2002年 春 鷹の渡りin 立石山
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更新:2011年10月10日
2002年春季に福岡県志摩町立石山にて猛禽類の渡りを観察しました。
出現数についてはタカ渡りネットワークにも掲載中です。なお、識別力不足だったためオオタカのデータはハイタカ属の一種に加えました。
■ ハチクマ
5月12日〜6月7日(観察最終日)まで出現。5月13日〜20日位がピークと思われた。今季は268羽をカウントしたが、観察することができた日数が少ないため、春季の渡り総数は推測できなかった。西(姫島方向)→東(可也山方向)へ渡ったが、終盤には逆行した個体(計4羽)も見られた。若鳥と思われる個体も観察された。
■ アカハラダカ
5月18日、6月1日、6月5日に出現。出現が少なくピークは不明。出現した3日のうち2日は各4羽、6羽と、群れで見られた。今季は11羽をカウントした。渡りのルートから、ややはずれていると思われた。東→西へ渡った。
■ ツミ
5月13日〜6月4日までまれに出現。今季は5羽をカウントした。渡りの前半は西→東へ(3羽)渡っていたが、後半は東→西へ(2羽)渡っていった。
■ ハイタカ
3月8日(観察初日)〜5月12日まで出現。3月中旬〜4月中旬位がピークと思われた。また、3月中は成鳥が多かったが、4月に入ると幼鳥が大半を占めるようになった。今季は1333羽をカウントした。また、ハイタカ属の一種として198羽の不明個体をカウントしており、その大半はハイタカの可能性が高いと思われる。これらの合計と観察できなかった日等の推定数から、春季には1800羽程度が渡るのでは?と思われた。東→西へ渡った。
■ ノスリ
3月8日(観察初日)〜5月12日までまれに出現。今季は6羽をカウントした。観察前半は渡りを行っていないと思われる個体も出現していたが、行動から渡り個体を判断した。渡る方向は定まっておらず、西へ行く個体や北東へ行く個体も見られた。渡りのルートからははずれており、偶然通過していったと思われる。
■ サシバ
4月5日〜6月7日(観察最終日)まで出現。小さなピークが4月12日と5月19日に見れらた。今季は44羽をカウントした。大半は西→東へ渡ったが、5月13日以降は少数(今季4羽)が逆行していった。
■ ハイイロチュウヒ
3月31日に出現。今季は♀タイプ1羽をカウントした。もともと個体数が少ないため少数が渡ると思われる。東→西へ渡った。
■ ハヤブサ
3月9日〜5月3日までまれに出現。今季は4羽をカウントした。観察地周辺には定住したペアが生息しており、渡りと推測される個体は行動、年齢等から判断した。定住個体は渡り個体を見つけるとモビングをしかける時がある。東→西へ渡った。
■ チゴハヤブサ
5月21日に出現。今季は成鳥1羽をカウントした。渡りのルートからはずれていると思われ、偶然通過した可能性がある。西→東へ渡った。
■ チョウゲンボウ
3月8日(観察初日)〜4月4日まで時々出現。少数の渡りのためピークははっきりしなかった。3月中旬までは定期的に見られたが、その後はまれに見られる程度。今季は8羽をカウントした。東→西へ渡った。
■ ミサゴ、トビ
渡っている可能性はあるが、定住している個体も多く渡り個体との識別が困難であるためカウントしなかった。
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立石山における春季の鷹の渡り状況
西へ渡る鷹のゆくえについて:
立石山から西へ飛翔するとすぐ海へ出る。4km程西には姫島があり、そこまではなんとか姿を観察できるが、その後のゆくえがわからなくなる。