車のない生活
三か月ばかり前に車の運転を終了した。正確にいうと視力の低下のために免許の更新ができなかった。そしてやっと車のない生活に慣れてきた。
車のある生活に慣れた身には、車のない生活は不便なものであるが、肩の荷が下りたような安心感もあった。これでもう交通事故を起こす心配がなくなったという安心感であり、戦いすんで日が暮れてという感じがしなくもない。また車関係の出費や雑用もきれいになくなった。
とはいえ数十年ぶりに乗った自転車の運転も、かなり危険に満ちたものである。日本の道路は自転車用にはなっていない。しかも狙い撃ちにするように、自転車に対する取り締まりが強化された。
車がなくなっていちばん不便になったのが買い物、自転車だと雨が降ると外出できないので、買い物はお天気次第となり、しかも大きなものを持ち帰ることができない。また自転車で移動できる距離はしれたものなので、行動範囲は町の中心部に限られてしまった。
当然、タクシーの利用が増えてくるのだが、これにもかなり面倒な面がある。そのつど電話で呼ばなければならず、最近は車の数が少なくなったとかで断られることもある。もちろん費用も安くはない。
車中泊の旅ができなくなったこともさびしい。気に入ったところに車を止めて、海や山を眺めながら、運転で疲れた体をそのまま車に横たえて眠る、という至福の時間が持てなくなり、また見たいものができたらすぐに車で駆けつける、ということもできなくなった。
ということで、これからは鉄道とバスが移動手段になるが、ここで思いがけず大きな問題が発生した。長年、電車やバスを利用したことがなかったので、切符の買い方が分からないのである。これは冗談ではなく、小浜駅の切符販売機は難しいと聞いて見に行ったら、画面が一つあるだけの、手も足も出ないという感じの販売機だったのである。
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