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成文堂新刊
  新 税 法 理 論

          --優しい税法--  (4,000円+税)

       実務家のための理論書 (税務の法的意義)
       
 従来の行政法学・税法学は人の裁量を嫌い、したがって税務に携わる人々の作業を無視する傾向にありましたが、本書は人の裁量判断が税額決定の核心と位置付け、税務に携わる人の行為の重要性を説きます。したがって、この本は、税の実務家に広く読んでもらいたいと思っています。税の実務家に、自分の仕事の大切さを自覚し、誇りをもって仕事をして税の世界で正義を実現してほしいからです。
 
 新理論と称する理由は、従来の理論と異なり、国と納税者を対等な人と人の関係としていることです。人には法人を含み、国は会社と同様に法人です。

 以下、本書の重要な新見解を挙げると次のようなものです。

〇 税金債務は、金銭債務で民法上の金銭債務と法的性質は同じである。(従来、税金債務は納税義務または租税債務と よばれ、普通の金銭債務と性質が異なると解されていた。)税金の法律関係は法人である国と納税者の債権債務の関係 で、税法が特に定めていること(更正の請求等)を除き、基本的に民法が適用される。また、税法は意思主義の立場に立 ち、その点で民法より優しい。

〇 暦年の終了の時に所得税の納税義務が成立するが、そこで成立したのは税額未確定の税金債務である。(従来これは 抽象的納税義務とされていた。)納税申告は、納税者が税額を決定して申告するものであり、それにより税額が法的に確 定する。(従来は、申告により抽象的納税義務が具体的納税義務になると解されていた。)

〇 税法律関係は権力関係ではなく、国と納税者は債権者と債務者として対等な債権債務関係であり、納税者が債権者 になることもあること

〇 税務署長が更正・決定の権限を持つことは国が優越しているからではなく、納税者が独自に税額を決定できることに 対応するものであること

〇 課税処分取消訴訟について、裁判所が課税処分を取り消すのは課税処分に誤り(錯誤)があったからであり、違法であ るか否かは関係ない。(違法な処分は常に無効であるので、取り消す必要はない。)

〇 所得税法につき、雑所得に損益通算を認めるべきである。それにより不動産所得の区分が不要になる。また、退職所得 、一時所得の存続に疑問を呈する。

〇 法人税法につき、組合を人格のない社団から除くことの疑問、無償譲渡、無償役務提供の収益認識はキャピタルゲイン 認識するものであること、寄付金の損金不算入の必要性の疑問、交際費等の定義の不明確性を指摘、繰越欠損金の損金 算入は所得理論上不合理との指摘等を述べる。

〇 消費税につき、転嫁を前提とする間接税であること、しかし、税率は期間の課税売上に乗ずる期間税的性質を有する こと、インボイス方式は期間税的性質と不整合であること、価格表示は内税方式が望ましいこと等を述べる。


