商売はんじょう

1.はじめに

 僕はある企業でサラリーマンしてますが、いままでいろいろな部署を経験させてもらっ
ています。商品の開発・管理・営業の推進・営業までをひと通り経験してきてますし、
また、場所についても、関東・関西〜西日本など、地方で生活・仕事をしてきていま
す。そんな中で日本は結構広く、津々浦々で、身近なところで、商売をやっている店
がたくさんがあることに気がつきます。例えば、休みの1日の自分を考えてみるだけで、
「理髪にいく」「出前を取る」「スーパーに買い物にいく」「クリーニングを出す」・・・全て
商売しているところとのつながりです。世界をフラットに考えたら日本はやはり1億2000
万人の一大市場との思いも実感できなくはありません。
 一方、今は不景気といわれていますね。上場している大企業だけでなく、こういった
地域に密着した店(会社)にとってはさらに、非常に厳しい時代がきていると言われてま
す。何か手を打つ方法はないのか?どんな対応をすべきなのか?という思いが当然お
こりますが、大企業を中心としたビジネスの業界では、社内プロジェクトチームなどを立
ち上げ対応するとともに、1企画数千万円から数億円にいたる手数料を払い、コンサ
ルティング会社にマーケット・企業分析を通じた、さまざまな企業戦略や戦術、組織対
応方法などを提案させているところも多々あります。
 一方、日本で小さな商売をやっている会社(店)は厳しいこの時代に何か対応をし
ているでしょうか?たとえば、コンサルティングなどを入れたことなどはないでしょう、また、
なにかやってみよう(対応策をこうじてみよう)といろいろ検討し・具体的にトライしたこ
ともない、もしくはやっていても何か足りない、不完全燃焼な思いと結果となっているの
ではないでしょうか。
 大企業のコンサルティング導入は、経営や企画を進める上でその道の権威と言わ
れる第3者に指針を仰ぐ?ことで、結果「失敗」となった場合の担当セクションの言
い訳に使われる場合も多く、コンサルティング会社を入れたらといって必ず良くなる訳で
もありませんが、ひとつ言えるのは、「客観的に外部の目から自分の企業を見る」こと
により、会社の強み・弱みとマーケット(お客様)の動きを把握できるという意義はある
ようです。そして、この考え方は、会社や店の大小にかかわらずどんな商売にも言えるこ
とだと思います。
 巷で出会う様々な商品とサービスの中では、はたから見ていて「いいとこあって、も
っと売れるのになあ」と思えるものがまだまだたくさんあります。なのに現実は「はんじょう」
からほど遠い状態になっているところも多いように思えてます。
 そこで、僕なりのセンスと経験からではありますが、商売、特に商品とマーケットお
よび販売について個人的に思う「商売がはんじょう」の方法をつらつらと書いていきたい
と思います。そして、これがあなたの会社(店)にとっての客観的な把握と新たな一歩
(刺激)になれば幸いと思います。

TOP
2.売るということ

 良い製品(商品)をつくった。さて、だけどなかなか売れない。何故だ?なんてことが結構
多いですよね。営業社員を増やしたり、広告をうったり、取引相手を広げるために展示へ
出展したりと様々な努力をして、製品の売上UPを図りますが、それでも思ったように売れ
ない。さて、どうしたものか?
 一方、売れている会社も周りを見渡せば確実にありますよね。大声では言えませんが、
それほど良い商品とはいえないものでも売れているということもあるのではないでしょうか。
自分の会社の商品のほうが断然良いに違いないのに違う会社のほうが売れている。なぜ
なんでしょうか?また、我々の商品は売れるようになるのでしょうか?答えはYESだと僕は
思います。
 解決の糸口は「売るということの意味」を深く考えることにあります。
 売上ということを、会社を勢いよく伸ばす、また、存続させるための収益を確保する単な
る金額として、「利益が出る水準までの絶対量」、「前年比○%UP」といった数値で善
し悪しをみてしまう要素としてしまうと、間違いを起こすと思います。企業であれば、会社
規模の維持・拡大や利潤を出すことが目的のひとつですから、それらの指標が悪くなって
しまうのむろん良いことではありませんが、もっと「売ること」の本質を心にとめておくことが肝
要なんだと思うのです。
 例えばこういう例がありました。僕が営業で1年目の時に、販売店の店主がこう言ったの
をよく覚えています。「販売するということは彼女と付き合うのと同じなんだ。商品とお金を交
換するのではなく、顧客とどういった関係をつくるかなんだよね。」・・・なるほど、異性とつき合
う場合は、ご飯のワリカンや、プレゼントの金額の損得などというものよりも、相手に好かれ
る、また、喜んでもらえることをまず第一に考えて、あの手この手で工夫を絶やさないですよ
ね。その結果、うまくつき合っていく。
 我々の会社の商品は顧客とどういった関係をつくる商品でしょうか?また、今どういった
関係ができていますか?相手から好かれるものですか。喜んでくれますか。売り上げを上
げる前に、それを少し考えることが大切です。

3.相手は誰?

