四摂事の話

四摂事(ししょうじ)とは四つの慈悲行のこと。四摂法(ししょうぼう)ともいう。四摂事の摂の字には、「保持する。引き寄せる。収める。調える。助ける。養う」など多くの意味があり、どの意味で使われているのか分かりにくいのだが、原語の直訳は「四つの把握法」だというから、「人々を助けみちびくための四つの慈悲行」が四摂事と考えていいと思う。

一、布施(ふせ)摂事。法をほどこす法施、物やお金をほどこす財施、安心をほどこす無畏施、などで衆生をみちびくこと。惜しみなくほどこすこと。

二、愛語(あいご)摂事。思いやりのある親愛の言葉で人々をみちびくこと。その言葉が愛語。

三、利行(りぎょう)摂事。他を先にし己を後にする利他行で衆生をみちびくこと。奉仕の心で人に接すること。

四、同事(どうじ)摂事。相手の立場に同化してみちびくこと。協力する心を忘れぬこと。

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