-零〜紅い蝶〜-

(わりと真面目な)感想

まず冒頭のオープニングシーンを見て木々や陽射しや、水の流れる映像などが綺麗でとても印象的です。
明るく綺麗なぶん、やがて霊が現れるときの不安や心細さを予感させられました。
前作の序章でもそうだったんですが、こういう映像の演出は、怖いかどうかは別として物語を盛り上げていく上でいい役割を担っているなと思います。
今回は氷室邸から皆神村へと舞台は屋外に移っています。
建物の中だと逃げられない閉塞感に襲われましたが、今回は屋外に出れるので少し安心感があります。(外も怖いけどさw)
前作で、ある程度霊に対して免疫(?)を持ったせいか、怖いんだけどまだ余裕をもって進んでいけます。
その分、ストーリーはちゃんと理解しながらいけました。(『零〜zero〜』では余裕がなくとりあえず目の前のことだけを追っていった感じでした(笑))

射影機の機能の充実、広い皆神村の探索や謎解きとゲームとしては前回よりも面白くなっています。
その分、ゲームと認識してしまうので『怖さ』の点では多少薄まった気もします。
とはいえ紅い蝶の皆神村にまつわるストーリーは怖くて、綺麗で、哀しいものです。
僕が『零』の好きな点は、単純なサプライズな怖さではなく感覚や記憶に訴えかけてくるような間接的な恐怖が惹きつけるんだと思います。

最初の一周目は夜中に暗い部屋でヘッドフォン付けてプレイしてました(笑)
ホラーはあまり得意ではないんですが、できるだけの雰囲気作りをしてやりたいのですよ(^^;
いろいろネタを探しながらやるのは2周目以降でww


ストーリー


幼いころ澪と繭の二人がよく遊んだ秘密の場所。
山奥の村の近くにあるその場所はまもなくダムに沈んでしまう。
最後の記念にとその森へ向かった澪と繭だったが、真っ赤な蝶に誘われるかのように繭が森の奥へと入ってしまう。
繭を追いかける澪、やがて日も沈み木々の間から人気の途絶えた村が姿を現す。
その村は時間から取り残されたかのように朽ち果てていたが、澪と繭は何か哀しくも不気味な気配を感じる。
そして繭は以前に母親から聞いた話を思い出した。
「地図から消えた村・・・」
不安な気持ちを振り払うかのように二人はしっかり手を握り合い村の中へと足を踏み入れていく・・・。



キャラクター

天倉 澪
(あまくら みお)
本作品の主人公。双子の妹。 普段は明るく活発な少女らしい。
しかし本編中では明るい姿は見られない(不気味な廃村に迷い込んだのだから当然といえば当然^^;)
いつも繭と一緒にいるせいか前作の主人公、深紅よりも感情表現は豊か。
姉想いで、一人で村を彷徨う繭を探すために、除霊のカメラ『射影機』を手に奔走します。
前作の深紅に比べて霊に対する恐怖が大きいような気がします。怖がりなのかな・・・? とも思いましたがよく考えたらそれが普通ですよね?(^^;
天倉 繭
(あまくら まゆ)
双子の姉。控えめで大人しい。
幼いころに片足を怪我していて現在も痛むらしい。でもときどき澪をも凌ぐスピードで失踪する(笑)
霊感が強く、霊に誘われる、狙われる、取り憑かれる(涙)
目的は村からの脱出のはずがこのお姉ちゃんのせいで、村の奥深くまで探検する羽目に・・・
一緒に居たら居たで『澪、・・・誰かが呼んでる・・・』等の台詞をつぶやいてくれます。怖いよ、お姉ちゃん(><
立花 樹月
(たちばな いつき)
村の倉に捕らわれている白髪の少年。
繭を捜す澪と出会い、いろいろな助言を与えてくれます。
村で出会う中で唯一まともに話ができる人なので、精神的にまいってきたら癒してもらいましょう(笑
澪を八重と間違えたままどんどん話を進めてくれます。あまりこっちの話は聞いてくれません、きっと・・・。
後に彼の身の上を知るわけですが、いろいろ苦労しているみたいで同情いたします(;;
真壁 清次郎
(まかべ せいじろう)
皆神村を訪れた民俗学者。
全国を旅して『黄泉の門』について研究しているらしいです。
教え子の宗方のつてで皆神村に来たまではよかったが、紅贄祭のタイミングで訪れたのは彼にとっては不幸。
せっかく樹月が機転を利かせて逃げ出す準備を整えてくれるものの、探究心を抑えきれず楔にされる運命に・・・。
まぁ、研究者としては立派な最期だったと思います;
本作品No1の痛々しい姿を見せてくれました。
黒澤 紗重
(くろさわ さえ)
最後の双子巫女の妹。
姉の八重とともに村から逃げ出すが、途中ではぐれてしまい村人に捕まり、不完全な儀式を行ったがために大償いが起き、紗重は悪霊に・・・。
白の着物に血糊がべと〜っ、って姿はかなり怖いです(^^;
澪に姉八重の姿を見ているのか、笑いながら執拗に追ってきます。七ノ刻とか泣きそうです;;
最後には彼女の心の内が明らかになるんですが、紗重も哀しい運命の持ち主です。(この村、みんな不幸だよ><
誰が正しいってわけじゃないんですよねー。しいていえば、黄泉の門というものがあったばかりに・・・
黒澤 八重
(くろさわ やえ)
最後の双子巫女の姉。
儀式を行いたくないために、村を逃げ出すが妹の紗重とは途中ではぐれてしまう。
大償いで村は滅び、紗重とも永遠に離れ離れになり、記憶も失くしてしまう・・・。
紗重も不幸ですが八重も負けずに不幸です(涙
せめてその後、幸せに暮らして・・・となれば救われるのですがねぇ;
須堂 美也子
(すどう みやこ)
本作、最初に登場する悪霊。
村で行方不明になった恋人を追ってきた若い女性でしたが、結局村から逃げ出せず亡くなります。
生前はやさしそうな顔立ちですが、悪霊になったら変わりすぎだろうというくらい凶悪な目つきに(T_T)
個人的にはそっちが好みだったりして・・・、ウソウソ。言ってみただけ、冗談ですよ。
眼力強いです。初悪霊としては緒方さんより↑そうだ。
槙村 真澄
(まきむら ますみ)
澪達より以前に村に迷い込んだ男性。
村から脱出するためにいろいろ探索をしていた模様。
が、黒澤邸で凄惨な最期を迎える。しかも、死んだ後も彼にとっては最悪の行いを・・・。
それはこの村で起こる悲劇を暗示しているかのように・・・。
真壁先生と同じような痛い死に方してます;
宗方 良蔵
(むなかた りょうぞう)
真壁清次郎の助手。
真壁先生に付き添って村を訪れる。樹月の親友で村からの脱出の方法を伝えられる。
この頃は良識があり、樹月の言葉に従い黒澤八重と共に村から脱出する。
がその後、師の研究を引き継ぎ、黄泉の門の研究のため氷室邸に住み着くという暴挙に出ます(笑)
村の最後を見ていればそういったこともなかったんでしょうが・・・。
立花 千歳
(たちばな ちとせ)
人気ナンバーワン幽霊(笑)
立花樹月、睦月の妹で手首に巻いた鈴がチャームポイント。
人見知りで怖がり屋の悪霊(どんなだ・・・^^;)
何かあると押入れに逃げ込むらしく、大償いも押入れの中で迎える。。
同じ押入れ組には緒方さんがいるが人気はえらい差だ・・・。(いや、緒方さんも好きですよw