 我々の商品を買う(だろう)人・企業は誰で、その商品をどうやって使い、管理してい
くのでしょうか?ここはより客観的かつ具体的に調査し整理しておく必要があります。特
に、新たに開発・販売する商品の場合は検討項目として不可欠ですが、従来から長く
販売している商品でも重要なことです。「付き合う相手の気持ちは変わりやすい」ので、
いつも気にかけておく必要があるのです。
 例えば、固形石鹸なんかは、一昔前には家族そろって洗面・風呂場で一律利用し
ていたものが、今では中年レベル以上の男性しか使っていない状況ですね。僕自身も
コストから考えれば「牛乳石鹸」でいいと思うんですが(僕は企業からすれば心変わりし
ない相手です(笑))、今はポンプ式のボディーソープ(液体)が主流となっています。理
由は、固形対液体石鹸のコスト差と、衛生的な安心感の確保と手軽さ、の比較で、
後者が勝ったという結果だと思われます。つまり、「ちょっと高いけど手軽で衛生的な液
体石鹸がいい」との声が多いということが考えられます。
 こういったマーケットでもし従来の固形石鹸を売らざるを得ないという場合どうします?
「もう結果は見えている。このマーケットからは引き上げるべきだ」とすぐに考えますか?僕
もこのマーケットのことは全くといっていいほど分かりませんが、判断を下す前に、少なくと
も以下のこと、つまり、お客さま(マーケット)がどういった特徴を備えているかは検討して
いくと思います。

 ・・・ 家族全体では従来の固形石鹸を使うことはなさそうだ。
 ・・・ じゃあ、全員が固形石鹸を全く使わず、液体石鹸に満足しているのか?

 @ 父親:風呂場で頭・体を洗い、ヒゲもそり、歯も磨く。かつ短時間。
 ・・・ 固形石鹸が髭剃りフォームと兼用できればどうか?

 A 母親:お風呂場だけでなく家事全般で洗浄に携わっている。価格の高低も気に
    なる。 
 ・・・ 体だけでなく野菜なども洗える超体にやさしい石鹸があればどうか?
 ・・・ 安さで勝負。

 B 娘:手軽で衛生的なものを望む。おしゃれには気をつける。長時間。
 ・・・ パーソナルソープ、化粧品としてブランドと組んでみてはどうか(シャネルなど)?
 ・・・ リラクゼーション効果の高いものにするとどうか?マイナスイオンが出るとか。

 C 息子:あまり気にしそうにない。
 ・・・ さすがに自己主張はしそうにないし、何でもいいのでは・・・。

 D 幼児:お風呂の中でも遊び好き。石鹸には無関心だし、手を洗わない。
 ・・・ 金太郎飴のようにキャラクターが消えない石鹸をつくってはどうか?

 こうやって相手を具体的に想定していくと、後はアイデアやセンスも必要ですが、何らか
の対応策の方向性も見えなくはないのです。これをよく「ニーズ」の把握といいますが、
要は、相手の気持ちになって、我々の商品(含む新商品)をどう受け止めだろうか、を考
えることです。
 また、ニーズは2つあり「顕在的なニーズ」と「潜在的なニーズ」とがあります。いつも口
に出したり態度に出たりするものは顧客も自分で気づいている顕在ニーズです。一方、
目の前に出されるまでは全く何とも思わなかったのに、いざ使ってみると「いいね」と買わ
ざるを得なくなるもの、これが潜在ニーズです。
 ソニーのウオークマンは潜在ニーズをもっとも象徴的に表した商品でした。僕は、実は潜
在ニーズも顕在ニーズも厳密に分ける必要もないと思っていますが、唯一それが重要だ
と思う理由は、我々は顧客の声や、経済研究所やマスコミ、専門家が出しているマーケ
ット情報などを「本当の顧客のニーズ」だと思いがちですが、それが全てではなく、そこにな
い、またはその裏にきっと潜在的な情報があるということです。だから表面上のニーズだけ
に振り回されないよう、潜在的なものへの意識を強くもっておく必要があります。顧客は
個性があり、かつ多様です。加えて環境の変化と同じく日々変わっていきます。だから、
我々は自分の足下のお客さまの像を、日々、具体的に想像することを出発点としていく
ことでよいビジネスを展開することができるのです。

