| ジャンル | FPS |
|---|---|
| 機種 |
Windows(北米/日本) Mac OS |
| 開発 |
Windows:Rebellion Mac OS:Mumbo Jumbo |
| 発売 |
Windows(北米): Fox Interactive Windows(日本): ELECTRONIC ARTS Mac OS:MacPlay |
| メディア |
Windows: CD-ROM(2枚組) Mac OS: |
| 発売日 |
Windows(北米): 1999年4月30日 Windows(日本): Mac OS:2001年10月 |
ストーリー
「あの事件」から10年後。ウェイランド湯谷社は、アケロンに新たなコロニーと大気浄化施設を建造する。そして、スペース・ジョッキーの遺棄船の脇にエイリアンの研究施設を建設し、遺棄船からエイリアン・エッグを運び出して研究を行っていたが、研究中だったエイリアンが脱走しコロニーや大気浄化施設などを襲撃、施設は壊滅する。警備のために訪れていたUSCMの隊員もほとんどが殺されたが、宿舎にいたため難を逃れた二等兵が一人いた。彼は鳴り響く警報によってただならぬ事態が起きたことを知り、別の場所から通信をしてきた司令官の指示の下、惑星からの脱出を試みることとなる。
どこかの惑星に存在するウェイランド湯谷社の研究施設、エリア52。ここに一人のプレデターが降り立った。彼の仲間のプレデターがこの辺りに降り立ち、消息を絶ったのである。プレデターはエリア52を警備している海兵隊員を狩りながら、仲間のプレデターの血液を頼りに施設の奥へと向かっていった。
とある小惑星に、エイリアンを祀る寺院が存在していた。そのことを知ったウェイランド湯谷社は、調査団をその小惑星に派遣、研究施設を建造する。だがそれは、寺院に眠るエイリアンを目覚めさせる原因となってしまった。そして、眠りを妨げられたエイリアンは、この惑星から出て新たな繁殖活動を行うため、研究施設への襲撃を決行する。
レビュー
映画も製作されて、今や既成事実となったといっても過言ではない宿命のライバル的存在であるエイリアンとプレデターの戦いに、人類の海兵隊も交えた三つ巴の争いを描いた作品が『ALIENS
VERSUS PREDATOR』である。
今作には、オリジナル版のアップグレード版である『ALIENS VS PREDATOR GOLD EDITION』というものも存在する。オリジナル版との違いは、最初からエピソード中でのセーブができる、海兵隊編における新武器の追加、マルチプレイマップの追加、通信のムービーの差し替え、その他の微調整などである。Mac
OS版は最初からこのGOLD EDITIONとなる。
なお日本では日本語マニュアル付き英語版のみが発売されており、日本語版は存在しない。また前述のGOLD EDITIONも日本では発売されていない。
過去にもエイリアンとプレデターの戦いを描いた作品はいくつかあった。だがここまでリアルに映画の世界を再現した作品は存在しなかっただろう。ジャンルがFPSになったことだけでなく、今作はエイリアンおよびプレデターの映画の配給元である20世紀フォックスが監修に加わった作品であるため、作中に出てくる素材は実際に映画に使われたものが多い。そのため映画の世界の再現度は他作品と比べて抜きん出たものがある。またエイリアン、プレデター、海兵隊の3種族をそれぞれ操作できるという点も斬新であった。
ただ種族間の力関係や、映画のもつ緊張感まで忠実に再現しようとしたためか、ゲームバランスの崩れを招いてしまったという問題点もあり、それがゆえに今作は当初かなり叩かれた経緯がある。特に今作は非常に難易度が高いにもかかわらず、1エピソード中に一切セーブができないという致命的な欠点が存在しており、これが最も問題となった。そのため今作はオリジナル版が発売されてから急遽、回数制限付きだがセーブ可能なパッチがリリースされるという事態となった。これによって難易度の問題はある程度解消されたが、それでも今作の難易度が非常に高いのは事実であり、映画を題材としながら万人受けしないのは問題との理由から続編の『ALIEN
VS PREDATOR 2』ではゲームバランスを重視してやや難易度を落とすことになったという。最も、純粋に1ゲーム作品としてみれば、パッチを当てた状態であれば問題ないレベルであるのだが。
今作はジャンル的にはFPSであるのだが、3種族ごとにその操作感覚はかなり異なってくる。特にエイリアンは他の2種族と比べると全く異なる操作感覚であるといえるだろう。
一般的なFPSに最も近いのが海兵隊である。海兵隊は一般的なFPSと操作感覚自体は変わらない。ただ装弾数と所持弾数の区別があるものの、手動でリロードをする事ができない。
また海兵隊は180°の方向をカバーする動体探知機を装備しており、これで近くに存在するエイリアンなどの動くものを探知する事ができるが、後述の暗視ゴーグルとの併用はできない。
海兵隊はフレアと暗視ゴーグルという二種類の照明器具を装備している。フレアは使用回数無限で近くに投下して照明にできるものの、一度に4つまでしか使用できない。暗視ゴーグルは使用すると動体探知機が使えなくなるだけでなく、明るい場所では逆に見えづらくなる欠点がある。二種類の照明器具にはメリットとデメリットがあるので、上手く使い分けていく必要があるだろう。
