『時代に翻弄された歌 イムジン河』
https://www.web.nhk/tv/an/anotherstories/pl/series-tep-VWRZ1WWNYP/ep/NGM6149RYW
アナザーストーリーズ 運命の分岐点 選

視点1:日本語の歌詞に込めた願い【作詞家 松山猛
視点2:忘れられたイムジン河を祖国へ【元朝鮮学校音楽教師 カン・イルスン
視点3:歌姫が信じたイムジン河の力【韓国人歌手 キム・ヨンジャ

 映画パッチギ!を名作たらしめたのはイムジン河あってこそのことだと思うが、それを思い出させるエピソードも交えながら語っていた松山猛が、1968年にザ・フォーク・クルセダーズのレコード発売を差し止めさせた朝鮮総連の音楽部長リ・チョルウからの「当時問題にされた2番の歌詞に対する感謝の言葉」を半世紀以上経て、八十代になった彼自身の声で動画と共に見せられて涙する最後の場面がとても良かった。

 2002年にキム・ヨンジャの歌う♪イムジン河♪を北朝鮮で耳にして望郷の念に駆られると共に、どうしてこの唄が?との思いと何かが変わるかもしれないとの予感を得た気がすると語っていた蓮池透の話も印象深かった。

 北山修や坂崎幸之助の話は、これまでにも何かと聞くことがあったように思うが、この北朝鮮生まれの唄によって、日本での歌手活動に拠点を移した後、結婚離婚も経て韓国に戻り、浮き沈みを経験し今なお歌い続けているというキム・ヨンジャの話は初めて聴いた。彼女の話にもあったが、この唄のキーワードになっているのは、まさしく「分断」であることに疑いなく、元々原曲にはなかった松山猛による2番の歌詞の持つ意味を改めて感じる。

 分断は何も国同士の間だけで起こることではない。近年とみに諸相において仕掛けられてきているだけに、再放送意義のある番組だという気がする。思えば、♪イムジン河♪が発売日前日になって差し止められ、差し替えでプレスされた曲が悲しくてやりきれないだというのもなかなか意味深長で、伝説化される楽曲に相応しいエピソードだと思う。加藤和彦がわずか三時間ほどで書き上げた曲だったそうだ。

 その発売停止になった♪イムジン河♪は、当時の音源そのままで三十四年後の2002年に発売されたとのことだ。日韓ワールドカップの年で、北朝鮮による拉致事件の被害者5人が帰国した年だ。TBSのニュース23で新井英一がライヴで歌う♪清河への道♪を視聴して僕がCDを買ったのも、そのころだったように思う。
by ヤマ

'26. 7.19. NHK BS録画



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