型枠にスリットフォームを使用した集合住宅施工の記録
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コンパネフォームに類似するスリットフォームを使用した型枠工事(≒40,000u)の事例
◇ 構造:SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)ラーメン構造集合住宅(スキップフロアー)
◇工事概要
11階建 店舗10戸 住戸150戸 476.297万円/150戸≒312万円/1戸当、
※ 概略1戸当16坪 ※坪当り20万円
揚裏を除く外部:モルタル塗り一部タイル張り。
内部仕上げ:壁プラスター塗、天井ひるいし吹付け。
設備:流し台、吊戸棚、バスルーム等含む。(配管配線は別途工事)
供用部:エレベーター、焼却炉、バックヤード、メールボックス等含む。
◇その集合住宅の型枠施工概要
・スリットフォームの形態は、
コンパネフォームのせき板部分をスリット状の鋼板にした物。
(転用性に勝れるが、コンクリート打放に適さず、昭和50年頃、廃品となる)
・スリットフォームの形態:メタルフォームのせき板部分にスリット鋼板を使用。
・せき板がリット又は鋼板のため、釘打ができず、木レンガ、設備用スリーブ、インサート、排水用ドレン、イン サート、手すりアンカー金物の取付に苦心した。
・壁面及び階段の段部共:スリットフォームを使用。
・揚裏:メタルフォーム。
・支保工:ウイニングサポート。(商品名は、パーマネントサポート)
・1フロアー(基準階):15日工程。(15日目のコンクリート打設)
・エレベータホール含め、16スパン(。住戸数:15、)
・型枠組立解体作業員:12人で各自受取作業。
・型枠組立解体受取手間 @750円/1u。
・スリットフォーム、メタルフォームの版割付図作業員
1人(段取り作業兼務)
・型枠は、版割付図に基づき配列し、クリップで連設。(いたセパ使用)
・支保工は、ウイニングサポートを使用。
(長所)
・作業員は、多能工(未経験者)で良い。主な道具は、バールとシノ(十手に似た形状)、ハ ンマー程度。但し、開口部等の位置記入は職人による。
・型枠の転用性は、抜群。
・品質管理が容易。(スリットフォームの接続リブのクリップ孔に、クリップ金具を挿入すること で、水平垂直が自動的に決まる)
(短所)
・型枠が重い。釘打ちが困難。メタルフォーム部分のインサート、木レンガなどの取付には、ガ
ムテープを使用したため外れ防止養生に苦心した。
・夏場、スラブ上の作業は鉄板が熱いため作業が大変だった。
・当時は、パソコンがないためスリットフォーム型枠の版割付図作業が大変だった。
・せき板に歪が発生する。
(打放し型枠に改良するための課題)
・コンクリート面から突出する板セパの不要部分の除去方法について、コンクリート締結金具
の改良に取組む。
・せき板(スリット状の鋼板)をコンパネ(厚み12ミリ程度のラワン合板・合成樹脂板)にする。
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