| ジャンル | アクション&シミュレーション |
|---|---|
| 機種 | SFC |
| 開発 | クインテット |
| 発売 | スクウェア |
| メディア | ROMカートリッジ |
| 発売日 | 1990年12月16日 |
ストーリー
はるかなる昔、世界は人類の創造主であり守護者でもある神と、その神を滅ぼして世界を支配しようと企む魔王サタンとの対立によって、混沌としていた。人々は神を崇め、サタンやサタンの率いる悪魔たちに脅えながら日々を暮らしていた。神と魔王の力は互角であり、攻め滅ぼすにはお互いに決定打に欠けていたため、世界は混沌としながらも危ういバランスを保っていた。
だがそのバランスもついに崩壊の時が訪れた。自らの力だけでは神を攻め滅ぼせないと考えた魔王は、自らの腹心たる強大な力を持った6体の悪魔を生み出し、その悪魔たちを率いて神に総攻撃をかけたのである。神は死力を尽くして立ち向かうも、ついに悪魔たちの圧倒的な力の前に敗れ去り、自らの居城である天空城に逃げ込むと、最後の力を振り絞って天空城に結界を張った。神は戦いで受けた傷を癒すために深い眠りに就かなくてはならなかった。そしてその間に、神の力が消えた世界を悪魔たちは蹂躙し、人類は滅亡した。そして魔王は、世界を6体の悪魔たちに支配させ、世界は荒れ果てていった。
それから数百年の時が流れ、自らの傷を癒した神は、長い眠りから目覚めた。だが人類は滅亡し、地上は悪魔の支配する世界と成り果てていた。神は、再び人類を創造し、悪魔たちに支配されている地上を取り戻して、魔王サタンを打倒しようと決意し、地上へと赴くこととなる。
レビュー
今作『アクトレイザー』は、シミュレーションとアクションの両立というその斬新なシステムから話題になり、私も大いに楽しんだSFC初期の名作の一つである。
この作品の最大の特徴は、やはりなんと言ってもシミュレーションとアクションの両方ができるという点だ。しかもこの二つは相互に影響しあっており、シミュレーション(以下クリエイションモード)で手に入れたアイテムがアクションモードで使えたり、アクションモードをクリアーするとクリエイションモードのストーリーに影響があったりするのだ。
まずクリエイションモードだが、これは主人公である神が人間を創造し、天使を使って町を作り発展させるよう導くというものだ。町は発展する方向さえ決めてやれば勝手に発展してくるが、それを邪魔する魔物が魔物の巣という場所から湧き出してくるので、これを天使の矢で迎撃して人々を守ってやらないとならない。人口が増加すると人々は魔物の巣を封印することができるようになり、人々を導いてやれば魔物の巣を封印してくれる。そうしてその地域が平和になるまで人々を導いてやればいいわけだ。
人口が増加すると、神のレベルがアップしていく。これはアクションモードでのHP増加につながる。また特定の条件で人々が供え物を差し出してくる場合がある。これはクリエイションモードで使用する場合とアクションモードで使用する場合があり、中には残人数を上げてくれるアイテムもあるので、こうしたアイテムはできる限り集めておくべきだろう。
また神は奇跡を起こすことができる。これは天候の変化や天変地異を引き起こすことでフィールド上に影響を与えるものだ。人間の開拓に邪魔なものをこれで排除したり、地形を変化させてイベントを発生させたりするわけだ。ただ中には住人にダメージを与えるものもあるので、そういったものは使いどころが肝心になる。
さてアクションモードだが、これは神が人間の作った石像に憑依することで地上に舞い降り、悪魔の手先と戦うというものだ。この作品には6つの地域が存在するが、それらは最初魔物のはびこる大地である。そのためまずはその魔物のボスを排除しに行かなければならない。また一つの地域をクリアーするには、魔王の腹心である魔物をそれぞれの地域で倒さねばならず、そのためにも戦いに赴くことになる。要するに、一つのエリアの最初と最後にアクションモードが挿入されるわけだ。
アクションモードでは剣を持った神(が石像に憑依したもの)が戦うわけだが、これが意外と難しい。神は基本的に剣を振るという攻撃しかできず、さらに動きに少し癖があるので操作しづらい。とはいえ慣れてくればあまり気にならないレベルなので何度もやれば大丈夫だろう。なお剣から真空波を撃てるようになるアイテムがたまにアクションモードに転がっており、これを手に入れると格段の戦力アップになるが、残念ながらこうしたアクションモードで手に入ったアイテムは全てそのステージでしか使えないことになっている。
また前述の通り、クリエイションモードで手に入れたアイテムの中にはアクションモードに影響を与える物がある。ステータスのアップ以外では、魔法というものがある。これは神が使える特殊能力で、巻物の数とアクションモードに持ち込んだ魔法の種類に応じて唱えることができるわけだ。魔法はどれも強力なものなので、特に対ボス戦に有効だが、巻物の数はかなり少ないので使いどころをよく考えないといけない。
今作のストーリーは、主人公が神であり、人間を創造し導きながら悪魔たちと戦っていくという独特なものである。こうしたファンタジー世界を舞台にしたゲーム作品の場合、主人公が人間やそれに近い存在という場合が多い。だから主人公が神で、人間を創造し導く側というのはなかなかユニークだ。
グラフィックはSFC初期の作品の中では恐らく最高レベルだろう。特にアクションモードの背景はかなり美しく、よく描かれている。敵キャラクターの動きもなかなかいい。
音楽は数こそ少ないが、一つ一つの質は高い。それもそのはず。この作品の曲はゲーム界ではカリスマ的存在とさえされており、初期のファルコム作品の曲も手がけた古代祐三氏が担当しているからだ。SFCの限られた音源を最大限有効に活かして作られた曲は、どれも素晴らしいものばかりだ。個人的にはクリエイションモードの「音楽」を使った後の曲や、アクションモードのフィルモアの曲なんかがいい感じだと思う。
難易度はクリエイションモードは低いが、アクションモードは高め。特にアクションモードの針が一撃必殺だったり、飛ばされて穴に落とされたり、ダメージを受けたあとの無敵時間が短いなど厄介な点が多い。ただシミュレーションモードでちゃんと成長させておく、特に残人数を増やしておくと結構楽になるし、とんでもなく難しいステージなどはないので何度も挑戦すればクリアーできるようになるだろう。
アクションゲームとシミュレーションゲームを高度に融合した今作は、それぞれのモード単体で見た場合多少物足りない気がするものの、どちらのモードもちゃんと作られているので一本で二種類のゲームが楽しめるというお得なゲームである。