  カバーは理論の新しさを象徴する新月です。




 新税法理論 

      はしがき  


 本書の内容は、表題のとおり新しい税法理論である。新しい理論とする根拠は、従来の理論には見られない@税法は民法の特別法であること、A税額は法律により決まるのではなく人の意思により決まること、B税法は意思主義の立場に立ち民法より人に優しいこと、C課税処分取消訴訟は排他的でなく民事訴訟より権利救済に適していることを説き、税法が柔軟な優しい法であり、それ故に膨大な税務の作業に携わる人々の役割の重要性を明らかにしていることにある。
 本書の構成として、これらの新理論は、主として税法全体の理論を考察する第1編税法総論で展開し、第2編税法各論では現在の主要税目である、所得税、法人税、消費税について、第1編の理論を基礎としつつ、各税の問題点について新しい考え方を提示する。
 私が本書で論ずる新しい見解に至った理由は、自分の実務経験に照らし従来の税法理論に違和感を覚え、自分の納得できる理論を追求したことにあると考える。
 私は、関西学院大学大学院法学研究科を修了して昭和41年(1966年)に国税庁に入庁し、平成8年(1996年)福岡国税不服審判所長を最後に国税庁を退職した。公務員在任中、旧大蔵省国際金融局の係長として金の輸入自由化に係わったこと、理財局の課長補佐として国有財産の交換手続きの改正に携わったこと等の企画の仕事も印象深いが、公務員勤務の中心は、実施庁である国税庁の庁、局、署での直接税、間接税、徴収等の国税事務であった。その税の仕事の延長線として、退職した年に久留米大学法学部教授に就任し、学部、大学院で平成27年(2015年)まで19年間税法の講義を担当した。
 関西学院大学の学部、大学院では、オンブズマン制度を初めて日本に紹介した山本正太郎教授の指導の下で行政法を勉強したのであるが、公務員時代には毎日の事務に追われ、行政法や税法を学問的に勉強することはほとんどなかった。また、学者とは秀才がなるもので、自分とは無関係と思っていたのであるが、税務大学校の研究部長の時に、指導に見えていた井上一郎先生に出会い、先生の緻密な資料収集とシャウプ勧告に関する優れた業績を見て、研究とは疑問を解明しようとする熱意と作業であると感じた。そうであるなら、自分にも何らかの学問的仕事が出来るかもしれないと思うようになり、大学教員を志望したのである。
 久留米大学では、若干の準備をしていたとはいえ、国税庁在職中の不勉強がたたり、最初は講義の準備に精一杯で、先人の文献を勉強しながらなんとか毎回の講義をこなす状況であった。平成10年(1998年)には講義のノートを基に大学での教科書として「税法概論」(大蔵財務協会 現在14訂版)を出版したが、内容は制度の説明が中心となるものであった。それでも、学生時代に学んだ行政法の考えを踏まえ、理論的な説明に努めたつもりである。その後、税法の体系的理論を解明する研究を進めてきたが、その動機の一つとして、国税行政に少なからぬ影響を与えてきたと考える、反税的団体の唱える理論に対する反論の必要を強く感じたことがある。しかし、正しい理論を明らかにすることが反論となるので、いつしか動機のことは忘れ、税法とは何かを純粋に探求してきたのである。平成16年(2004年)には、それまでの研究の成果をまとめて「租税法律関係論―税法の構造―」(成文堂)を上梓し、それを学位論文として久留米大学博士(法学)の学位を取得した。その際、学位論文の審査委員をしていただいた京都大学名誉教授の故清永敬次先生の、今後の研究目標は何かとの問いに、税務訴訟を研究したいと申し上げた経緯がある。
 本書は、今までの研究を集大成するものであり、税務訴訟に関する研究の成果を含むものである。この税務訴訟に関する見解は、行政法学の取消訴訟に関する定説とは異なるものであり、私が久留米大学法学部へ教授就任の審査資料として提出した研究目的の、税法の研究を通じて行政法学発展に寄与するとの記述に応ずるものである。
 私には、税法についての直接の指導教授はいない。したがって、私の税法理論はアカデミックな正当的理論ではなく、禅でいえば野狐禅であるかもしれない。本書も学術書としては変則的な形態であり、学問的評価より読み易さを大切にしている。しかし、内容は、30年間の公務員勤務と、多くの先行研究や学生たちの新鮮な意見に刺激を受けた19年間の大学での研究を踏まえ、自分が最も納得できる理論である。
 研究者、弁護士、税理士およびその事務所職員、税務行政職員、経理担当者、納税義務者等々の多くの方に本書をご披見いただき、ご批判を賜りたいと願っている。内容に納得できないにしても、これが何らかの刺激になり、わが国の税法学、行政法学および実務の発展に寄与できるとすれば、これに勝る幸せはない。もしそれが少しでもかなうなら、故山本正太郎先生および何かとお世話になった山本ゼミの先輩である池田隼啓日本税理士会連合会前会長、宮谷俊胤福岡大学名誉教授・日本税法学会理事長代行に僅かながらご恩返しができる。
 最後に、このような本書を刊行する決断を下された阿部成一成文堂社長、本書の完成につき全面的にご助力いただいた編集部の田中伸治「刑事ジャーナル」編集長に、心から敬意と感謝の意を表する次第である。
                    
                                      平成29年(2017年))5月                               
                                         図 子 善 信
 



          目 次

  はしがき

第1編 税法総論

第1部 税法律関係

 はじめに

第1章 序論
1 税の意味
(1) 租・税の字義 (2) 従来の税の定義 (3) 新しい税の定義 (4) まとめ
2 課税権
(1) 課税権の定義 (2) 統治権と国 (3) 憲法と課税権 (4) 国民主権と課税権 (5) 課税権の行使
3 租税法律主義
(1) 租税法律主義の意義 (2) 租税法律主義の内容 (3) 委任立法 (4) 合法性の原則に係る諸問題 (5) 遡及立法の可否