4.商品のつくり方

 先ほど、相手は誰か、また相手は何をニーズとしてもっているかという話しをしましたが
それをじっくり考え、我々のもつ今の商品を重ね合わせてみると、自然と商品やサービス
のもつ「範囲」と相手(マーケット)のニーズの「範囲」が微妙に違ってくることに気がつくは
ずです。
 例えば、消費者に良心的なカレーライスを開発しようとして、本格的かつおなかいっぱ
い食べられるキーマカレーを売り出すとします。時代は今働く女性の時代なので、相手
(対象)はOLとします。しかし、これはへたをするとあまり当たらないかもしれません。
 現代の若き女性はダイエットにご執心であり、お腹いっぱいというキーワードにはのって
きません。つまり、いくら我々カレー店が良心的な良い商品を提供しても、「量はほどほ
どでカロリー控えめなカレー」に流れていってしまう可能性が高いと思われます。
 よって、我々は「量を落とした分、美容とやる気を出すハーブが配合された本格カレ
ー」を検討し、商品を変える必要も出てきます。こういった具合に、つくった商品が市場に
出た場合に起こる、消費者の様々なリアクションを具体的に想定して、売り出す前に効
率的な「マイナーチェンジ」をきちんとかつ、「センス良く」行われることが、新しい商品を好
スタートさせるキーポイントとなります。
 ここで当然の話しですが、我々の商品の持つ特長が何かということもしっかりと把握し
ておく必要がありますし、上記のような「ニーズに合わない」というのと反対に「思わぬニ
ーズ」に合致しているケースもありますので、そのチャンスを逃さないようにしてください。
 何の気なしに使っていた米が、その年の或る食品品評会で見事第1位だったという事
実がありおいしいお米だったなど・・・勿論それらは味にしみ出てくるでしょうが、それを知
って商品設計をするのとしないのとでは、やはり大きな違いが出てくると思います。


〜商売をしている人、これから商売を始める人へ〜
  2003年〜

5.1サイクルでイメージを

 商品の特徴もはっきりと整理できました。売る先もなんとなく見えてきました。通常は、
ここから、販売ルートを立ち上げ、販売に移る会社が多いのではないでしょうか?企業
として他の会社に競り勝っていくことを求められていることから、時間に猶予がないケース
が多いため、できるだけ早い市場への商品投入に圧力がかかるのが常ですね。また、優
れた推進役(企業家・プロジェクトリーダー)は、全力で走りながら次の一歩を考えている
ため、どんどんアクトプットをしていますよね。ふつうの人が見ると、売る先のことを考えてい
るとは思えないかもしれません。
 しかし一方、商品は、販売後も、顧客の生活へ入り込み、顧客との関係をつくってい
くものです。売る場面だけを想定して販売を急いで良いでしょうか?それは否だと思いま
すよ。
 そこで今回は、商品を販売することを、更に一歩進めて考えるということをしたいと思い
ます。
 1990年代に「SCM(サプライチェーンマネジメント)」という経営手法がもてはやされま
した。これは、原材料から製品への製造過程から、それを物流にのせ、顧客へ届けるま
でのプロセスがどうなっているかを把握し、「最適化」、「効率化」の観点からプロセス改
革を行うものです。この手法は企業の「キャッシュフローを増やす」「IT化をすすめる」「物流
改革を行う」など、金融・システム・運輸業界などから、ビジネス拡大のために大々的に
提案されたものではありますが、僕が個人的に気に入っているのは、SCMの、「チェーン」、
「ひとつのつながり」で商売を考える、という「視点」です。
 この考え方を少し今回の検討に都合の良いように拡大解釈して、顧客との関係をひと
つのサイクルとしてイメージしてみることが商売に大変役立つことになります。

 例えば、

 <素敵な家を販売する>
 @ 良い材料と機能性・デザインに基づいた家を設計・販売しても、 
 A 故障の時はどうする?
    壁や屋根の塗り直しまでの期間(耐用期間)と方法は?
    災害時の対応や破損部分の修理は?
    増改築する場合は?
    取り壊す時は?

