薬 膳 料 理   



 10年前、職場の健康診断で、コレステロールが平均値より高いと
注意を受けてから、食事と運動に気をつけるようにしている。
 食事は、肉よりも魚を食べるようにし、油料理を減らし、腹八分目を
心がけている。大好きなスイーツも二回に一回は我慢している。
 運動は、ウォーキングを日課にして、地元の「歩く会」に入会した。
 いろいろ心がけているのだけれど、LDL(悪玉コレステロール)値は
改善されない。かえって高めになっているが、医師からは、もう少し
様子を見ましょうということで、薬は処方されていない。 
 子どものころ嫌いな食べ物を残すと、「薬だと思って食べなさい」と
両親に言われた。母はちょっとした風邪なら、ネギ、ショウガ、ニンニク

などが効くと、食べやすいように調理してくれた。
 明治生まれの母は、虫に刺されたりすると、とくべつ薬草の知識が
あったわけでもないのに、草の葉をちぎって貼ってくれた。
 今考えると、薬が簡単に手に入らなかった当時、身近な草や実など
から治療する民間療法が常識だった。
  
 私も高齢者の仲間入りをして、薬膳料理に関心をもつようになった。
管理栄養士の姉が国際薬膳師として、年齢のわりには元気で働いて
いる姿を見ているからかもしれない。
 
 薬膳料理を学ぶチャンスは、意外に早くやってきた。
 食材の調達などを手伝うという約束で、姉が地元の公民館で教えて
くれることになったのである。月1回で6か月間。
受講者は30名ほどである。
 姉は、実習前の1時間を、中国の先人たちの知恵から伝えられてい
る食物の優れた薬効を語った。
 「医食同源」、「薬食同源」は中国の伝統医学の思想とのこと。
 納得させられる点が多かった。 
 以下は実習したメニューである。

★体調をととのえる薬膳   ★老化防止の薬膳  ★春の薬膳
★秋の薬膳    ★風邪予防の薬膳   ★冬の薬膳
上の写真は、「春の薬膳」である。
<主食>ウコンと松の実ご飯。   <主菜>アサリとかき油いため。
<副菜>セロリと春菊のレバーあえ。
<吸い物>菊花と紫蘇と湯葉の吸い物。
<デザート>小松菜の蒸しケーキ 伊予柑ソース添え
<薬茶>はっか茶、そうか茶
 下の写真は、「老化防止の薬膳」である。
<主食>黒豆ご飯。  <主菜>白菜鍋。 <副菜>菜の花ときくら
げのごま味噌あえ。  <副副菜>長いもの甘酢づけ。 
<デザート>おからときな粉の蒸しパン。
<薬茶>とちゅう紅茶、プーアール茶。
 
 受講者は主婦歴の長い人たちばかりで、終始和やかだったのが、
主催者としてはいちばん良かった。
 短い間だったが、健康になったような気持ちになっている。