第2章 税法律関係の構造
1 税法律関係の性質
(1) 権力関係説と債権債務関係説 (2) 公法上の債権債務関係 (3) 税債権債務と民法 (4) その他の税法律関係
2 税金債務
3 納税者
(1) 納税者の意義 (2) 「源泉徴収による国税」の誤解 (3) 納税者の範囲 (4) 従たる税金債務者
4 納税義務者
5 納税の義務

第3章 税額確定理論
1 税金債務の成立
(1) 成立原因の旧説 (2) 国税通則法の立脚説 (3) 抽象的納税義務論(通説) (4) 税額未確定税金債務論
(5) 成立と税額確定を分離する意味

2 税額の確定手続
(1) 申告納税方式 (2) 賦課課税方式 (3) 事後調査体制への経緯
3 税額確定の意義
(1) 税額確定手続の意義 (2) 抽象的納税義務論の確定論 (3) 確定手続不要の国税 (4) 課税標準の未決定
(5) 税額決定のプロセス

4 税額決定行為
(1) 納税申告 (2) 税額の決定と意思表示 (3) 申告と民法の適用関係 (4) 税務署長による決定
5 確定した税額の修正
(1) 修正申告 (2) 更正 (3) 更正に関する吸収説と併存説 (4) 更正の請求

第4章 付随的税金債務
1 附帯的税金債務
(1) 延滞税 (2)利子税 (3) 加算税 (4)過怠税
2 附従的税金債務
(1)第二次納税義務 (2)保証債務 (3)連帯納付義務

第5章 税金債務の消滅
1 納付
(1) 納付方法 (2) 納期限 (3) 期限の緩和
2 免税制度
3 滞納処分
(1)自力執行 (2)税金債権の優先 (3)執行の停止
4 消滅時効
(1) 国税通則法の特則(2) 時効中断事由 (3) 時効と除斥期間 (4)平成27年最高裁判決

第6章 還付税金債権
1 還付債権の成立
(1)還付金 (2)過誤納金
2 還付債権の成立時期
3 還付債権の消滅
(1)金銭還付および充当 (2)消滅時効
4 還付加算金


第2部 税法の適用

 はじめに

第1章 税法の執行者
1 納税義務者
2 税理士制度
3 行政機関
(1) 国税の行政組織 (2) 地方税の行政組織

第2章 税法上の調査
1 調査の必要
2 国税通則法24条の調査
3 任意の調査

第3章 質問検査権等
1 間接強制調査の意義と沿革
(1) 意義 (2) 間接強制調査の沿革
2 間接強制調査と憲法
3 質問検査権 
(1) 法規定 (2) 質問検査の相手方 (3) 質問検査の要件 (4) 質問検査の形態
4 調査の手続き
(1) 調査の事前通知 (2) 調査理由の開示の要否 (3) 身分証明書の携帯等 (4) 調査の終了手続
5 記帳義務
(1) 所得税法の記帳義務 (2) 法人税法の記帳義務 (3) 消費税法の記帳義務

第4章 租税回避
1 租税回避の意義
2 経済的観察法(実質課税の原則)
3 租税回避否認規定
(1) 個別的否認規定 (2) 包括的否認規定 (3) 権利濫用の法理
4 英米法の判例理論
(1) 判例による否認法理 (2) 平成17年最高裁判決
5 租税回避否認理論の評価
(1) 理論の整理 (2) 英米法の判例法理 (3) 法的実質主義の評価
6 結論と一般的否認規程
(1) 租税回避の問題点 (2) 現行税法の解釈 (3) 一般的否認規定の必要性 (4) 不当の判断


第3部 税金争訟論


 はじめに

第1章 税金債務の争訟通論
1 主張の必要性
2 行政不服審査制度
3 行政争訟手続の前提
(1) 税務行政庁への信頼 (2) 主張の二方法 (3) 従来の行政争訟の見解

第2章 税金債務の不服審査
1 国税不服審判所
2 審査請求と再調査の請求
3 不服申立期間
4 審理
(1) 再調査の請求の審理 (2) 審査請求の審理
5 決定および裁決

第3章 課税処分取消訴訟
1 行政事件訴訟
(1) 行政事件訴訟の意義 (2) 抗告訴訟と処分の違法性
2 課税処分取消訴訟の訴訟物
(1)総額主義と争点主義 (2)両説の検討 (3)結論

