作と同レベルくらいだろう。GBAではかなりの高品質といえる。
曲の方も結構良い。だがそれ以上に驚くのは、あるシーンで自爆装置の警告が鳴り響くのだが、この時のアナウンスの英語が携帯ゲーム機とは思えないくらいのクリアな音声なのである。GBAでここまで綺麗な音声を出せたのは驚きである。
難易度はやや高め。今作は敵から受けるダメージのわりにXによる回復の量が少ないので、いかにして敵の攻撃をかわしていくかが攻略のポイントとなるだろう。
スーパーメトロイドのシステムを基本に様々な新システムを搭載した今作は、一度完結したストーリーに続きを作るという難事業を設定や展開の上手さで見事に成功させた逸品である。