| ジャンル | ビジュアルノベル |
|---|---|
| 機種 | Windows(18禁) |
| 開発 | ねこねこソフト |
| 発売 | ねこねこソフト |
| メディア | DVD-ROM |
| 発売日 | 2003年6月13日 |
ストーリー
今からおよそ1000年ほど前、大陸の砂漠地帯。この地には、ルタと呼ばれる謎の存在と、その指令を全うするため特殊な力を与えられた眷属が存在していた。
眷属の中でも最強の力を持つとされる「還す者」であるアラミスは、彼女の「守護者」であり、兄妹のように育ってきたカダンと共に、ルタによって与えられる任務をこなす日々を送っていた。彼らは幼少の頃に起きたある事件によって、ルタと出会い、契約を結ぶことによって眷属となり、その証である朱色の宝石を授かっていた。ルタの指令によって、人々を「還す」ことを繰り返してきた彼らであったが、やがてある時、自分たちと同じ「還す者」を対象とした任務を受けたことで、彼らの運命は大きく変わっていくこととなる。
盗賊を生業としているターサは、幼い頃に出会ったチュチュと共に、各地を転々とする生活を送っていた。わずかな稼ぎのために危険な仕事を繰り返してきた彼らは、やがてどこかに安住の地をみつけて、そこで静かに暮らしたいと考えるようになる。そんなある時、彼らは盗みに入った屋敷で、別の侵入者に遭遇する。その侵入者が身に着けていた朱色の宝石は、チュチュが幼少の頃死に別れた、母親と思われる女性が身に着けていたものと同じで、彼女の身元を知るための唯一の手がかりでもあった。ターサはチュチュの出自を知るために、彼女と共に旅に出ることになる。
砂漠で行き倒れになっていた旅人のウェズは、ファウという薬師の少女に助けられる。彼女はルタの眷属である「癒しの者」であったのだが、いまだにルタからの指令はなく、自分がなぜ眷属であるのかを疑問に思う日々を送っていた。ファウの許に身を置いていたウェズは、そんなファウの思いに応えるかたちで、彼女と共にルタに会いに行くことを決める。
そして、物語は全ての始まりの時へと遡ることとなる。
レビュー
ねこねこソフトの4作目となる今作『朱 -Aka-』は、二作目となる「銀色」と同様にシネマスコープを採用した映画を意識した作りの作品となった。ストーリーに重点を置き、章単位で進んでいくシナリオ、1000年ほど前の砂漠やステップ地帯が舞台であるなど、やや特徴的な作品に仕上がっている。
システムは前述の通り画面の上下が切れているシネマスコープ方式を採用しており、文章は下の画面外に表示される。文章は全て二行で表示されるようになっている。他のシステムは一般的な恋愛系アドベンチャーと大差は無い。
なお今作は、一周目では演出で第一章のヒロインであるアラミスの声が入らないようになっている。
物語の舞台は1000年ほど前の大陸の砂漠地帯を中心に展開される。ルタと呼ばれる謎の存在と、その指令を全うするため特殊な力を与えられた眷属が存在するこの世界で、各章ごとの主人公とヒロインたちの物語が展開されていくことになる。シナリオ的には良い出来だが、もう一歩突っ込んでもらいたかった気はする。
なお、今作は「銀色」と関連性があるので、そちらを先にやっておくとより物語が分かりやすくなるだろう。
グラフィックの質はかなり高く、所々動きのある演出があるなど、素晴らしい出来である。
またそれ以上に、今作はOPムービーの完成度が非常に高い。今作のOPは、当時のギャルゲーの中では最高レベルの出来栄えといえるだろう。ただし、OPと実際のストーリーには差異が生じてしまっているため、このムービーのような展開を期待すると、期待外れに感じてしまうという欠点はあるが……。
音楽の出来も今作は非常に良い。曲は舞台となる砂漠地帯の雰囲気を見事に表現している。またボーカル曲が5曲も挿入されているなど、音楽の面では非常に優秀なできばえであるだろう。ただ効果音がやや弱いという印象はある。
今作には一応バッドエンドもあるのだが、選択肢の少なさや分かりやすさから難易度はかなり低いだろう。
全体的に見れば優秀な出来であるが、今ひとつ足りなかったという印象はある。ただこれは、今作が「銀色」と比較されがちということもあるだろう。