   →顧客と商品との間に必ず起こる関係

 B 販売後のことを考えると・・・会社としてどういった準備をしておくべきか・・・
  ○家の管理方法や故障時対応方法を冊子(マニュアル)にまとめて顧客に渡す
  ○部材メーカーや業の一覧表を顧客に渡す
  ○どうせなら、一括して相談にのる窓口(部署)をもうける
  ○もっと進めて、定期検査を実施する

 家の例では、特に「長期」にわたって利用することから、商品が顧客の手元で様々な環
境変化を受けることになります。顧客としては、それらに対応せねばなりませんから、誰か
の手助けが必要となること多いでしょうし、潜在的には「メーカーもしくは販売会社」にアド
バイスを受けたいと感じているはずです。
 多くの販売会社はいかに売る(数をこなす)かに全神経を集中させていますが、実は、こ
ういった販売後の対応やサービスの良しあしが、最終的な販売拡大を占う非常に重要な
キーファクターとなることは良く知られていることでもあります。
 また、商品販売を一連のワンサイクルで見ることによって、「販売時の工夫」だけでなく、
「販売後の工夫」をすることができ、結果的には他社対比競争力のある商品を提供する
ことができるのです。
 みなさんの商品やサービスは、お客様提供後、どのような変化をする可能性があります
か?その起こりえる事象に会社としてきちんと対応できる組織と方法を検討してみましょう。
そして、その検討過程で他社にないものを加えてビジネスチャンスにうってでましょう。



6.販売の接点をつくる

 1サイクルで商品と顧客とのつながりをイメージするなかで、よくよく考えなきゃならない部
分はどこだと思いますか?言わずと知れた「販売ルート」の決定の部分です。いくら良い商
品をつくってもこの部分のイメージを間違うと物は売れない、ということになってしまいます。
 マーケティングの指南書でも、販売ルートの決定については、販売戦略の重要なポイント
としていろいろ考察されていますが、今回は販売ルートという言葉ではなく、もっとイメージし
やすい「顧客との接点」の設定という切り口にして、僕が考えるチェックポイントをお伝えした
いと思います。

 @まず顧客が多くいること
   基本は、私たちが「この商品どうです?」とメッセージを投げる先に、買ってくれそうな顧
   客が確実にいることが必要ですね。魚の全くいない池でいくら一生懸命に竿を振っても
   魚はつれません。

 A商品と顧客の「場のニーズ」がマッチングする場であること
   とりあえず人の多さだからといって、「今人が多く集まるのはコンビニだ。配管部品をコ
   ンビニで売ろう」では・・・今のコンビニではたぶん「×」でしょうね。比較的若い年代が
   24時間利用でき、また、主に生活・趣味に関する情報を入手する場が現在のコン
   ビニであるならば、その系統の商品を売るのが妥当ですね。つまり販売の接点には、
   私たちが希望する顧客層がいる必要があります。

 B商品特性に応じた販売の接点であること1
   例えば毎日食べる食事の材料(パン・生鮮食料品)なんかは顧客が自分でこれにし
   ようと買い物かごに入れていきます。一方、産業用機械などの企業向け商品や、個
   人向けの商品でも大型家電商品や金融商品などは、商品の中身や機能を売り手
   から説明を受け、時間をかけて理解するステップが必要となります。これらの違いは言
   ってみれば「顧客自らが理解・評価できるカンタン商品なのか、売り手の専門的な説
   明を加えた上で選ぶ要アドバイス商品」なのかの違いですね。自ずとこの違いは販売
   の手順を変えることにつながってくると思います。

   前者は、顧客の瞬間的判断(販売プロセス)を前提とした上で、有利な環境の設定
   (飲料水の棚への陳列場所を顧客の目線に合わせるなど)をすることにつながります。
   後者では、まず顧客と相談・商談できる場を設定(販売店に商品説明ができるスタッ
   フをそろえることや、職場や家に訪問してマンツーマンで説明することなど)することが一
   般には必要となってきます。私たちの商品はどちら(かんたん商orムズカシ商品)でしょ
   うか?