第4章 取消訴訟の本質
1 裁判所の権限
2 裁判所の処分取消権
3 処分の取消原因
(1) 行政行為の瑕疵 (2) 民法の錯誤論 (3) 課税処分における錯誤
4 行政処分の無効
5 行政行為の公定力
(1) 公定力の意義 (2) 公定力概念に基づく理論 (3) 瑕疵ある行政行為の意義

第5章 その他の救済訴訟
1 無効確認訴訟
2 当事者訴訟
(1) 債務不存在確認訴訟 (2) 不当利得返還訴訟
3 国家賠償請求訴訟
(1) 課税処分と国家賠償請求の可否 (2) 国家賠償請求の要件 (3) 損害の範囲 (4) 立証責任
 


第4部 税と刑罰

 はじめに

第1章 税法における刑罰規定
1 税法と刑法
2 税法上の犯罪の性質
3 税法上の犯罪の種類
(1) 脱税犯 (2) 租税危害犯

第2章 犯則調査
1 国税犯則取締法
2 犯則調査の性質
3 犯則調査の内容
(1) 任意調査 (2) 強制調査
4 通告処分
5 告発の法的性質
6 捜査機関との関係
7 国税犯則取締法の廃止
(1)国税通則法の改正 (2)地方税法の改正


第2編 税法各論


第1部 所得税法の問題

 はじめに

第1章 所得概念
1 二つの所得概念
2 制限的所得概念
3 包括的所得概念
4 純資産増加説と帰属所得
5 純資産増加説とキャピタルゲイン

第2章 納税義務者と所得の帰属
1 納税義務者
(1)所得の帰属主体 (2)実質所得者課税の原則
2 課税単位
(1)個人単位課税制度 (2)二分二乗方式
3 組合と所得
(1)パススルー計算 (2)組合利益の計算方法 (3)組合と人格のない社団

第3章 所得税法の所得
1 包括的所得概念への転換
2 所得税法の課税標準
(1)所得の区分 (2)課税標準 (3)損益通算
3 包括的所得概念と雑所得(一般所得)
(1)雑所得の意義 (2)所得計算の一般方式 (3)所得の計算方式と所得の算式

第4章 総収入金額と必要経費
1 総収入金額
(1)総収入金額の意味 (2)収入の認識時点 (3)経済的利益
2 権利確定主義と管理支配基準
(1) 権利確定主義の意味 (2) 管理支配基準 (3) 所得の認識
3 必要経費
(1)必要経費の意味 (2)必要経費と純資産増加説 (3)費用の意味 (4)所得を生ずべき業務の意味 (5)債務確定主義

第5章 非課税所得と根拠
1 所得の性質に配意した非課税
(1)生活用資産の譲渡による所得 (2)学資および扶養 (3)相続・遺贈・贈与 (4)損害保険金等 (5)選挙活動費
2 所得の範囲を明確にするもの
3 政策的非課税

第6章 各種所得の問題
1 雑所得
(1)公的年金等 (2)雑所得と損益通算
2 利子所得
3 配当所得
4 不動産所得
(1) 不動産所得の範囲 (2)所得計算 (3)不動産所得の区分の理由
5 事業所得
(1)事業所得の範囲 (2)業務と事業 (3)所得計算
6 給与所得
(1) 給与所得の範囲 (2)所得計算
7 退職所得
(1) 退職所得の範囲 (2) 所得計算 (3)分離課税
8 山林所得
(1)山林所得の範囲 (2)所得計算 (3)事業と業務 (4)分離課税と五分五乗
9 譲渡所得
(1) 譲渡所得の範囲 (2)所得計算と総収入金額 (3)所得計算と取得費および譲渡費用 (4)課税方式
10 一時所得
(1) 一時所得の範囲 (2) 所得計算 (3)課税方式

第7章 所得控除
1 課税総所得金額等
2 所得控除の沿革
(1)明治20年所得税法 (2)大正9年所得税法 (3)昭和15年所得税法 (4)昭和22年所得税法 (5)昭和40年現行所得税法 
(6)まとめ
3 所得控除の意義
4 所得控除の分類
(1)生活費関係の控除 (2)消費を修正する控除 (3)政策的控除
5 所得税額と税額控除

第8章 源泉徴収制度の法律関係
1 源泉徴収制度の概要
(1)所得税法の規定 (2)国税通則法の規定
2 源泉徴収制度に関する理論
3 源泉徴収による所得税の本質