プレデターは操作感覚こそ一般的なFPSに近いが、使用できる装備に特殊なものが多い。まずプレデターは4種類のビジョンモードを使用することになる。ごく一般的なノーマルビジョン、人間を探知する事ができるサーマルビジョン、エイリアンやセントリー銃を探知できる電磁波ビジョン、暗闇を鮮明に見ることができる(マルチプレイモードではプレデターを探知できる)ナイトビジョンの4種類となる。これらのビジョンは種族によって見えにくくなったりするので、どの種族と戦っているかで使い分けていく必要がある。
また武器のショルダーキャノンはサーマルビジョンで人間を、電磁波ビジョンでエイリアンをそれぞれロックオンする事ができるが、エイリアンにはあまり効果が期待できない。エイリアンにはプラズマピストルが効果的となるが、このプラズマピストルは逆に人間には効果が薄くなるので、そのあたりは使い分けていく必要がある。
加えてプレデターは透明化することによって人間の目を欺く事も可能だが、この透明化はエイリアンやセントリー銃には全く効果が無いので注意が必要。またズーム機能もあるので、遠距離から敵を確認したり、狙撃に利用したりすることができる。リストブレードとスピアーガン以外の各種武装や透明化にはエネルギーを必要とするが、このエネルギーは自然回復を待つか、エネルギーユニットを取得して回復する事となる。
エイリアンの操作感覚は前述の通り、一般的なFPSとは全く異なる。まずエイリアンは壁や天井に張り付いて行動する事ができる。このとき当然視界も回転してしまうので、人によってはかなり混乱するだろう。またエイリアンは飛び道具を一切持たないので、爪や尻尾による接近戦が基本となる。
エイリアンは凄まじいスピードや跳躍力で行動する事が可能で、攻撃力も高いのだが、基本的に打たれ弱く、特にセントリー銃の銃撃を受けると瞬殺される。そのため敵の背後を取ったり、その驚異的な運動神経を活かして間合いを一気に詰めて仕留めたり、素早く動き回ってかく乱しつつ攻撃したりと、とにかく奇襲に徹しないと生き残る事はできない。
体力は人間の頭を喰う事によって回復する事ができる。相手の頭を画面中央に捉えることでエイリアン特有の第二の口が画面上下に姿を現すので、この時攻撃をすれば頭を喰う事ができる。ただこれも生きている相手に対しては武器を持たない民間人くらいしか使用する事ができず、大抵の場合は死体から行なう事になるが、死体だと回復量はやや落ちる。ちなみに難易度がノーマルまでなら、死体を爪で切り裂いても体力は回復できる。
またエイリアンは、通常のビジョンに生物が強調表示されるハントビジョンと、視界が狭くなるが周囲が明るく見えるナビゲートビジョンの2種類のビジョンを使用できる。
全体的には、まず今作は映画の世界をかなりにリアルに再現しており、それは各種族の特長にもはっきり現れている。海兵隊は武装は強力だが身体能力は他の2種族に劣り、高いところから落ちるとダメージを受けたりする。プレデターは身体能力が非常に高く、攻撃力・耐久力共に高いうえ、敵となった場合映画でおなじみの自爆装置まで使ってくる。エイリアンはスピードは凄まじいが打たれ弱く、また敵に回った場合攻撃を受けるたびに強酸性の血を撒き散らすので、それに触れるとダメージを受ける。エイリアンに関してはさらに細かく設定されており、幼生のフェイスハガーは一撃必殺の寄生能力を持ち、クィーンの親衛隊であるプリトリアンは高い戦闘能力を有する。
セーブ回数は、イージーで8回、ノーマルで4回、ハードで2回となっているが、これはまあ妥当な数字といえるだろう。ただイージーから順番にこなしていかないと、どこでセーブすべきかが分からなくなるので、今作に関しては無理せずイージーから順番に進めていくべきだろう。
ストーリーに関しては、一応筋は通っているようだが、あまり重視されているとは言えない。どちらかというと、映画の舞台となった場所をゲームに登場させるための理由付けのために存在している感じである。ただ逆に、映画に登場した場面を再現した場所はいくつも登場するため、ファンとしてはなかなか嬉しいと言えるだろう。
グラフィックは、さすがに映画の素材を利用しているだけあって、この時代ではトップクラスともいえる出来栄えとなっている。ただ全体的に暗い場面が多く、そのため特殊なビジョンごしに見ることが多くなり、加えてかなり忙しなく戦う必要があるため、せっかくのグラフィックの美しさを堪能できない気はする。また各種族のオープニングとエンディングに挿入されるムービーは、短いながら映画顔負けの非常に高品質なものに仕上がっている。
サウンド面に関しても非常に質が高く、効果音には映画の素材も利用しているため、その迫力と臨場感はかなりのものがある。なお今作は2枚目のCDがサウンドトラックになっており、2枚目のCDを入れないと音楽が流れないのでその点には注意。
そして問題の難易度だが、これがとにかく高い。特に能力的に非常に優位に立てるプレデターはともかく、打たれ弱い海兵隊やエイリアンは、後半かなりの苦戦を強いられる事になるだろう。イージーですら油断すれば瞬殺されるくらいの難易度であり、ハードに至っては壮絶な死闘を繰り広げる羽目となる。またエイリアンが無限増殖する場面がいくつもあることや、セーブ回数に制限があることが、難易度をより高くしている。ただ今作は、必ずしも敵を倒して進む必要があるわけではないため、イージーでミッションの構造を把握し、それ以降は手早く目的をこなしていくといった戦法が重要となるだろう。
映画の世界を見事に再現した今作は、しかしながらそのかなりの高さの難易度によって随分と損をしている作品である。ただその難しさを差し引いても、今作の完成度が非常に高い事もまた事実であり、映画のファンでゲームもやるというのであれば、手を出して損はない作品といえるだろう。