 C商品特性に応じた販売の接点であること2
   商品の難しさ・簡単さは時代や技術革新や消費者の常識レベルから変化していき、
   商品がかんたんになると、販売の接点が変わるのと同時に、他商品との競争が広範
   囲になっていく傾向があります。
   簡単な例を一つ。
   
   日本の家電製品は一昔前は街の電器屋さんで購入していましたが、今ではほとんど
   の人が、大型店(量販店)で購入しています。更に一歩進んで、インターネットで商品
   を買う時代になったとも言えますね。

   一昔前までは、家電製品は、まず使い方すら十分に知らない難解な商品だったです
   から、身近に使い方の相談やメンテナンスをしてくれる先を求めてたし、その役割を街
   の電器屋さんが担っていました。そこではお客さんは、店のおじさんにいろいろと分から
   いことを聞き、おじさんの「この機械はこんなこともできるんだ」という説明に、ただただ「
   へー」と感嘆して購入を決めていました。当然、商品の他社比較は充分できませんか
   ら松下の電気屋さんに象徴されるような1社の製品を売る販売ルートと場の設定で
   十分な時代でした。

   ところが、その後家電製品は、どんどん出回る、操作・メンテナンスも簡単になる、で
   顧客の扱いやすい簡単な商品に変貌してきました。人間は、理解すると良し悪しの
   比較もできるようになりますから、自ずと他の商品と比較したいという願望が出てきま
   す。そのニーズに応えたのがメーカーを問わず商品の豊富さを誇る量販店です。そこで
   は多くのメーカーの同じ機能を持った家電製品が並べられ、比較が目の前でできま
   す。そして、インターネットでは、更に品揃えが無限に近い形で増えています。町の電
   器屋さんからは足が遠のいていきました。

   つまり、同じ家電製品という商品でも、顧客の商品に対する理解度が増すにつれて
   販売にふさわしい場が変化していくということを意味し、それは同時に「専売」から「他
   社との選択の中での販売」を意味していくものなのです。

   私たちの売ろうとしている商品は、今どういったポジショニングにあるものですか?直接
   「その商品だけ」を顧客に見せて、決定してもらえるものですか?それとも他社商品と
   の比較がなされることが必至な商品ですか?
 
実は、今伝えたチェックポイントは、販売の場の設定の「基本」の部分です。「売る」という
意味での販売の場の設定はもうひと工夫ふた工夫が必要であり、優れた販売実績を残
している企業は、偶然か必然かは別として、販売の場づくりが殊更に成功しているところ
です。この部分をもう少しみんなで考えていきましょう。


7.販売の接点をつくる(その2)

 販売の接点は、顧客の集まるところを探し、商品をピッタリと提供するという場であると
ともに、ここには必ずコストの付加・付加価値の提供がなされる私達の商売上の最初の
勝負どころとなります。
 @ 何もしないで店に置く(準備する)
 A 店のまわりにチラシを配り集客する
 B インターネットで商品を販売する
 C 自社店舗を広げて販売する
 D 他の店(場所)で商品を扱ってもらう
 E 代理店制度で専属で商品を販売してもらう
 F 店を持たないセールス(営業マン雇用)販売とする
 などなど・・・
 これらの接点は商品特性や販売エリアをどう把握して商品提供をするかによって、すす
めかたは変わってきますが、ポイントを2つあげておきたいと思います。

<ポイント1>
 はじめから大々的に手を広げない(人により意見は違うと思いますが)
 よく「この商品はよく売れる。このビジネスチャンスを逃さないためには、販路を大々的に
広げるため、お金を投入し提携先を短期で増やすこと!」なんていうセリフを、ドラマだけ
でなくリアルなビジネスシーンでも聞くことがありますが、商売をギャンブルとして見ない、と
いう僕の考え方からすると、おすすめしません。安全に進められるものから順に手をつけて
いくのがいいのではないでしょうか。現在はインターネットなどに代表される低コストの接点
づくりが可能となっていますしね。

<ポイント2>
 一定期間後に販売の結果を振り返ってみること
 販売を発展していく上で、もっとも重要なことです。単に売上高だけを振り返るのでは
なく、購入層・購入エリア・生の顧客の声、なんかをしっかり集めて、次の接点へのステッ
プアップ、また、商品改善に生かしていくようにします。このポイントでも言えることですが、
最初は大きく手を広げず、その中で結果を検証し、顧客の声からニーズを更に把握し、
商品を練り直す時間を設けることが、実は最もすぐれた効率なんだと思います。