第2部 法人税法の問題

はじめに

第1章 法人所得と納税義務者
1 法人の所得
(1) 法人実在説 (2) 法人擬制説
2 法人税の納税義務者
(1)法人 (2)人格のない社団等
3 限定的納税義務 
(1) 公益法人等の納税義務 (2) 限定的納税義務の根拠 (3) 収益事業の判断基準

第2章 法人所得算定の原則
1 確定決算主義 
2 法人税法の所得計算の基本
3 公正妥当な会計処理の基準

第3章 資本等取引
1 法人税法の所得と純資産増加説
2 資本金等の額
(1) 会社設立または増資 (2) 合併 (3) 減資 (4) 資本の払戻し (5) 自己株式
3 利益または剰余金の分配
4 残余財産の分配または引渡
5 利益積立金額
(1) 企業会計との関係 (2) 利益積立金の内容 (3) 利益積立金の性質
6 DESと債務消滅益の存否
(1) 事実の概要 (2) 判決の要旨 (3) 検討

第4章 益金の額
1 キャピタルゲインと益金の額(無償譲渡等による収益)
2 借地権課税の論理
(1) 借地権の対価の認定課税 (2) 権利金慣行と借地権慣行
3 益金不算入
(1) 受取配当等 (2) 資産の評価益 (3) 特定の受贈益 (4) 法人税等の還付金

第5章 損金の額
1 原価・費用・損失
2 所得理論による損金不算入
(1) 資産の評価損 (2) 役員給与 (3) 寄付金 (4) 法人税額等
3 政策的損金不算入
(1) 第二次納税義務の納付税額 (2) 不正行為等に係る費用等 (3) 交際費等 (4) 政策的損金不算入と所得理論
4 繰越欠損金の損金算入
(1) 制度の趣旨 (2) 企業会計における当期純損失の経理 (3) 所得理論と繰越欠損金

第6章 グループ法人税制
1 企業のグループ化と税制
2 組織再編税制
(1) 一般組織再編 (2) 適格組織再編 (3) 包括的否認規定
3 連結納税制度
(1) 連結納税制度の趣旨 (2) 欠損金の通算 (3) 連結納税制度の開始 (4) 包括的否認規定
4 完全支配関係取引の特例
(1) 完全支配関係 (2) キャピタルゲインの特例 (3) 完全支配関係のその他の特例
5 グループ法人税制の意義

 
第3部 消費税法の問題

はじめに

第1章 消費税の課税の根拠
1 消費税の合理性
(1)水平的公平 (2)消費と担税力 (3)所得に対する逆進性
2 消費税と転嫁
(1)間接税としての消費税 (2)消費税と価格表示 (3)転嫁と仕入税額控除
3 消費税の会計処理

第2章 消費税の課税対象
1 課税物件
(1)規定の意義 (2)資産の譲渡等 (3)特定仕入 (4)外国貨物
2 課税資産の譲渡等と非課税取引
(1)非消費 (2)行政の非課税 (3)政策的非課税 (4)給与と非課税取引の本質
3 課税取引と免税
(1) 課税資産の譲渡等 (2) 免税取引

第3章 納税義務者
1 事業者
2 免税事業者
(1)免税の意義 (2)その他の義務免除 (3)課税事業者の選択 (4)免税事業者の転嫁
3 課税貨物の引取者

第4章 消費税法における事業
1 事業の範囲
2 非事業の意義
3 事業と給与

第5章 課税標準と税率
1 課税標準
(1)課税資産の譲渡等 (2)特定課税仕入れ (3)課税貨物
2 税率と消費税額

第6章 前段階税額控除
1インボイス方式と帳簿保存方式
2 仕入税額控除
(1)課税仕入れに係る消費税額 (2)特定課税仕入れに係る消費税額
3 非課税売上と仕入税額控除
4 簡易課税制度
5 免税事業者と仕入税額控除
6 帳簿保存方式
7 仕入税額控除の法的性格

第7章 軽減税率の導入
1 軽減税率
2 適格請求書等保存制度(インボイス方式)
3 平成31年導入の軽減税率
(1) 軽減税率の根拠 (2)消費税額の計算 (3)仕入税額控除 (4)帳簿および請求書等
4 複数税率とインボイス方式
(1)インボイス方式のメリット (2)わが国におけるインボイス方式の意義 (3)インボイス方式と免税事業者