ジャンル 恋愛アドベンチャー
機種





Windows
PS2
PS3
Xbox 360
PSP
PS Vita
開発 Key
発売







Windows: ビジュアルアーツ
PS2:
インターチャネル・ホロン
ガンホー・ワークス
PS3:プロトタイプ
Xbox 360:プロトタイプ
PSP:プロトタイプ
PS Vita:プロトタイプ
メディア





Windows:DVD-ROM
PS2:DVD-ROM
PS3:Blu-ray Disc
Xbox 360:DVD-ROM
PSP:UMD
PS Vita:PS Vitaカード
発売日





Windows:2004年4月28日
PS2:2006年2月23日
PS3:2011年4月11日
Xbox 360:2008年8月28日
PSP:2008年5月29日
PS Vita:2014年8月14日

 


 ストーリー

 過去のある出来事から不良傾向にあった高校生の岡崎朋也は、悪友の春原陽平とつるんで自堕落な日々を過ごしていた。しかし、朋也が3年生に進級したばかりの頃のある朝、学校に通じる坂道で朋也は、古河渚という同じ高校の少女と出会う。学校に向かうことを躊躇っている自分に、言い聞かせるように話している渚に、朋也は思わず声を掛ける。それが朋也と渚の最初の出会いである。
 それ以来、朋也は渚とよく会うようになる。また、隣のクラスの委員長の藤林杏、学校一の秀才の一ノ瀬ことみ、生徒会長を目指している下級生の坂上智代、小柄でヒトデ好きな伊吹風子らとの関わりを通して、朋也を取り巻く日常は少しずつ変化していき、朋也自身もまた変わっていくこととなる。

 


 レビュー

 Keyの第三作目である今作『CLANNAD』は、これまでのKeyの集大成として生み出された作品であり、そして集大成に相応しい圧倒的完成度とボリュームを兼ね備え、前作であるAIRすらも凌駕するまさにKeyの最高傑作と呼ぶに相応しい名作である。
 今作は様々なバージョンが発売されているが、まずWindows版の初回限定版と通常版にはボイスが一切入っておらず、ボイスが入るようになるのはPS2版以降となる。また後にWindowsで発売されたFULL VOICE版では画像の高解像度化とCGの追加が行われ、Xbox 360版ではFULL VOICE版からさらに画像が高画質となり、音声も一部5.1chに対応するようになっている。

 まず最初に断っておくが、今作はジャンル的には恋愛アドベンチャーとなっている。だが今作に関しては、この恋愛アドベンチャーというジャンルは当てはまらないと見た方がいい。確かにベースとなっているのは学園を舞台にした恋愛ものであるが、その枠組みに囚われない様々なシナリオが存在する。
 それだけではなく、学園を舞台としているシナリオは言うなれば「前半」に過ぎず、一通りシナリオを終わらせると出現する「後半」のシナリオは、もはや完全に恋愛アドベンチャーではない。言うなれば、ヒューマンドラマとでも言うべきシナリオとなっている。ゆえに今作は、これまでの恋愛アドベンチャーの常識は通用しないと見るべきだろう。まあそういう点ではAIRも同じようなものだったが。
 また今作は当時のPCのギャルゲーの世界では非常に珍しく、最初から年齢制限が存在しない。以前からKeyは18禁要素が薄いゲームの代名詞のような存在だったが、今作において完全にHシーンが撤廃され、発表後は色々と意見が飛び交ったものである。だが、作品の内容をみるに、Hシーンの撤廃は成功したと見るべきだろう。この内容のシナリオにHシーンを含めるのは蛇足だろうし、なにより今作のシナリオは高校生くらいもターゲットにしているので、18禁にするのはあまり望ましくなかっただろう。

 さて今作のシステムはインターフェイスまわりが前作から変更されているとはいえ、基本的には一般的な恋愛アドベンチャーと大差はない。ただタイトル画面にある仕掛けがしてあり、シナリオを進めるごとに変化がある。そしてこれが、真の結末に関係することになる。
 なお今作はストーリー展開に面白い要素がいくつも取り入れられており、これまで選んだ選択肢や他のキャラクターとの好感度などでイベントが変化するという要素も存在する。

 学園生活を通じて様々な人間と交流を重ね、様々な結末に向かうという点では「前半」のストーリーはオーソドックスな印象があるが、前述の通りヒロインとの恋愛以外のシナリオも存在する。
 そして「後半」のシナリオ以降は一転して、朋也と渚のシナリオを主軸に他のキャラクターのシナリオが入り込むという構成になる。
 物語の根底にあるのは家族愛であるが、そこに恋愛や友情などの要素が盛り込まれており、またこれまでの作品とは異なり各々のキャラクター同士の繋がりが非常に強くなっている。そしてその物語の質は非常に高く、総合的にみればAIRをも上回る圧倒的完成度を誇る。ただ一部、作品の本来のテーマから明らかに逸脱しているシナリオがあるのは少々残念である。

 グラフィックは前作から比べると随分とレベルアップしており、かなり綺麗な出来となっている。
 音楽も相変わらず高品質である。

 難易度は少々高め。今作は特定のキャラクターに関する選択肢だけ選べば良いわけではなく、そのキャラクターに関連する別のキャラクターとも好感度を上げないとダメという場合が多い。少なくとも、渚との好感度はある程度上げておかないとどのキャラクターも攻略できないようである。
 また前述の通り、真の結末を見るにはタイトル画面の仕掛けを完全な状態にしないとならないが、そのためには一度バッドエンド的なノーマルエンドに行き着かないとならないという点にも注意が必要か。

 同じような方向性のゲームでは、今作に勝るものは存在しないのではないか? と思わせるほどとてつもなく完成度が高い名作であると言えよう。