草取り健康法
環境汚染の心配があるということで、できるだけ除草剤を使わないようにしている。手で草を抜くのは手間のかかる仕事だが良い点もある。除草剤の費用を節約できるし、準備に手間がかからないので短い空き時間を利用できる。またやっただけは目に見えてきれいになるのでやり甲斐もある。そのためつい面白くなり時間つぶしのつもりが腰が痛くなるまで頑張ってしまったりする。
たかが草取りではあるが、これが意外な力仕事である。草は抜かれてたまるかと地面にしがみついており、渾身の力を指先にこめないと抜けないしぶとい草もある。草取りほど指先の力を使う仕事はほかにはないと思う。
指先を使うのは、健康にいいとか老化の防止になると言われているが、確かにその通りだと思う。私は血圧が低いので午前中は元気が出ない。ところがそういう時でも、草取りをしていると不思議と体調が良くなり頭もすっきりとしてくる。庭の無い人は家のまわりや公園などで実行すれば、みんなから感謝されるのはまちがいなく、これも草取りの功徳である。ただし暑い時期の草取りは、汗は流れる、蚊には食われる、腰は痛くなる、という見かけよりも大変な仕事になるので、無理は禁物である。
草取りのための道具は、草の種類や成長の程度によって様々なものが考案されており、売り場を見ているだけでも面白い。使い勝手は一長一短で、すべての草に通用する決定的な道具はない。それらをいろいろ試してみた結果、私が発見した最強の武器は「指サック」であった。
手袋をはめて草取りをするのは、大きな草を抜くときは具合がいいが、小さな草はつまめず、つまめても力の加減が分からず、ちぎれて根が残りやすい。根が残ると草はまたすぐに生えてくる。その点、指サックだと小さな草でもつまめるし、力加減もよく分かる。また素手よりも滑りにくく、指先が汚れることもなく、値段も安い。指サックは右手の親指、人差し指、中指、薬指にはめるが、薬指は汚れを防ぐためなのでなくてもよい。指サックが小さいと血の巡りが悪くなるし、大きいとすっぽ抜けるので、指に合ったものを選ぶ。
それと大きな草を抜くこともあるので左手にはゴム引きの手袋。狭いすき間に生えている草を取るための草取り器が1本。手ぼうきが一本。草を入れるバケツが一つ。これらが七つ道具である。
抜いたとき土をふるい落としたくなるが、私はそのままバケツに入れてしまう。土をふるい落とすると、飛び散った土が目や服の中に入るし、時間もかかる。無数に生えている草を抜くのだから、一本にかかる時間をできるだけ減らす必要がある。そして穴ができたら埋めもどし、抜いた草は堆肥にしている。なお地面に転がっている石ころや木の根などを徹底的に取り除いてしまうと、掃除や草取りが格段に楽になるし、見た目もきれいになる。一度ですむことなのでお勧めしたい。
白隠禅師曰わく。「草を取るなら、根をよく取りやれ。またと意根をはやしゃるな」草取歌
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