小春日  ――十句――  
        山内 美恵子 

小春日のふっくらとちちははの恩  

小春日は平和のぬくもり園児の輪

散策は一人がよろし木の実晴れ  

紅白の自然の匠(たくみ)水引草

お地蔵の赤き腹掛け秋ひそと  

男所帯に大根つるされ陽のゆたか  

一語一語写経のごとく夜長の稿  

秋燈火余生は本と花あらば  

子のメール月夜にかざし再度読む  

訛ぽろぽろ同郷の集い百舌(もず)日和